《クラス転移はts付きで》十話~権力がある奴程殺したい位に憎いはない~
次の日のお晝ごろ? 朝? まあ十一の刻(AM 11;00)、ボク達はフェルさんに呼び出されていた。 
うぇ? あの後どうなったかって? 
それは、言えないよ、し言うとしたら、稚園児並みのギャン泣きしていた。
「まず、全員が呼び出しに応じてくれたことを嬉しく思っている。 
早速本題だが、王都の東西南北、全ての門が現在暴走中の第一騎士団に奪取されてしまった。このままでは商業系や、食料系の問題が出てくるため討伐することを、私の父、ファンス二世が第二、三、四騎士団に命令した。
君達は経験や練度の問題で、余り參加はさせたくないと思っている。だが、萬一に、劣勢に為った場合は君達も討伐作戦に參加することになる」 
フェルさんがそこまで言うと、皆は「參加って、噓だろ」とか「俺達はまともな訓練すらしていないのに」と言うことを言う人が、ちらほらと出てきた。 
うん、まあ、その言葉にはボクも同意するけど、最終的には奴隷として売られるかもしれないし、余りこう言うことは言いたくないけど、強とかされるかも知れないし、その後には死すると思うから、劣勢になったらボク達も戦わないと不味いよね。 
 
「まあ、私が言いたいのは覚悟をしておけ、と言う事だ。あ、後、訓練の時間も二時間くらい増やすってことだ。だから訓練を始めるぞ、今日はそれぞれの適正職業によって訓練する、近接系はここで、間接系は第二訓練場で訓練。特殊な武の場合は第三訓練場するからな。あと、ライムは私のところに來てくれ。じゃあ、始めて。」 
 
そう言い、訓練が始まった。 
かなり軽めだから、そこまで危機が迫って居ないのか、それとも々説明する時間も足りないのか、どっちかは分からないが、何故かボクだけフェルさんに名指しされた。
 
「フェルさん、何でボクを呼んだんですか? ボク、シンノスケの事だったら被害者ですよ?」 
「そのシンノスケとやらの事は知らないけど、すごく興味があるのだけれど。まあ良いわ。此処だと話せないから、第四訓練場に行こう」 
 
第四訓練場って、どれだけの訓練場があるのさ? 後、シンノスケの件をいったのは間違いだったか、絶対後から聞かれるなぁ。 
し憂鬱になりながらも第四訓練場に著いた。 
第四訓練場には、フルプレート裝備の案山子が五有った。 
 
「ふう、じゃあ質問させてもらいます。 
早速、昨日の騎士団の五人を屠った武は何 あいつ等が著ている鎧は魔法も効かないのよ それなのに轟音がした後に騎士の人が倒れたの 」 
「あ、あの、そ、そんなに興されられても」 
「こんなの興するに決まってるじゃない! 今まで苦労して対策していたのが簡単に対処できるのよ!」 
 
ボクが興を抑えようとして言った言葉は火に油を注いだだけで、フェルさんはさらに興してしまっただけだった。フェルさんが聞きたい事はボクが使った銃のことだけど、あんなに興されたら、ボクもいいたいことが言えなくなっちゃうよ。 
 
「はっ! 危ない危ない、このまま興して聞きたい事が聞けなくなる所だった。 
んん、じゃあ、あの武は私たちに公開していい武なの?」 
 
公開していい武? 公開ってのは危険という意味でなのか、それともボクの武の獨占という方向の意味で言ってるのかな?  
まあ、ボクは、銃を獨占しようとは思ってもいないけど……この中世風な世界で銃を公開したらどうなるかは、簡単に予想できるよ。そもそも、銃とか言う前に、火薬すら発見されてない可能があるからねぇ。どうしようかぁ? 
 
「この質問はまたにしましょう。 
では次の質問です。その武は魔法なのですか?」 
 
ボクが悩んでいるところを見て時間が掛かると悟ったのか、次の質問に移った。 
まあ、魔法のある世界なのだからそう思うしかないと思うよね。ていうか、その鎧は魔法が効かないんじゃないの? だから呼び出された訳だし。 
 
「魔法ではないけど、騎士たちが著用していた鎧は魔法が通じないんじゃない? だからボクが呼ばれたわけだし」 
「はあ、そうですか。いや、あの鎧にも通用する魔法があるのかと思って。それよりも、そんな軽いじで言っちゃって良いの? そもそも、そう言うじで言ってくれるのなら敬語を使わなくても良かったよ」 
「まあ、ボク自武自は公開しても良いけど……この武に使われている技のほうがね、言ったら悪いけど、この國の人口の何倍もの人間が死んじゃうからね。現に前の世界だとかなりの人たちが、その技で死んでしまってるからね。だから、そう易々と言えるほどのじゃないんだよ」 
 
まあ、ボクはこの國の人口とか分かんないけれど、たくさんの命がなくなるのは目に見えてるからね。正直、この反くらいの事でこの技は渡せないよ。 
 
「じゃあ、最後に、この國に反するつもりはある?」 
 
無いと思うよ? 神様を通じてフェルさんがどう言う事をしているかを知っているからね。まあ、フェルさんが革命を起こすのならボクはフェルさん側に就くと思うけどね。だから答えはNOだね。 
 
「無いよ」 
「ふー、なら良いよ。じゃあライムはここで練習してね。私とライムの二人しか居ないからいっぱい練習してね」 
 
技の流出を防ぐんだったらフェルさんも居ないほうがいいんだけどなぁ、流石に本人に言えるほどの度量は生憎ボクには無いからなぁ。 
 
「その顔は、「フェルちゃんが居なければ技を見られなくてもすむのに」とかって思ってるでしょ、まあ、私には監督責任ってがあるからね、ライム一人にするのはまずいし、何しろライムが頑張っている健気な姿が見れるしねぇ」 
 
はあ、また出てきたよ、フェルさんの変態なおじさんサイド。 
このまま打ってしまおうかなぁ? 
 
「そ、それをこっちに構えないで! ね、冗談だから。あ、でも、かわいいの子に殺されるのも別にいいかなぁ」 
 
うわぁ、たぶん蹴ったりすると「ご褒を有難う座います!」とか言ってしまう人種だろうなぁ。こういう人種とは會った事が無かったけど、うざいね。フェルさんは黙ってたら人なんだけどなぁ。 
はっ! これが殘念人ってやつなのか!
あれからボクは、四時間という長時間をフェルさんに見つめられながら練習をした。
そのおか、百発百中というスキルと、我慢というスキルを手にれたよ。
うん、皆が言いたい事は分かるよ。訓練に我慢は関係ないでしょってボクも思ったよ。まあ、フェルさんがずっとボクを見続けてきてそれを何も言わずに耐えたからじゃないかなぁ?
「やっぱり凄いねぇ、この威力のが魔法じゃないとなると、量産したら、魔法使いというものの存在意義がなくなっちゃうね、だから、ライムはそれを紛失する事態は絶対になくしてね」
うぬぬ~、フェルさんはボクの事を、普段使っている武を無くす位な天然、もしくは馬鹿って思われてるの?
それほどボクは馬鹿じゃないからね! 今日は銃剣を部屋に置き忘れてきたけど、……置き忘れただけだからね! 決して無くしたわけじゃないから!
「はあ、分かってるのならいいんだけど、ライムは天然そうだしね。馬鹿っぽ」
「殿下! アルビダ帝國が侵攻してきました! 兵力は農奴兵20,000なので1個騎士団で対応できます。なので東門の第一騎士団を勇者達で対処しろ、と國王様が言っておりました」
「はあ、分かったわ、もう行ってちょうだい」
「はっ!」
そう言って伝令の人は居なくなった。
てか、王様は馬鹿なのかな?
幾ら勇者だからって、練度も低いしまともに戦ったこともないのに、それを本職である騎士団と戦わせる? 普通?
「はあ、悪いけれど、第一騎士団を殺しに行ってきてくれるかなぁ?
殺し方は何でも良いよ。あの老害! はなにも指定していないんだからね! 毒殺でも呪殺でも溺死でも圧殺でも何でも、まあ、ライムは銃があるからゲリラ戦闘を仕掛けても良いかもね」
……老害って、フェルさんはどれだけ王様が嫌いなのさ?
まあ、練度の低いボク達を騎士団の対応を任せるってどういう頭をしているのか分からないし、別にボクはフェルさんが居るからここに居るだけで、この國を出ていっても良いんだよ?
それを王様は分かってないみたいだねぇ、いっそフェルさんを拐してこの國を離れてやろうか?
「この件は終わったときに國王に會えるようにしてもらうのは可能かなぁ?」
「うん、可能だと思うけど? どうして?」
「いやいや、何でもないよ」
ここで素直に國王をボコりに行くって言ったら止められると思うしね。
よーし! これでやる気が出たよ! ふふふ、全員殺してついでに國王を、ふへへへ。
「じゃあ行ってくる」
「え、もう行くの! 早すぎるよ! って、話を聞いてないよ」
早く、騎士団をボコボコにしているのか國王にカチコミに行くぞぉ!
「影華、ちょっとライムに著いていって、危なかったら助けて上げて」
「はあ、フェルちゃん? それじゃあフェルちゃんの護衛が減っちゃうんだけど?……大丈夫なの?」
「心配しすぎよ! それよりも、騎士団にあの武が渡るって事態は絶対に避けたいからね」
「分かったよ。でも、フェルちゃんも無理しないでね」
「えっちゃんは早く行く!」
「ちょ! えっちゃんは恥ずかしいから止めて!」
「じゃあ、フェルちゃん呼びは止めてくれるかなぁ?」
「ぐぬぬ、行ってくる!」
「ああ、拗ねないでよぉ」
【書籍化/コミカライズ決定】婚約破棄された無表情令嬢が幸せになるまで〜勤務先の天然たらし騎士団長様がとろっとろに甘やかして溺愛してくるのですが!?〜
★書籍化★コミカライズ★決定しました! ありがとうございます! 「セリス、お前との婚約を破棄したい。その冷たい目に耐えられないんだ」 『絶対記憶能力』を持つセリスは昔から表情が乏しいせいで、美しいアイスブルーの瞳は冷たく見られがちだった。 そんな伯爵令嬢セリス・シュトラールは、ある日婚約者のギルバートに婚約の破棄を告げられる。挙句、義妹のアーチェスを新たな婚約者として迎え入れるという。 その結果、體裁が悪いからとセリスは実家の伯爵家を追い出され、第四騎士団──通稱『騎士団の墓場』の寄宿舎で下働きをすることになった。 第四騎士団は他の騎士団で問題を起こしたものの集まりで、その中でも騎士団長ジェド・ジルベスターは『冷酷殘忍』だと有名らしいのだが。 「私は自分の目で見たものしか信じませんわ」 ──セリスは偏見を持たない女性だった。 だというのに、ギルバートの思惑により、セリスは悪い噂を流されてしまう。しかし騎士団長のジェドも『自分の目で見たものしか信じない質』らしく……? そんな二人が惹かれ合うのは必然で、ジェドが天然たらしと世話好きを発動して、セリスを貓可愛がりするのが日常化し──。 「照れてるのか? 可愛い奴」「!?」 「ほら、あーんしてやるから口開けな」「……っ!?」 団員ともすぐに打ち明け、楽しい日々を過ごすセリス。時折記憶力が良過ぎることを指摘されながらも、數少ない特技だとあっけらかんに言うが、それは類稀なる才能だった。 一方で婚約破棄をしたギルバートのアーチェスへの態度は、どんどん冷たくなっていき……? 無表情だが心優しいセリスを、天然たらしの世話好きの騎士団長──ジェドがとろとろと甘やかしていく溺愛の物語である。 ◇◇◇ 短編は日間総合ランキング1位 連載版は日間総合ランキング3位 ありがとうございます! 短編版は六話の途中辺りまでになりますが、それまでも加筆がありますので、良ければ冒頭からお読みください。 ※爵位に関して作品獨自のものがあります。ご都合主義もありますのでゆるい気持ちでご覧ください。 ザマァありますが、基本は甘々だったりほのぼのです。 ★レーベル様や発売日に関しては開示許可がで次第ご報告させていただきます。
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