《最強になって異世界を楽しむ!》魔王
「あれシャレになってないっすよ。私とカプリースじゃ相手にもならないっす」
「同だな。まさかあれほどとは」
「あ、生きてたんすね」
「お前はお禮も言えないのか……?」
エルゲルとの力量差を前にしながらも、ノクターンとカプリースの戦意が無くなるようなことはない。
全ては忠誠を誓った主のため、2人は武を構える。
「……カプリース」
「なんだ?」
「俺と一緒にあのの相手をする」
「わかった」
「ノクターン、俺とカプリースでなんとしてもスキを作る。寶石を砕くのはお前の役目だ」
「任せるっすよ!」
ロンドがシュトルムを構え、2人に指示を出す。
「連攜しても到底倒せるかわからない相手だが……俺達の目的はリート様の復活だ」
リートを封印している寶石は、ロンドの攻撃では砕くことが出來なかった。
となれば、この中で1番の怪力を誇る、ノクターンの一撃に賭けるしかない。
「やるぞ」
「おう」
「はいっす!」
ロンドとカプリースが地を蹴り、し遅れてノクターンがあとに続く。
その間もエンゲルはき1つとっておらず、ただ3人が攻撃してくるのをまちかまえていた。
「うおおッ!」
「何を話したかと思えば……実力差がわからないほどバカじゃないでしょう?」
カプリースが2本の溶剣を振り上げ、エンゲルを真っ二つにしようと、同時に振り下ろす。
エンゲルはそれを見て失笑を浮かべると、尾で簡単にけ止めた。
「ふッ!」
「へえ」
右手に持った細剣でカプリースを突き刺そうとしたエンゲルだが、ロンドの鋭い突きを視認し、細剣で軌道を逸らす。
「悪くは無いけど、私には無駄よ」
2人は間髪れずに連撃を放つが、その全てをエンゲルは尾と細剣でけ、逸らし、防いでいく。
「飽きたわ」
エンゲルは2人の攻撃を防ぎ続けると、黒い翼を羽ばたかせ、闇の暴風を撒き散らす。
「ぐ……カプリース!」
「わかっている! 溶かし盡くせ、溶剣!」
どうにか踏ん張り、吹き飛ばされるのを防いだ2人は、勝負にでる。
カプリースが溶剣に呼びかけると、溶剣が異常なまでの高熱を発し、り輝く。
「うおらッ!」
「學習しないわね」
その溶剣を再び全力で振り下ろしたカプリースに対して、エンゲルも同じように尾で防ごうとするが、
「そんな、うそっ!?」
溶剣はエンゲルの尾に當たると、多量の煙を上げながら溶かし、切斷した。
痛みはじるものの、エンゲルは眼前に迫った溶剣を後ろへ下がり、紙一重で回避する。
だが、ロンドはそれを読んでいた。
「魔法剣、解放」
シュトルムの切っ先を向けられ、咄嗟に細剣で防ぐ姿勢を取ったエンゲルだったが、ロンドは直接攻撃せずに魔法剣を解放する。
そうすることによって収束されていた暴風が吹き荒れ、勢が萬全ではなかったエンゲルは大きく勢を崩した。
「このッ!」
勢を整えようとするエンゲルに、雙戦斧を構えたノクターンが既に迫っていた。
「正真正銘、全力で振るっす!」
「くっ」
エンゲルは自を黒い翼で覆うようにして守るが、萬全の狀態からのノクターンの怪力の前には、紙とさほど変わらない。
「俺達を舐めすぎてたんだよ、お前は」
ノクターンの振るった雙戦斧は黒い翼など関係無しに、その奧にある紫の寶石へと直撃する。
「幹部を甘く見たらダメっすよ!」
ピシリ、と寶石に小さな亀裂がり、亀裂は寶石全へと走って砕け散った。
「リート様は返してもらう」
エンゲルは衝撃で大きく吹き飛ばされたが、綺麗に著地し殺意の篭もった瞳をロンドたちへと向けた。
「貴様ら……殺す! 無殘に、殘酷に、原型も殘さずに殺し……」
そこまで言って、エンゲルの言葉は止まった。
先程エンゲルが居た場所、そこに漆黒のドレスを著たしい銀髪と碧眼を持つが立っていたのだ。
その周りには、砕けた寶石の欠片が散らばっている。
「そんなに野蠻な言葉を使うのは、として失格ですわよ?」
「ま……魔王……」
「ええ。私の名前はリート。魔王と名乗らせてもらっている……この世界で最強の存在です」
ニコリと、誰もが見惚れるような笑顔を浮かべたリートは、背後にいる3人の部下を見る。
「ロンド、カプリース、ノクターン。私を助けてくれたのはあなた達ですね。ありがとうございます」
「リート様ぁ!」
ガバッと真っ先にリートに抱きついたノクターンは、嬉しそうに顔をうずめる。
「ノクターン、生きていたのですね。私も嬉しいですよ」
「リート様、ご無事で何よりです」
「あなたが來てくれるとは思っていませんでしたよ、カプリース。あなたには強者との戦闘求しかありませんからね」
「なっ」
「ふふ、冗談です」
カプリースはリートに笑顔でそう言われ、若干のショックをけるものの、それが冗談だとわかるとホッとをで下ろす。
「リート様、再びお會いできて嬉しく思います。あの時は守れずに」
「もういいのです、ロンド」
片膝をつきリートを守れなかったことへの後悔を募らせるロンドは、リートに優しく頭をでられて顔を上げる。
「3人とも、本當にありがとうございます。あとは私に任せてを休めてください」
「いえ、俺達も一緒に」
共に戦おうとする3人を、リートは、手で制することで止める。
「あなた達の主として、私もカッコイイところを見せたいのです。わかってください」
「ですが」
「大丈夫ですよ。すぐに終わりますから」
それでも心配するロンドに微笑み、リートはエンゲルへと向き直る。
「お待たせ致しました。あなたの相手は私がいたします」
エンゲルは決してリートたちの會話が終わるのを待っていた訳では無い。
當然、何度も攻撃しようとしたが、出來なかった。
どれだけ戦を練ろうと、目の前の化け、リートに勝てるイメージがまったく湧かない。
「あら、攻撃しないのですか? では、私から……」
「このッ!」
リートが腰の剣に手をかけたのを見て、エンゲルが仕掛けた。
闇を纏わせた細剣を振り、斬撃を放つ。
斬撃は地面を深く抉りながらリートへと真っ直ぐに向かい……屆くことはなかった。
「私に近づくのが怖いのですか?」
エンゲルが放った斬撃は、リートを包むようにして現れた黒い茨により、目の前で阻まれた。
「う、ああああッ!」
今度はありったけの闇を細剣に纏わせ、幾度も闇の斬撃を放つエルゲルだが、黒い茨には傷一つ付けられない。
「私を封印して、する部下を酷使してくれて……」
一歩一歩、ゆっくりとリートがエンゲルとの距離を詰めていく。
その間もエンゲルは闇の斬撃を放つが、足止めにもならない。
「まずはそうですね……跪きなさい」
リートはそう言うと、エンゲルを中心とした場所の重力を作する。
立っていられないほどの重力をけたエンゲルは、地面に叩きつけられるように膝をつく。
「はい、よくできました」
「貴様……ラース様に殺されるわよ」
「だから?」
リートはさらに重力をかけ、エンゲルはついにはうつ伏せをするように地面へ張り付けられてしまう。
「あなたは私の部下を傷付けた。生きる価値すらないゴミです。ゴミはゴミらしく、潰れて死になさい」
「が、ああっ!?」
ベキッ、メキャ
そんな不快な音が響き、エンゲルの骨が折れていく。
「ゆっくりと確実に、殺してあげます」
「この……化けがッ!!」
最後にそう言葉を聞き、リートはエンゲルへかける重力を一気に上げる。
エンゲルは臓が潰れ、骨が砕け、最後には原型も殘さずに潰れて息絶えた。
「私は化けですよ。魔王ですもの」
リートはエンゲルだったものにそう告げ、自らの部下達の元へ戻るのだった。
才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~
【コミカライズ、マンガアップにて配信中!】 この世界のほとんどがギフト(才能)と呼ばれる特別な力を持つなか、少年ハルはギフトが與えられなかった。 ハルは小さい頃に冒険者に救われた経験から、冒険者になりたいと夢を持っていた。 ギフトのない彼では到底なれるものではないと周囲の皆が笑う。 それでも、ハルは諦めずに強い思いを抱き続け、荷物持ちとして色々なパーティに參加していた。 だがある日參加したパーティメンバーの裏切りによって、窮地に追いやられる。 しかし、それを境にハルの狀況はガラリと変わることとなる。 彼が目覚めたギフト『成長』と共に――。 HJノベルスより書籍4巻4/22発売!
8 79日本円でダンジョン運営
総資産一兆円の御曹司、笹原宗治。しかし、それだけの金を持っていても豪遊はしなかった。山奧でひっそりと暮らす彼は、愛犬ジョセフィーヌと戯れるだけのなんの変哲もない日々に飽きていた。そんな彼の元に訪れた神の使いを名乗る男。彼との出會いにより、ジョセフィーヌと供に異世界でダンジョン運営をすることに。そんなダンジョンを運営するために必要だったのが、日本円。これは、笹原宗治がジョセフィーヌと供に総資産一兆円を駆使してダンジョンを運営していく物語。
8 72神話の神とモテない天才~異世界で神となる~
成績優秀、スポーツ萬能の高校生、服部豊佳は何故かモテなかった。このつまらない現実世界に 飽きていて、ハーレムな異世界に行きたいと思っていたら、 神の手違いで死んでしまい、異世界に転生した! そして転生した先は何と、神様たちがいる世界だった。そこの神様は神力という 特殊な能力を持っていて、服部豊佳も神力を授かることに!? ※実際の神話とは家系、神徳などが異なることがあります。 ※この小説では古事記を參考にしております。 ※この小説は気分次第で書いてるのであらすじが変わるかもしれません。 ※基本的にご都合主義なのでご了承を。 この小説の更新情報についてはこちらですhttps://twitter.com/minarin_narou
8 108受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
受験を間近に控えた高3の正月。 過労により死んでしまった。 ところがある神様の手伝いがてら異世界に転生することに!? とある商人のもとに生まれ変わったライヤは受験生時代に培った勉強法と、粘り強さを武器に王國でも屈指の人物へと成長する。 前世からの夢であった教師となるという夢を葉えたライヤだったが、周りは貴族出身のエリートばかりで平民であるライヤは煙たがられる。 そんな中、學生時代に築いた唯一のつながり、王國第一王女アンに振り回される日々を送る。 貴族出身のエリートしかいないS級の教師に命じられ、その中に第3王女もいたのだが生徒には舐められるばかり。 平民で、特別な才能もないライヤに彼らの教師が務まるのか……!? 努力型主人公を書いて見たくて挑戦してみました! 前作の「戦力より戦略。」よりは文章も見やすく、內容も統一できているのかなと感じます。 是非今後の勵みにしたいのでブックマークや評価、感想もお願いします!
8 83彼の名はドラキュラ~ルーマニア戦記~改訂版
大學の卒業旅行でルーマニアの史跡を訪れた俺はドラキュラの復活を目論むカルト宗教の男に殺されたはずだった……。しかし目覚めて見ればそこはなんと中世動亂の東歐。「ヴラド兄様……」えっ?もしかして俺ドラキュラですか??
8 85殺しの美學
容疑者はテロリスト?美女を襲う連続通り魔が殘した入手困難なナイフの謎!--- TAシリーズ第2弾。 平成24年七7月8日。橫浜の港でジョニー・アンダーソンと合流した愛澤春樹は、偶然立ち寄ったサービスエリアで通り魔事件に遭遇した。そんな彼らに電話がかかる。その電話に導かれ、喫茶店に呼び出された愛澤とジョニーは、ある人物から「橫浜の連続通り魔事件の容疑は自分達の仲間」と聞かされた。 愛澤とジョニーは同じテロ組織に所屬していて、今回容疑者になった板利輝と被害者となった女性には関係がある。このまま彼が逮捕されてしまえば、組織に捜査の手が及んでしまう。そう危懼した組織のボスは、板利の無実を証明するという建前で、組織のナンバースリーを決める代理戦爭を始めると言い出す。ウリエルとの推理対決を強制させられた愛澤春樹は、同じテロ組織のメンバーと共に連続通り魔事件の真相に挑む。 犯人はなぜ3件も通り魔事件を起こさなければならなかったのか? 3年前のショッピングモール無差別殺傷事件の真実が暴かれた時、新たな事件が発生する! 小説家になろうにて投稿した『隠蔽』のリメイク作品です。
8 133