「ゆめみちゃん、ここで大人しくしてて…」

「………はい」

僕はゆめみちゃんを抱きしめてから翼を羽ばたかせミカエラの前に移する。

「………の王……さすがリュウ様と言わせていただきましょう…覚醒狀態をまともに使えないにもかかわらずの王の力を発させるとは」

「ミカエラ様、危険です」

「お下がりください」

ミカエラが従えていたヴァルキリーたちがミカエラの前に立ち塞がる。

「離れなさい！全員今すぐに門の中へ…『夢海』を除くリュウ様のお仲間も中へ運んで傷があったら手當をするように」

ミカエラがそう言うとヴァルキリーたちはミカエラの言葉通り行する。ゆめみちゃんはヴァルキリーがみんなの元にやって來るのを見てみんなを守ろうとする。

「ゆめみちゃん、大丈夫。ミカエラはみんなを傷つけるつもりはない。あとみんなにかけた魔法を解除してあげて」

「……わかりました」

ゆめみちゃんはみんなにかけた魔法を解除しみんなを夢の世界から目覚めさせる。

「リュウ、何なのその格好？」

「の王…さすがリュウ様です」

夢から覚めたみんなが僕にいろいろ言うが今はそれに答えている余裕はない。

「みんなは先に門の中にっていて、僕はあとからゆめみちゃんとミカエラと一緒に行くから」

僕がそう言うとみんなは黙って僕に従いヴァルキリーたちと門をくぐった。

「僕が勝ったらゆめみちゃんも一緒に門をくぐらせてもらうぞ」

「私が勝ったら『夢海』は始末します」

僕とミカエラはお互いに剣を抜き翼を羽ばたかせ宙を舞う。

「破壊の」

僕はの力をエリュシオンに纏わせる。ミカエラもの力を剣に纏わせた。

僕の剣とミカエラの剣がぶつかり合いミカエラの剣は跡形もなく消滅した。

「阻害の」

僕のるがミカエラを覆う。阻害のはミカエラの視覚を奪った後脳に作用し五を奪う。

「この程度…」

五を奪った後もミカエラのきは全く鈍ることはなかった。

「僕の気配をじているのか…第六ってやつかな？ならこれでどうだ」

僕はの力を使いの分を作り出す。の分は大量の魔力、僕の気配を完全に再現していた。

「っ…だったら全部潰す。死なない程度に調整しますからお許しください」

ミカエラは空高く飛び上がり僕目掛けて全力のを放つ。

先程から僕にはおかしな覚があった。今なら全てのをれる自信がある。と…

「消えろ」

僕がそう呟くとミカエラの放つは完全に消滅した。

「強い…ですね…さすがの王……私の負けです」

負けを認めたミカエラにかけた魔法を解いた後、僕はゆめみちゃんの元に向かった。