「あー、やっと來てくれた…待ってたんだよ。あなたのことを…」

私が目を覚ますと私は水の中にいた。不思議だ。水の中なのにしっかりと息ができて普通にくことができる。メロウやポチャを呼んでいるわけでもないのに…

「あの子に手伝って貰えて本當に助かったよ。こうしてあなたと1対1で話す機會が作れて…まあ、話す機會を作り始めてから今まで結構な時間がかかっちゃったけどね…」

私は周囲を見回し聲の主を探すが周りに人影は全くない。

「ごめんね。私のはここにはないの。ここにあるのは私の魂だけ…」

「あなたは何者なのでしょうか？」

恐る恐る私は聲の主に尋ねる。

「私は水の霊神ウェルディーネ、あなたのことをずっと見ていたわ。そして、あなたと契約したいと思った。霊神としての使命を果たすならばあなたの旦那様と契約すべきなのだろうけど私はあなたと契約したい。水の霊神ウェルディーネの力、け取る覚悟はある？」

「霊神の力…」

普段、私がする人が使っている力、それと同等の力が手にる。これで私もあの人と同じ場所で戦える。

そう考えるとすごく嬉しかった。守られてばかりだった私にあの人と同じ場所で共に戦える力が手にるかもしれないと考えると…

「で、どうする？私としては契約してくれると嬉しいんだけど。もちろん契約するための條件なんてないから安心して」

「水の霊神ウェルディーネ様、どうか私と契約してください」

私は一切の迷いなく契約することを選択した。

「ウェルディーネ…いいや、ウェルでいいわよ。じゃあ、これが契約の証、これであなたは私をいつでも呼び出せるわ」

自分の指にいつのまにかはめられていた指を私はそっとでる。

「これからよろしくお願いします」

「うん。よろしくね」

こうして私は霊神の力を得たのだった。

「どうやら上手くいったようだね。おめでとう」

私の目の前に突然小さな霊が現れた。

「僕は時空の霊神アナザー、そう警戒しなくていいよ」

「アナザーさんにはあなたをここに連れてきてもらったんですよ」

「うん。とりあえず上手くいったみたいで良かったよ。さて、これは契約完了の祝いだ。持っていくといい」

アナザーはそう言いながら私の前に小さな空間のを作り出す。そしてそのからクリスタルのように輝く槍が落ちて來た。

「神ヘリオルライト、必ず君達の役に立つだろう。さて、じゃあそろそろ時間だね。また、會える日が來ることを楽しみにしてるよ」

気づくと私は巨大都市エルミスに戻って來ていた。