《異世界転生の特典は言語理解EXでした〜本を読むだけで魔法習得できるチートスキルだった件〜》第十五話「反軍のアジト」
レグリア國は、城壁によって周囲を囲んでいる。よって、國するには東西南北に位置する4つのどれかの城門を通る必要がある。城門から馬鹿正直にろうとすれば、敵に見つかり面倒なことになるのは目に見えて分かることだ。だから他の方法を取ることにした。
昨晩、俺の【テレポート】の能力をルーシェとミカエラに説明した。【テレポート】を使って簡単に國してやろうと考えたのだ。
「そんな素晴らしい能力があるだなんて、アレン様は神様ですか?それとも神の使い?」
「そんなわけないだろ!」
とルーシェが俺を神格化していた。実際俺は神様から【言語理解EX】をもらっているため、神の使いという表現はおかしくないのか・・・・・・?いや、おかしいか。
城門から300mほど離れたし高臺になっている森林で陸竜車を止める。ここからレグリア國部へ【テレポート】する。ルーシェ達は、反軍のアジトが教會の地下にあると言っていた。そこに近い人目のないところにテレポートしたい。
古代魔法【千里眼】を使い、レグリア國の街並みを見渡す。教會、教會・・・・・・っと見つけた。國の中央辺りに位置する城の北東方向に位置する建。白を基調とした建で、屋の上には十字架が立っている。これで間違いないだろう。
「城から北東方向にある屋に十字架がついてる白い建がお前らの言う教會か?」
「そうです。ですが、あの辺は店が多いので人が多いのではないでしょうか?」
「そうっぽいな。どこもかしこも人だらけだ」
ルーシェの言う通り、教會の近くには店が多く並んでいる広場がある。そのため、人目のないところというのが全く見つからない。
「では、教會から北にある陸竜小屋付近に【テレポート】しましょう。あそこは、人もなくこの陸竜も預けることができます」
ミカエラが言った陸竜小屋は・・・・・・あれか。陸竜小屋の近くは、木々が生えていて確かに人目につかなそうだ。あそこに【テレポート】して陸竜を預けてから教會に向かうのがベストか。
「よし、じゃあそこに【テレポート】するぞ。みんな陸竜車にしっかりとれてくれ。・・・・・・れたか?じゃあ、いくぜ!」
陸竜小屋近くに【テレポート】した。ルーシェとミカエラは外套を深く被り、陸竜を預けた。これから教會に移する。
「俺が警備の目がないところを歩くから後ろをついてきてくれ」
「「分かりました」」
小聲で話しを終えると、教會に向かって歩き出す。陸竜小屋を離れるにつれて人が多くなる。すれ違う人たちは、し怪しむような目でこちらを見て過ぎ去っていく。それぐらいなら全然問題ない。通報されても俺たちが移しきった後にくだろうしな。
警備は思った以上になかった。いつも以上に周囲の気配に神経をとがらせていたが杞憂に終わったようだ。
教會にたどり著いた。教會の庭では、子供達が無邪気に遊んでいる様子が伺える。
教會の扉を開け中にるとし年老いた耳の長い男が箒を手にして掃除をしていた。恰好からして、この男は神父なのだろう。その次に目にったのが教會に飾ってある石像だ。俺に【言語理解EX】を與えてくれた神セシルにそっくりだ。挨拶の意味を込めて軽く手を振った。
「アレン様、手を振られてどうしたんですか?」
「ああ、ちょっと挨拶をな」
「?」
神父がこちらを向き、俺たちに気づいた。手に持っている箒を壁に立てかけ、こちらに近づいてくる。
「ルーシェ様とミカエラ様でございますか?」
「そうです。強力な助っ人を連れて帰ってきました」
神父は、俺を一瞥しおじぎをした。
「ご協力謝します」
「おう」
「アギールのところに連れて行ってもらえますか?」
「ええ、もちろんです。ついてきてください」
神父は部屋の奧にある扉に向かっていき、扉をあけた。狹い部屋にポツンと階段がある。これが地下に続く階段だろう。神父の後を追い、階段を下りていく。
降りた先には、教會の地下にあるとは思えないほど広い空間が広がっていた。階段を出たすぐの場所には長機やイスが置かれていて食堂のようなものになっている。ランプの明かりが空間を照らすが、やっぱり全的に暗い。他にも廊下のような役割を果たしてる道や扉があるのが見える。
この食堂のような場所にたくさんのエルフがいる。皆ハーフエルフなのだろうか。
しかしすごいな、まさにアジトってじだ。男のロマンをくすぐる場所だな。
「お、神父さん!ってルーシェとミカエラじゃないか!帰ってきたんだ!!」
俺たちの前に小柄な年のエルフがやってきた。聲を大にし、喜びを全で表現している。
「レン、ただいま。心配かけたね。もう大丈夫だよ」
小柄な年の名はレンと言うらしい。レンにルーシェはエヘンと言わんばかりにを張る。二つのメロン自己主張するかのように揺れている・・・・・・っと失禮。二人を見ているとルーシェがレンのお姉ちゃんのように見える。砕けた會話をしているだけあって仲が良いのは間違いないだろう。
レンの聲を聞いたのか子供エルフがたくさんやってきた。
「わぁー!ルーシェお姉ちゃんだー!」
「よかったー!生きて帰ってきたぁー」
「ミカエラお姉ちゃんも無事だー!」
ルーシェとミカエラはそれに笑顔で答える。
子供達がルーシェとミカエラの帰還を祝っていると次第にここにいるエルフの皆がルーシェ達の帰還に気づき嘆の聲を上げる。ルーシェ達が皆にされているのがよく分かる。
「ルーシェとミカエラ!無事に帰ってきたか!」
人だかりが落ち著くと、俺たちの前に一人のエルフがやってきた。男は、笑顔でルーシェとミカエラの帰還を祝福した。筋質なをしていて、背中には槍を擔いでいる。エルフで弓以外の武を扱う奴は珍しい。
「ええ、強力な助っ人と共に帰ってきたわ」
「ってことは、そこにいる坊主が強力な助っ人ってことだか?」
「そうです」
「なるほどな・・・・・・」
男は口に手を當てながら値踏みをするような目で俺を見る。なんだこいつは、失禮な奴だな。ぶん毆ってやろうか。
「おっと、わりいな。自己紹介が遅れた。俺は、ここで一応リーダーっぽい役割を擔っている。アギールだ。よろしくな助っ人さん」
男は、態度を変え想の良い笑顔で自己紹介をする。
「俺の名は、納豆食べ太郎だ。よろしくな」
「え?」
「ハッハッハ、変わった名前だな」
アギールは笑い、ルーシェは驚いた顔をしている。ミカエラだけが冷めた目でこちらを見てくる。何を言っているんだと訴えかけている目だ。まぁ、アギールに腹が立ったんだからこれぐらいやってもいいだろう別に。
「アレン様、普通に自己紹介してどうでしょうか」
「あーそういえば俺の名前はアレンだったかもな。忘れてたわ。アレンって呼んでくれ。よろしくなアギール」
アレンが許されて、納豆食べ太郎が許されない理由を誰か教えてほしい。俺の本當の名前はアレクだ。だから、どちらも偽名になるんだけどなぁー。というおちゃめな冗談はさておき。
「アレンは面白い奴だな。そうだな。面白い奴ってのは分かったが、お前は本當に強いのか?しさが殘る顔立ちだしな。若いだろ」
アギールが鋭いを目つきをして言った。場の雰囲気が変わる。溫度が何度か下がったようなそんな雰囲気。ルーシェが慌ててフォローに回る。
「ア、アレン様の強さは私が保証します!アギールは私の能力を知っているでしょう!?」
「ああ、知ってるし信じてるぜ。だけどな、俺は自分の目で確かめたいんだ。アレンの強さってやつを」
ククク、なるほどなるほど。こいつのし楽しそうな表を見て悟った。こいつは強い奴と戦いたい。そう思うタイプの人種だってことだ。目から闘志を隠しきれていない。
「で、でも」
「いいぜ。勝負しようぜアギール」
「アレン様!?」
「ハハ、そうこなくっちゃな。戦うのに最適の場所があるんだ。ついてきてくれ」
ルーシェはガックシとを力させた。最後まで乗り気じゃないみたいだったが、どうやら諦めたようだ。
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