《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》特訓にがる
「「どうしよう……」」
無事、僕達は魔導船の前へとたどり著いた。
僕とアレスおじさんの他にアレシアとマリーシアさんもついてきている。
アステルは相変わらずタオルモードで僕の首にぶら下がっていた。
そこまではいいのだが……
「ルシエル、なんて言えばいいと思う?」
僕とアレスおじさんは、遅くなってしまった言い訳について悩んでいた。
時間帯的には、もうみんなが寢るぐらいの時間だ。
無斷で帰宅が遅くなった問題もあるが、アレスおじさんのやらかし問題のこともある。
僕は思いついた言い訳を言ってみる。
「実は既に帰ってきてました! ……っていうのはどう?」
アレスおじさんはその案を聞いて考え込む。
……だが、そんなときに頭上から聲が聞こえてくる。
「全然ダメね。素直に怒られなさい」
この聲は……!?
「リーチェ!?」
聲のした方へと顔を向けると、リーチェが魔導船の甲板からこちらを見下ろしていた。
リーチェは呆れた顔で僕達を見渡す。
「早く上がってきなさい。みんな心配して待ってるわよ?」
「「はい……」」
アレシアとマリーシアさんを引き連れて、僕達はトボトボと食堂に出頭するのであった。
▽▽▽
「アレスお義兄さん、それはまずいわよ……」
「同でございます」
「だよなぁ……」
今日の出來事を説明したアレスおじさんは、がっくりと肩を落とす。
母様はそんなアレスおじさんを一瞥した後、マリーシアさんとアレシアの方へと顔を向ける。
「とりあえず、マリーシアさんとアレシアちゃんには、リーチェちゃんの部屋を使ってもらいましょうか。リーチェちゃんはお母さんと一緒の部屋でもいいかしら?」
リーチェは母様へと頷いた。
「じゃあ、もう夜も遅いし、子供達はお部屋に戻って寢ましょうね」
そうして、子供の僕達は各自の部屋へと戻る。
僕が食堂を出るとき、アレスおじさんは捨てられた子犬のような目でこちらを見ていた。
……が、僕はそれを見なかったことにする。
なぜなら、僕もまた子犬のような目でリュークを見ているからだ。
「リ、リーダー、お、おやすみなさい!」
リュークは申し訳なさそうな表をして、自室へと走っていく。
リューネもいそいそとアレシアを引き連れて、リーチェの部屋へと向かっていく。
そして、僕はリーチェに首元を摑まれて引きずられていた。
僕のぶら下がっていたアステルは、現在リーチェの首にぶら下がっている。
「ねえ? アステルはまだ赤ん坊なのはわかってるわよね? こんな時間まで連れまわしたらダメでしょう? あと、アステルが晩飯を食べないんだけど、何か食べさせたのかしら?」
リーチェは笑顔でそう言ってくるが、凄い威圧を放っている。
その威圧のせいで気が気でない。
あっ、そういえば!
マリーシアさんの店で話している間、アステルはずっとお菓子を食べてたな……
「お、お菓子を食べてました」
「……育ち盛りなのだからお菓子ばかり食べさせてはダメよ。今度からは気を付けてね?」
リーチェは立ち止まって僕に微笑む。
あれ? 許してくれたのかな?
いつもより優しい気がする。
「ほら、いつまでも甲・板・に橫になってないで立ちましょう?」
「そうだね。よっこらせっと」
ん? 甲……板……?
「ほら、今日の分の特訓を始めましょうか? リーダーとして、リュークとリューネに追い抜かれないように頑張りましょう?」
「リ、リーチェさん……やっぱり、怒ってらっしゃる?」
「いいえ? 私はあなたのために特訓を手伝おうとしているだけよ?」
「で、でも! もう夜も遅いしさ。明日にしない?」
「大丈夫よ。いつもよりも容を濃くして早く終わらせるから。それに……」
リーチェの周りの空中に氷の矢が出現する。
一応、矢じりのところは丸くしてくれているようだった。
……が、その數は數え切れないほど多い。
「明日は明日で、もっと濃いのを用意するわ」
直後、僕に向かって次々と氷の矢が飛來する。
「う、うわぁぁぁ!」
僕は迫りくる矢を必死に避ける。
辺りは真っ暗でも、魔力を帯びてキラキラしているからか、かろうじて対応できそうだ。
この調子でいけばなんとかいけそう……!
「ゴブリンの放った矢と同じ速さだけれど、まだ余裕があるみたいね? 數を増やすわよ?」
リーチェがそう言うと、さっきよりも短い間隔で次の矢が飛んでくるようになった。
最初は避けられていたが、次第にかするようになり、徐々に直撃するようになる。
「ちょっ! 無理、無理無理ッ! 戻して! さっきのに戻し、にゃああああああ!」
魔導船の甲板から、僕の斷末魔の聲が響いた。
▽▽▽
次の日の朝……
「うわっ! リーダー、ボロボロじゃないですか?! どうしたんですかそれ!」
僕が食堂にると、リュークの聲が響く。
「ああ、これ? 昨日の夜に氷の矢の雨が降ってきたんだ……って、リューク! よくも見捨ててくれたな!」
僕はリュークに詰め寄ると、食堂の椅子に座っているアレスおじさんが目にった。
アレスおじさんは、燃え盡きて真っ白になっているように見えた。
「ア、アレスおじさん……どうしたの?」
「自分が食堂に來た時からあんな狀態でした……」
僕達のひそひそ聲が聞こえたのか、アレスおじさんがゆっくりとこちらに振り向く。
その目は死んだ魚のような目をしていた。
あれから、一何があったんだ……?!
「ああ、ルシエルか。……俺、近いうちにアリステラ王國に帰ることになったよ。いや、正確にはリーディアのところか……ははは」
「へっ? アレスおじさん帰るの?」
僕の理解が追い付いていない。
そんなとき、食堂の奧からバロンが出てきて説明してくれた。
「実は……」
アレスおじさんとマリーシアさんの隠し子問題の発覚。
とりあえず、この件は早めにお爺様に報告しておいたほうがいいということになった。
そこで、魔導船の通信の魔道を使って、クリステーレ家の通信の魔道へと伝言を飛ばした。
この通信の魔導というのは、対となる魔道へと聲の伝言を屆ける留守番電話のようなものだ。
その魔道で今回の一件を伝言として飛ばせば、お爺様に報告できる。
……そう思っていた。
しばらくした後、魔導船の通信の魔道へと伝言が屆いた。
屆いた聲の伝言は、こう言っていたらしい。
「帰ってこい。さもなくば、お前らを叩き斬りに行く。……リーディア・クリステーレより」
これを聞いたみんなは、震えあがった。
そうしている間にも、新しい聲の伝言はストックされていった。
伝言を聞く度、リーディアおばさんの聲からはが無くなっていく。
リーディアおばさんが早まる前に何とかしなければならない。
そう思った母様は、アレスおじさんを帰らせることを約束した……
その結果、アレスおじさんがこの狀態になっているのだという。
ちなみに、アレスおじさんはリーディアおばさんに無斷でドラグヘイムに來ていたらしい。
更にマズいことになるだろう……
「それは……マズいことになってるね……」
アレスおじさんは死ぬ気なのかな?
リーディアおばさんの家系は武家の名門で、得意とする武はハルバード……
シャレにならない。
結構前にアレスおじさんとリーディアおばさんの擬戦見たことがあるけど。
リーディアおばさんは、盾を構えたアレスおじさんもろとも、ハルバードでぶっ叩いて遠くに飛ばしていた。
あれは擬戦じゃなくて、ティーバッティングだった。
「アレスおじさん、頑張ってね。ちゃんと聖騎士のカイトシールドも渡すから……」
「ああ。ありがとう……ルシエル達もダンジョン攻略がんばれよ……俺は帰る準備をする」
アレスおじさんはそのまま食堂を出て行く。
その後ろ姿には、哀愁が漂っていた。
「リューク……僕達も頑張ろう」
「……はい!」
その後、僕達は朝食を食べた後、いつも以上に真面目に特訓をこなしていくのであった。
リーチェもし驚いた表になっていたぐらいだ。
……あのアレスおじさんを見た後だと、僕もまだまだ頑張れる気がした。
[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:遺伝子コンプレックス)
遺伝子最適化が合法化され、日本人は美しく優秀であることが一般的になった。そんなご時世に、最適化されていない『未調整』の布津野忠人は、三十歳にして解雇され無職になってしまう。ハローワークからの帰り道、布津野は公園で完璧なまでに美しい二人の子どもに出會った。 「申し訳ありませんが、僕たちを助けてくれませんか?」 彼は何となく二人と一緒に逃げ回ることになり、次第に最適化された子どもの人身売買の現場へと巻き込まれていく……。 <本作の読みどころ> 現代日本でのおっさん主人公最強モノ。遺伝子操作された周りの仲間は優秀だけど、主人公はごく普通の人。だけど、とても善人だから、みんなが彼についてきて世界まで救ってしまう系のノリ。アクション要素あり。主人公が必死に頑張ってきた合気道で爽快に大活躍。そうやって心を開いていく子どもたちを養子にしちゃう話です。 ※プライムノベルス様より『遺伝子コンプレックス』として出版させて頂きました。
8 144朝起きたら、幼馴染が悪魔に取り憑かれていた件
ごくごく普通な學園生活を送る、 高校1年生、西田 徳馬は 一つだけ誇れる自慢があった。 それは、成績優秀、運動神経抜群、 容姿端麗な宮園 愛花の幼馴染だということ。 いつものように愛花の家のインターホン を押し、愛花の可愛らしい聲で 1日がスタート。ーのはずだったが⁉︎ ☆不定期更新m(._.)m☆ ☆率直なコメントお待ちしております ☆1話1話が短めです(((o(*゚▽゚*)o)))
8 111ぼっちの俺が異世界転生したら女性ばかりでハーレム!?
高校生2年生の孤堂 一真(こどう かずま)は、學校では友達がいないぼっちだった。 一真も友達と遊んでいるよりもアニメを見ていた方が楽しいと思うオタクだった。 ある日、自転車で學校から帰っていると突然曲がり角から車が走ってきて死んでしまう。 女神によって転生された先は、男女比率が1対9の世界だったのだ!
8 89神様との賭けに勝ったので異世界で無雙したいと思います。
ある日の放課後。 突然足元に魔法陣が現れる。 そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――― ※チートな主人公が異世界無雙する話です。小説家になろう、アルファポリスの方にも投稿しています。
8 165金髪、青目の美人エルフに転生!
ある日、運のない少女蒼空(そら)は、登校中にトラックに轢かれて死んでしまった。 次に目が覚めたときには、エルフの赤ちゃんになっていた。 その上、神に好かれるという特殊な能力を持った魔王を倒した勇者の子孫。いつの間にか、そんな誰もが憧れるような立場になっていた! 學校に行って魔法について學び、仲間と協力して街を作って、戦爭もして、メイドのために冒険をして、旅をして、ただ、魔王が世界征服しようとしてるって……。よし、最終的には魔王を倒そう! ほかの勇者の子孫、學校にいたときの友達、使い魔の悪魔、蒼空の時の妹、それから住民たちと協力して。 世界征服なんてさせるものか!
8 122魔王様は學校にいきたい!
“最強無敵な魔王様の、マイペースな異世界スクールライフ(?)” 見た目は小さな女の子。しかし中身は最強の魔王様にして、吸血鬼の真祖様。 そんな魔王ウルリカ様は、どうやら魔王に飽きてしまったご様子。 そして興味を持ったのは……なんと、人間の通う學校だった!? 「魔王も真祖も飽きたのじゃ!」と、強引に人間界へと転移してしまうウルリカ様。 わがまま&常識外れなウルリカ様のせいで、人間界は大混亂!! こうして、剣と魔法の世界を舞臺に、とっても強くてとっても可愛い、ウルリカ様の異世界スクールライフが幕を開ける(?)。
8 120