《異世界で吸鬼になったので”魅了”での子を墮とし、國を滅ぼします ~洗脳と吸に変えられていく乙たち~》21 胎回帰のようなをしよう
レングラント家は、絵に描いたような理想の家族だった。
リリーナの父親であるメリック・レングラントは、休みの日になると必ず妻や子供のために時間を使ったし、普段からよく家事も手伝っている。
兵士として街の治安を守っており、王國に雇われているだけあって、給料も悪くない。
地価の上昇が続く王都に、32歳でマイホームを建てられる程度には裕福だった。
母親であるリーザ・レングラントは、メリックより4歳年下の28歳。
現在妊娠8ヶ月。
リリーナと同じく、肩で切りそろえられたブロンドの髪を揺らしながら、分け隔てなく誰にでも笑顔を振りまく、気立ての良い奧さんだ。
家事もしっかりこなすし、料理も結婚してから隨分と上達し、今では毎日メリックが家に帰ることを心待ちにするほどである。
そんな両親のことがリリーナは大好きだった。
今日、人外に変えられてしまうまでは。
千草に見送られ教會から出たリリーナは、に殘る疼きに時折熱い吐息をらしながら、ふらふらと家へと帰っていった。
本當はもっと教會に――いや、いっそあの場所に一生殘って、ずっと可がられたいぐらいだったが、まだ彼には役目が殘っている。
仲間・・たちと同じぐらい大好きな、母親がそこにいるのだ。
「ママも一緒に……こっち側に……」
引きずり込まなければ。
それはリリーナのみでもあるし、千草の指示でもあった。
ならば遂げない理由はない。
次第に早歩きになりながら、リリーナは家路を急いだ。
◇◇◇
リリーナは家に上がるなり一直線に臺所で夕食の支度をする母リーザの元に向かい、背中から抱きついた。
「ひゃんっ!?」
全く気配にすら気づいていなかったリーザは、軽く飛び跳ねながら聲をあげた。
「こ、こらリリーナ、帰ってきたなら”ただいま”ぐらい言いなさい!」
「ただいま、ママ」
「まったくもう……おかえりなさい。それと、抱きつく前に手を洗うこと」
甘えざかりのリリーナが、こうしてリーザに抱きつくことはそう珍しいことではない。
満更でもない母親は微笑みながら、洗面所へと向かうリリーナを見守っていた。
そして彼は手を洗うと、すぐさま臺所へと戻り、再び背中から抱きつく。
「あらあら、どうしたのかしら。今日はやけに甘えん坊さんじゃない」
「ママ……大好き」
「ふふふ、ママもリリーナのことが大好きよ」
「好き。大好き。ママとずっといっしょに居たい」
その言葉に微妙な違和を覚えたリーザは、彼に何かあったのでは、と考えた。
おそらくリリーナが教會に行ったであろうことは察しがついていた。
しかし、あそこの修道たちは非常に評判が良い。
どんな悩みでも真剣に向き合ってくれるし、頼み事も二つ返事で引きけ、子供たちともよく遊んでくれる。
さらに、最近は婚約者と両親をほぼ同時に失ったレリィたちの面倒も見ているのだと言う。
そんな人たちに限ってリリーナを傷つけるようなことがあるのだろうか――と、リーザは首を傾げていた。
「どうしたの急に、不安になることでもあったのかしら。心配しなくても、ママはずっとリリーナと一緒だから」
「本當? 約束だよ?」
「ええ、約束」
「じゃあ、今日はいっしょに寢てもいい?」
それを聞いて、リーザはくすりと笑った。
なるほど、今までのそのための前フリだったわけか、と。
しかしそれに続けて、”仕方ない子ねえ”とため息もつく。
リリーナは最近ようやく自分の部屋で1人で眠れるようになったばかりなのだ。
「怖い夢を見たの、だから……」
「わかってるわ、ならママたちの寢室で――」
「ううん、私の部屋がいい。リリーナはママと・・・いっしょがいいの」
やんわりと父親との同衾を拒むリリーナ。
そういう年頃になるにはまだ早すぎるが、気にする気持ちもわからないではない。
「そんなこと言ったらパパ悲しむわよ」
「……でも、ママがいい」
「はぁ……それがいいなら仕方ないわね、じゃあ今日はママがリリーナの部屋で一緒に寢てあげる、それでいい?」
「うんっ!」
元気に返事すると、リリーナはリーザの背中に頬ずりをした。
いつもより抱きつく力が強い所から見ても、よっぽど嬉しかったと思える。
夫には悪いが、娘に一緒に居たいと言われて嬉しくない母親は居ない。
リーザは1人頬をほころばせながら、夕食の準備を続けるのだった。
◇◇◇
その日の夜、リーザは自分の枕を持って、リリーナの部屋を訪れた。
部屋にあるのはシングルベッドなので、かなり窮屈になりそうではあったが、おそらく問題は無いだろう。
甘えたがりモードにったリリーナは、リーザを離そうとはしないだろう、彼はそう考えていたからだ。
それよりも――と、リーザはベッドに座って母を待つ娘の頬に手を當て、心配そうに覗き込んだ。
リリーナは首を傾げ、そんな母親の顔を眺めている。
「本當に大丈夫なのかしら、やっぱり顔が悪いように見えるんだけど」
「さっきも大丈夫って言ったよ、むしろ元気なぐらいだから!」
にかっと歯を見せつけるように笑うリリーナを見て、杞憂なら良いのだけれど、とリーザはそれ以上考えるのをやめた。
実際、リリーナは全く噓は言っていない。
の調子は以前より相當良くなっているはずだ、今の彼の能力は人間を超越するほどである上に、千草の魔力まで満ちているのだから。
「そんなことより早く寢ようよ、ママ」
「はいはい、そんなに急かさないでよ。あんまりきすぎると赤ちゃんびっくりしちゃうんだから」
膨らんだお腹をかばうようにベッドに上がると、橫たわるリーザ。
リリーナもその隣に寢そべり、ぴたりと彼に抱きついた。
リーザはベッドの傍らに置いてあるランプに手をばすと、スイッチを切る。
真っ暗になった部屋の中で、ほどなくして二人分の寢息が聞こえ始めた。
リーザは眠る。
自分の娘が、すでに人外と化していることも知らずに。
そしてその娘が、自分を魅了するためににれていることも知らずに。
何も知らない母親は、愚かにも眠り続ける。
それが――2人がまともな親子・・・・・・として過ごした、最後の夜であった。
◇◇◇
翌朝、目を覚ましたリーザの目に映ったのは、こちらをじっと見つめる娘の姿だった。
吸い込まれそうなほどき通った赤い瞳、シルクのように白くらかな、整った目鼻立ち。
気づけば、いながらも、としての魅力を十分すぎるほど兼ね備えたリリーナに見とれていた。
「おはよう、ママ」
リリーナはリーザの頬に手を當てると、顔を近づけてくる。
リーザは自分が母親であることも忘れ、そのままを寄せ――れる寸前で、正気に戻った。
迫る娘の肩を摑み、強引に突き放す。
「いたっ……」
そして苦痛に歪むリリーナの姿を見て、冷靜さを取り戻す。
一自分は何をしているのか――おはようのキス程度なら、親子のコミュニケーションとしては十分に有り得る範囲ではないか。
だと言うのに、なぜ今、自分は娘に恐怖をじてしまったのか。
「ご、ごめんねリリーナ! ママ、いきなりでびっくりしちゃった」
「ひどいよお、ママ……」
目の端に涙を浮かべる娘に、さらに罪悪を募らせるリーザ。
こうなってしまうと彼の機嫌を取る方法は1つしかない。
何、ただの娘とのスキンシップだ、変に張する必要など無い。
だと言うのに、まるで夫にそうする時のように心臓が高鳴ってしまうのは――いや、何かの間違いと思うしか無い。
それでも悸は収まらない。
このような覚、まるで子供の頃の初のようではないか、そんなを娘相手に抱くなどどうかしている。
しかし、これはあくまで、親子としての接、特別な意味など何もない――そう自分に言い聞かせながら、リーザはリリーナにを寄せた。
ちゅ。
リーザのに、電流が走った。
れただけだというのに、一気に溫が上昇し、恥ずかしさに転げ回りたくなる。
だが娘を目の前にそのようなことは出來ないので、必死でリーザは耐えた。
そんな親の気持ちなど知らず――いや、本當は知っているのだが――リリーナは無邪気に「ママだいすき」と笑うのだった。
◇◇◇
一時の気の迷いかと思ったが、ベッドから抜けて朝食の準備を始めてもリーザの狀態は変わらなかった。
椅子に座り、自分の背中をじっと見ているリリーナの視線をじただけで、何かを期待しているかのように気持ちが高ぶってくる。
だが、その程度はまだ序の口に過ぎなかった。
彼がもっとも自分の異常さを自覚したのは、メリックが起きてきた時だった。
「おはようリーザ、リリーナ」と爽やかに言ってくる彼に対して、リーザは「ええ、おはよう」と笑顔で応えた。
そしてまた料理を再開する。
メリックはそんなリーザの背後から近づくと、肩をとんとんと指で叩く。
反応して振り返った彼は――気付けばを奪われていた。
「まだだったろ?」
笑いながらメリックに言われて、リーザは初めて気づいた。
そういえば、毎日のように”おはようのキス”をしていたはずなのに、今日はしていなかったな、と。
しかもだ、本來ならリーザの方からそれをねだるはずなのだ。
だというのに今日の彼はリリーナに気を取られるあまり、完全に忘れていた。
人によっては、どうでもいいことだと思うかもしれない。
しかしなくともリーザにとっては、それは自分にとってショッキングな変化だったらしい。
付き合い始めて今まで、一切途切れることの無かったメリックへの想い。
それが――他でもない自分の娘の手によって、斷たれてしまったのだから。
◇◇◇
夫が仕事へ出かけるとき、再びキスをした。
心は何も言わなかった。
娘が學校へ出かけるとき、せがまれ再びキスをした。
心は今までじたことが無いほどざわついていた。
そのを――果たしてと呼ばずに何と呼べばいいのか。
リーザは誰も居なくなった自宅の中でひたすらにその答えを探し続けた。
しかし、なんど自分に問いかけても帰ってくるのはただひとつの結論だけである。
長年夫にをし続けてきた彼はよく知っているのだ。
自分がリーザに抱いているが、おそらくそれと同じ類のものである、と言うことを。
1人自宅で苦悩するリーザだったが、その時――彼の耳に、がちゃりと鍵が開く音が聞こえた。
時刻は正午前、夫にしても娘にしても帰ってくるにはまだ早い。
彼がリビングの口に視線を向ける。
「ただいま、ママ」
そこに居たのは、學校に行っているはずのリリーナだった。
どくん、とが高鳴る。
「お、おかえりなさいリリーナ。どうしたの、まだ學校が終わる時間には早いわよね?」
「うん、調が悪いから帰ってきたの」
「そう……なの?」
確かに顔は悪いが、それは昨日と変わらない、つまり調自は良いはずだ。
周囲に心配されるあまりに流されて早退したという可能もあるにはあるのだが……理由が何にせよ、リーザにとってタイミングが悪いことに変わりはない。
できればもうし気持ちが落ち著いてからの方がありがたかったのだが。
「ならベッドで休んだ方が良いわ、まずは著替えを――」
「それよりママ、おかえりなさいのちゅーは?」
そう言って目を瞑り、微かにを突き出すリリーナ。
その様を見てリーザは、ごくりと生唾を飲み込んだ。
嫌ではない。
そう――嫌などではないのだ。
それが彼にとっての最大の問題だった。
むしろ言われなければ自分からキスをしてしまいたかった、実の娘に対して。
自然とリーザは立ち上がり、リリーナに近づいていた。
そして顔を近づける。
まるで夜中、ベッドの上で隣に眠る夫をう時のように。
「ふ……ん」
斷の果実を齧るようなの高まりに、思わず聲がれた。
このままずっと、れ合っていたい。
そう思ってしまう自らのを律し、リーザはリリーナからを離す。
リーザは「っはぁ……」と母親らしからぬ吐息をもらさずには居られなかった。
そんな彼に向けて、追い打ちをかけるようにリリーナが耳元で囁く。
「ママ……いっしょに寢てくれたら、合が悪いの早くなおるかもしれないよ」
その聲は、極上ののようにリーザの思考にねっとりとまとわりついた。
ギアの回転が鈍る、脳がうまく廻らなくなる。
呼吸孔が塞がれる、酸欠のようにぼーっとする。
無理に抗えばオーバーヒートすることは避けられそうにない。
リーザは脳で言い訳を數多繰り返した。
うまい文言が思いつかなくなると、ひたすらに”私は悪くない”とリピートした。
そして、に負けた彼は、こくりと首を縦に振った。
その時――にこりと笑ったリリーナの顔が、天使のようでどこか悪魔めいて見えたのは、きっとリーザの気のせいでは無かったのだろう。
◇◇◇
気づいたときにはもう、手遅れだった。
ベッドに隣り合わせで橫たわると、リリーナはすぐさまリーザにキスをねだった。
リーザはそれにすぐさま応えた、斷ろうという気などさらさら無かった。
娘と幾度となくバードキスをわしていると、しずつ1回あたりの時間が長くなっていく。
”まだ母娘がれ合っているだけ”と自分に言い聞かせていたリーザだったが、次第に言い訳が出來ない段階へと差し掛かりつつあるのをじていた。
「ん、んふ……ちゅ、ぁ……ん……」
自分の娘かられる、さに見合わないっぽい聲。
それを聞く度に、リーザの理は削ぎ落とされていった。
こんなに気持ちよさそうなのだから、何も問題はない。
理屈や倫理は本能に飲み込まれ、支離滅裂な論理の前に打ち負けてゆく。
そのまま2人は口づけを続けていると、リリーナがちろりとリーザの上を舐めた。
「ぁん……」
娘の粘がれたに、リーザの口から”の聲”が溢れ出た。
それが偶然なのか意図的なものなのか、彼には判斷する方法は無かったが――リーザの本能は娘のその行為を”赦し”であると、破綻した論理を用いて斷ずる。
「んにゃ、ふ、ママぁ……」
リーザの舌が自らのを這うと、リリーナは甘えるようにいだ。
その聲は明らかに喜んでいる。
だったら、とリーザはさらに大膽になっていく。
の隙間にぴたりと先を合わせると、をなぞるようにかした。
するとリリーナが呼び込むように微かに口を開く。
これ以上は、後戻りできない――そう靜止する理の聲も、今やリーザの背中を押すだけだった。
「ふうぅぅ……んふー……っ」
そして、ついに、2人の粘同士がれ合う。
瞬間、リーザの頭に、”なぜ今まで拒んでいたのか”と自分を笑い飛ばしたくなるほどの、強烈な快が走った。
舌先がれ合うだけでこれなら、もっと深くわればどうなってしまうのだろう。
そんな間違った好奇心を止める理すら今の彼には存在しない。
リーザは自らの意志で、リリーナの口にうねる舌をねじ込んだ。
さらに、”自分がそうされるのが好きだから”という単純明快な理由で舌裏の奧まで挿し込み、そこから舌の周りをぐるりとなめとっていく。
「はむっ……お、おふ……ふううぅぅんっ……!」
元より奧の方をされるのが好きなリリーナは、ぬらりとしたの塊が口を満たしていく覚に、背中を仰け反らせながら反応する。
半吸鬼デミヴァンプとなり、人間らしいモラルを完全に失った彼は、その相手が母親だろうと――いや、むしろ母親だからこそより深くわることをんだ。
だが、あくまで主導権はリーザにある。
母親に襲われる娘という立場を楽しむリリーナは、あえて自分から攻めることはしなかった。
さらに奧へ奧へとい込むように、巧みに舌をかし、絡めていく。
「えるぇ……ぐちゅ、じゅぷ、ん……はあぁっ……」
リリーナは、自分のを圧迫するリーザの膨らんだ腹がおしくて仕方なかった。
いつもは大事に大事に守っているくせに、今はそれも厭わずに、ただ自分だけに夢中になってくれている証拠だからだ。
8ヶ月目にり、気丈なリーザですら時折つらそうな表を見せていたのだが――キスをしている今は、一切そんな素振りも見せていない。
満たせている、うまくやれている、その確信がリリーナに自信を抱かせる。
「はぁっ――」
キスを終えると、2人はしばし見つめ合った。
母娘として、なおかつをぶつけ合える相手同士として。
まるでディープキスでもするように視線同士を絡め合わせ、それだけで一旦落ち著こうとしていたが膨張を始めていた。
リリーナはそんな母親を見て、熱さからの解放を裝いながら、元のボタンをふたつ、みっつ外す。
リーザの視線は、そんな彼の指のきに釘付けになっていた。
「ママ……リリーナを、どうしたいの?」
鎖骨が汗ばんでっている、匂いもこの部屋にったときよりずっと濃い。
目の前に、とっくに準備の済んだ據え膳が置いてある。
だったらすることなんて、どうしたいかなんて、決まってる。
「好きにしていいよ、上も、下も、ぜえんぶ」
いに導かれ、リーザの手がリリーナのにびる。
そして、ひと、ふた、みい、よお、とボタンを外していった。
服の下から現れたのは、數ヶ月前、2人で買いに行った時に選んだ白の飾り気のないキャミソール。
まさかそれを見て、自分が興するような狀況になるなどと、あの時は想像すらしなかった。
だが今は――自分が選んだ下著をが纏っている、その事実がやたらリーザの獨占を煽り、獣を掻き立てた。
「もう、リリーナとママ、母娘でいられなくなるかもしれないけど、本當にいいの?」
「違うよママ、逆だよ。リリーナとママはこれでずっと母娘なるの。母娘は結婚したらいつか離れ離れになるけど、人になれば、永遠に離れなくなるから」
筋は、全く通っていない。
しかしリーザは納得した。
この娘は私とずっと一緒に居たいだけだ、けなげな娘の頼みじゃないか。
なら、聞いてやろう、と。
もっともらしい理由をつけて、強引に納得したのだ。
「リリーナ、がんばるから。リリーナを産んでくれたママのをたくさんって、気持ちよくするから。だから――ママも、ママが産んだリリーナのをたくさん、って、気持ちよくしてね?」
気持ちよくしよう。
気持ちよくなろう。
の繋がった娘となら、きっと夫とは比べにならない高みへと至ることができる――
もはやそれしか考える事のできなくなったリーザは、まるでそのを食らうかのように、リリーナのに口付けた。
2人の聲は、メリックが帰宅する寸前まで響き続けた。
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