「リュウさん、人がいます…の子みたいですけど……」

バリアス部を調べて回っていた際ニコルちゃんがバリアス部で人間のの子を見つけた。年齢的にはまだ15歳くらいかな？かなりやつれていて大量的に限界そうだ。

「えっと…大丈夫？じゃないか…お腹すいてるよね？とりあえずうちでご飯を食べようか」

僕がそう言ってもの子は震えたままかない。とりあえず僕はの子とニコルちゃんを連れて家に戻った。

「ヒナちゃん、悪いけどこの子に何かご飯を作ってあげてくれないかな？出來るだけ急ぎでお願いしたいんだけど」

「わかりました。とりあえずリビングで待っていてください」

の子をリビングの椅子に座らせてしばらくするとヒナちゃんが味しそうな料理を持って來てくれた。

「とりあえずたくさん食べて。出來たらそのあとあそこで何をしていたか聞かせてくれないかな？」

僕がそう言うとの子は小さな聲で何かを呟き手を合わせた後ヒナちゃんの料理に食らいついた。

「………ごちそうさまでした」

ヒナちゃんの料理を食べ終えたの子はボソッと呟いて手を合わせた。

「リュウさん、お話を聞く前にこの子をお風呂にらせてあげていいですか？だいぶ汚れてるみたいですから」

「うん。頼むよ」

ヒナちゃんに連れられての子は浴室に向かう。しばらくするとの子とヒナちゃんは浴室から出てきた。の子はヒナちゃんが貸してあげた服を著て浴室から出てきた。

こうしてよく見ると大人しそうでとても可らしいの子だった。さらっとした短めの黒髪のの子はヒナちゃんに連れられて僕の前に座った。

「えっと、とりあえず名前を聞いてもいいかな？」

「ゆめみ………」

「ゆめみちゃんか…えっと、あそこで何をしていたのかな？」

「隠れてた…魔族が攻めてきた日からずっと、隠れてた…たまに食べを取るためにこそっと街に行ったりしたけど…怖かった…」

気な格のの子は細々とした聲で僕の質問に答えた。

「えっと、家族とかはどうしたの？」

「殺された…バリアスが征服された時に…」

「そっか…えっと、バリアス部にいてどうやって魔族から隠れてたの？」

「魔法…お父さんからもらった『夢海』の魔法を使ったの…」

ゆめみちゃんはそう言いながら大切に持っていた魔導書を機の上に置く。魔導書ランク5の魔導書だった。

「えっと、どんな魔法か聞いていいかな？」

「れた相手に自分の好きな夢を見させられる魔法。人の夢をる魔法。こうなったらいいのになと思ったことを葉えられる魔法」

え、何それめっちゃ強いじゃん……

後から聞いた話だが思ったことを葉えられる魔法は些細なことしか葉えられないらしい。だから殺傷はほぼないと考えた方がいいみたいだ。

「しだけ魔導書を借りていい？」

「ちゃんと返してくれるなら…」

僕はゆめみちゃんが持っている『夢海』の魔法を魔導書にコピーした。

「ありがとう。返すね」

僕はゆめみちゃんに魔導書を返す。魔導書をけ取ったゆめみちゃんは眠たそうに大きなあくびをしたのでヒナちゃんに頼んで空いてる部屋に連れて行ってもらった。

「リュウ様、あの魔導書危険です」

リビングに誰もいなくなった後シャインが小さな聲で呟く。