《やっと封印が解けた大魔神は、正を隠さずに凡人たちに力の差を見せつけます ~目覚めた世界はザコしかいない~》面倒くさいので、伝説の竜に頑張ってもらいます
二百人もの人間の襲撃。
その事実は、魔たちをおおいに震えあがらせたようだ。
異様な気配を察して、多くの者たちが街の奧に避難している。一部、戦闘職に就いている魔たちは戦線に殘っているが、みな、世界の終わりとでも言うように死んだ顔をしている。
「ふう」
と僕はため息をついた。
たかが人間ごときの襲撃に、なにをここまで怯える必要があるのか。本當に魔たちは弱化しすぎている。
人間たちは刻一刻とこちらに歩み寄りつつあった。松明のが、徐々に大きくなっていく。
――たいした自信だ。
正面突破でもするつもりなのか。
襲撃前に、こうも堂々と自分たちの姿を見せるとは。 
そして。
自信たっぷりに歩み寄る人間たちとは正反対に、魔たちはなかば恐慌をきたしていた。
「おい、どうする……?」
「ま、まずはカノーネの幻魔法で人間たちをわせるべき……じゃないかな?」
「ば、馬鹿を言わないでおくれ! あたしの魔法が人間たちに通じるわけないじゃないか!」
その後も、ぎゃあぎゃあと言い合いが続いていくものだから、僕としても呆れ聲を発するしかなかった。
「……いいよ別に。僕があいつらを引きける。君たちは、僕の合図があるまで待機しててくれないかな」
瞬間、さっきまでさわがしかった魔たちが、こちらも呆れたように僕に目線を向ける。
「え、えっと、君、エルさんといったかい」
そう言ったのは、カノーネと呼ばれるだった。
狐のような顔面を持ちながらも、二足歩行をするのが特徴的な魔である。
「街の住民を助けてくれたことは確かにありがたいけど……。あんた、戦いには向いてないだろう? 悪いことは言わない。ここはあたいたちに任せて、あんたも避難を……」
長ったらしいカノーネの言葉を、僕は片腕を振って靜止した。
「なら、君たちならどうにかできるというのかい? 絶的な狀況っぽいじゃないか」
「っぽいて……どう見ても絶的だろう、これは」
そんなやり取りをしている間にタイムリミットが來てしまったようだ。
人間たちはこちらから十メートルほど離れたところで進行を止めた。 
それから、代表者らしき男が一歩前に進み出ると、大ぶりな剣を地面に突き立て、張りのある聲を響かせる。
「ニルヴァに住む、極悪なる魔たちに告げる!」
「ひっ!」
迫力に怖じ気づいたのか、カノーネがびくりと肩を震わせる。
「我らの生命と安全を脅かす、非道なる魔たちよ! 我らはもう、貴様らの所行を放ってはおけぬ! よって、ただいまより貴様らを殲滅する! そして謝するが良い。我らが、死する覚悟を與えたことを!」
「くっ……おのれ……!」
オークが太い牙をぎりぎりと歯噛みする。
「たいした圧だ……! あいつ、強いぞ……!」
そう言われると、僕としては目を丸くするしかなかった。
「えっ、あんなのが?」
「おまえにはわからんのか! 奴から発せられる、すさまじいまでの闘気が!」
「う、うーん……」
ごめん、わからない。
いや、奴らの強さはわかるよ?
けど強いってのは言い過ぎだ。
というか、あいつらの強さはわかるのに、僕の強さはわからないのか……。つくづく悲しい話だ。
人間たちの聲明に対し、反応をする魔はいなかった。現在の最強戦士らしいオークでさえ、ぶるぶるとを震わせている。
やれやれ。仕方ないか。
僕も人間たちに倣ならい、一歩前に進み出ると、大きく聲を張った。
「君たちの文言はどうでもいいとして。ひとつ、教えてほしいことがある。――いったい誰が、君たちに甘い言葉を投げかけたのかな?」
「な、なんだと……?」
人間たちが互いの顔を見合わせる。
「あまりにタイミングが良すぎるんだよ。この街に通者がいるか、もしくはスパイがいるとしか考えられないんだけどね」
「ふん。なんのことだかわからんな」
そう言って、代表者は薄い笑みを浮かべる。
――ま、當然あっさり教えてくれるわけないよね。
僕も目元に皺を刻み、微笑んでみせた。
「なら仕方ないね。――力づくで口を割るとしようか」
「…………は?」
瞬間、人間たちは再び顔を見合わせると、ぎゃははははと弾けたように笑い出した。
「おい、聞いたか!? あいつ、俺たちに勝つつもりらしいぞ!?」
「あ、あんな! ちっぽけな! 魔力でか!」
「いひひひひ! 俺、腹いてェよ!」
どうやら、二百人全員が笑い聲を響かせているらしい。やかましい聲が周囲に鳴り渡る。
「お、おいおいおい」
僕の背後で、オークが小さく耳打ちしてきた。
「おまえ、おかしい奴だとは思っていたが……。ここまでいかれているとは思ってなかったぞ。いまの聲明はどう考えても常識はずれだ」
「――らしいね。いい加減、腹が立ってきたよ」
「……え?」
「――召還魔法、発。目覚めよ、伝説の古代竜」
瞬間。
ずとん、と。
魔と人間たちの間に、反則級のでかさを持つ伝説の竜――リュザークが姿を現した。
「……っへ?」
さっきまで馬鹿笑いをしていた人間たちが、今度はあんぐりと口を開け、竜を見上げた。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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