《異世界はチートなカードで乗り切ろう!?》55.Sクラスの特訓開始
シストリナからの選択肢を突き付けられた、Sクラスの面々は悩んでいた。
「たしかに強くはなりたいけど…」
「あの鍛錬を見せられたらなぁ…」
「わ、私はお願いしようと思ってるよ?」
「いや、でも…」
「あれはフィレリア様が組んだ容らしいし、多は緩くなるんじゃないか?」
々と悩んだり話し合った結果、全員でハルトに頭を下げることにした。
「まさか、本當に全員とは…」
「私の言った通りでしょう?」
困気味のハルトに対し、得意げな顔をしている何とも対照的な2人が翌日の夕暮れ時の教室に殘っていた。
「國王様から許可を取っているとはいえ、僕が異世界からの転生者であることを言って信じますかね?」
「その辺は心配しなくてもいいわ。私がハルトのいた世界の記憶を一緒にみせるから」
「それなら大丈夫か。まあ、理解できないだろうけど」
「ええ、ハルトのいた世界の常識がこちらとかけ離れすぎているもの。初回は難しい話はなしにしてこの世界との違いをかみ砕いて解説していくほうがいいわね」
こうして、明日クラスメイトに話す容を決めていった。
「これから話す容は國家機のなかでも最上級のものだから、契約の魔道を持った父上の書も呼んでいるわ。契約の容をしっかり読んでサインしてちょうだい。いまならまだ逃げれるわよ?」
シストリナの言葉に一瞬たじろぐクラスメイトが多い中、ムルドフはそんな様子もなく契約にサインして部屋にっていった。そんなムルドフを見て、他のクラスメイトも続いていく。
全員が契約にサインしたことを確認すると、シストリナは書の男に聲をかける。
「クレウスありがとう。もう帰っていいわよ」
「はい、そうさせていただきます。新たな騎士部隊の創設、楽しみにしております」
「気が早いわよ。まあ、確定事項だからいいのだけれど」
シストリナはそう言って部屋にっていった。
「まずは、誰も怖気づいて逃げ出さずに契約にサインしてくれたことに謝するわ。そして、これから語られる容はどんなに突拍子のない話であっても事実に変わりないわ。質疑応答は明日、行うわ。どうせ混してまともな質問ができないでしょうから」
「それじゃあ、はじめようか。僕…いや、俺は転生者だ。ただし、この世界とは異なる世界からの、だけどな」
「「「はぁっ?!」」」
「ちなみに、その世界には魔法なんていうものは存在してない。當然、魔もいない…」
それから一時間ほどシストリナの魔眼の能力も使いながら地球の説明をしていく。
「…そしてなぜか、科學と魔法にはつながりがあるらしい。ってなわけで俺はこれからお前らに科學を教える。まあ、この國の宮廷魔導隊の隊長は軽く圧倒できる威力の魔法を片手間で発できるくらいにはなる。今日はここまでだ。明日から頭に詰め込んでもらうからな。がんばれよ」
そう言ってハルトは部屋から出ていった。殘されたクラスメイトは皆
(訳が分からん)
と思ったそう。
翌日の放課後、また同じ部屋に集まり、質疑応答がなされる…筈だったのだが、話が突拍子もなさすぎてみんながついていけなかったため、ほとんどなかった。まあ、そうだよな。
「さて、今日は基本的なことをやっていこうと思う。一番説明しやすい火がなぜ燃えるかについてからやっていこうと思う。これは地球あっちの常識だからこの世界のものと多違う點があるが、調べたら些細なことだったからその辺も踏まえてやっていく。それじゃあ、各自配られている資料の最初のページを開いてくれ」
そこから、一時間ほど説明を続けたが、見えないものを説明するのは難しいと再確認させられた。まあ、リナが特殊なだけなのだが。
「明日からは、僕の記憶から理科の実験の部分をみんなに流すようにしてください。あれなら口頭で説明するより分かりやすいと思うので」
「ええ、お安い用よ。よくよく考えれば私はその記憶を見たから理解が進んだのよね」
「言葉だけではどうしても無理がありますからね。小さいころからそういう授業をけていたわけではないですし。まあ、まだ脳がらかい年代なので大人よりはるかに覚えやすいはずですけどね」
翌日はハルトの記憶を全員に見せながら話を進めていく。すると…
「明で見分けがつかないはずなのに何でこんなに違いが出るんだ?!」
「気とはこのように目に見えていなくとも変化をもたらしています。ちなみに、魔法で生された炎であっても、點火源が魔力なだけで基本的な燃焼の法則に変わりはありません。これを応用すれば、より高威力な魔法が放てます。それに、火屬の魔法を無効化することもできます。ムルドフ、僕に向けて【ファイアーボール】を撃ってください。あ、さすがにこの場所で全力はやめてくださいね」
「んなことはわかってるよ。【ファイアーボール】」
ハルトに向けてソフトボールサイズのものがゆっくりと近付いてくる。
「先ほど見た中で二酸化炭素の中に火をれると消えましたよね?それも再現することができます。このように、ね」
そういうとハルトは右腕を飛んできている【ファイアーボール】に向ける。
「この【ファイアーボール】を二酸化炭素で包み込むようにイメージすると…」
次の瞬間【ファイアーボール】が消滅した。
「おいおい、これじゃあ【火】屬の魔法使いの立場がなくなっちまうぞ!!」
「ムルドフの言うことはもっともですが、それは対人戦に限ったことであって、魔相手ならばこれまで通り通用しますよ」
「だが、肩が狹くなることは間違いない」
「安心なさい。この技を習得するには途方もない修練が必要になるわ。一朝一夕でできるものではないわ。それに、この報は今この場にいるメンバーと國の重鎮くらいしか知らないし、公開する気もないわ」
「そうか、それなら安心できるな」
「ちなみに、この授業でイメージがつかめれば適を持っていなくとも、【火】屬魔法を使えるようになりますよ。魔力の消費は大きいですが」
「明日は、それを踏まえて魔法の訓練をしましょう。魔力の底上げも同時にできるフィレリアさん直伝のやつをやります」
その言葉に絶した表をするクラスメイト達がいた。
いやぁ、申し訳ない。4月中にもう1話行けるかなと思ったら學校からの課題やらで忙しかったもんで…
今月こそはもう1話出そうと思います!
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