《クラス転移はts付きで》二十一話~貧程巨を憎むはない~
翌日、ボク達は朝早く訓練場へ招集された。 
フェルさんはまだ、昨日の事が怖いのかボクの方をあまり見てくれなかった。 
 
「ねぇねぇ、カシモトってオムライス作れる?」 
「適當だけど作れるよ? そもそもオムライスって誰でも作れるでしょ?」 
 
ボクがカシモトに質問すると、カシモトは何でもない風に答えた。しかも、誰でも、とまるでオムライスの作らないボクを挑発しているような言葉つきで。
 
「どうしたの? そんな苦蟲を噛み潰したような表をして、あ、もしかして作れなかったりする?」 
「むーっ! この會話してて、この表になるってそれしかないでしょ! カシモトって案外格悪いね!」 
 
ボクが悔しそうな表をしているのがばれたのか、カシモトはニヤニヤしながら、挑発してきた。 くっ、世の中にはカシモトみたいな完璧? 完璧男子? はそこまでいなんだよ! そもそも、前世ではまともに料理とかをしたことがないボクが作れるわけないじゃん! 魚とかも見分けつかないよ!
 
「それよりも何でいきなりオムライスの話をしだしたの? まだ食べたりなかったの?」 
 
挑発していたカシモトは一息ついた後、急にジト目でボクを見つめてきた。まだ食べたりないわけがないので、まだボクの事を馬鹿にしているんだと思う、本當にそう思っているのならボクは悲しいよ。
 
「違うよぉ、向こうでオムライスがなかったらカシモトに作ってもらおうかなー、って思ってね、聞いてみたわけですよ」  
 
ボクが質問した理由をカシモトに伝えると、カシモトは「王様に聞けばいいんじゃないの? 私たちと同じくらいの歳なんだから、學園にも通ってるんじゃないの?」と、提案してきた。ボクは何故こんなことが思いつかなかったんだ! まさかッ! シンノスケの馬鹿が移っちゃったり!?
 
「じゃあ、あとでフェルさんに聞いてくるy――」 
「勇者の皆さん、これから學園に向かいます、學園はほとんど貴族の學園なので、あまり問題を起こさないでください。……まあ、勇者には伯爵と同じ位の権力は有るので大に喧嘩を売らない限りは問題にはならないと思いますが、もし、問題が起きると私にも責任が來るので、怒りますよ? 
取り敢えず、學園の事は學園についてからの説明になるので質問も向こうでして下さい」 
 
全員が揃った様でフェルさんが、小中學校の校長か、副校長の話的な事をし始めた。やっぱりフェルさんは學生の様だったが、余りフェルさんが頭良く見えないのは多分、昨日のせいだと思うが。 
 
「じゃあ、適當に馬車があるので乗り込んでください」 
「あはは、スピーチが怠くなったのかな? 滅茶苦茶適當になった」 
「煩い黙れ赤髪切れ目糞巨! これだから巨の奴にはろくな奴がいない」 
 
なんだろうか、フェルさんは過去に巨の人に何かされたのかな? もう嫌っているというよりかは憎んでいるみたいだけど? それとも、単にシンノスケが嫌いなだけなのかな? 
 
「にやけていないで、早くしろ!」 
 
ああ、微笑ましいねぇ。むぷぷ。 
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 
 
 
 
馬車で三十分近く移し、見えてきた大きな建が國立なんたら學園だった。學園のサイズは東京駅を五、六倍大きくしたような位、大きな構造だった。 
 
「さあ、ついたぞ、ここが國立高等総合學園だ、でかいだろう?」 
 
フェルさんも大きさを自慢したいらしく、大きさの事を聞いてきた。フェルさんの口角もわずかに上がっていて、自慢げだった。……フェルさんが建築したわけでもないのにね。 
 
「なんだライム、言いたい事が有るのなら言え」 
 
ボクに向かって仰々しく言い放った。……し偉そうにしすぎてる気がするけど、まあ、王だからこっちの方が普通なのか。
それと、ボクの周りの人って心が読める人が多くない? カシモトと、シンノスケと、フェルさんと、多いのかな? 読心持ちの人は。 
 
「いやぁ、自慢げにこの學園の事を話していて、微笑ましいなぁ、と思っただけですから」 
「だ、誰が微笑ましいだ! お前のの方が微笑ましいだろうがっ! ……ひぃ!」 
 
うん? なんで急にボクのの事になるのかなぁ? かなぁ? んふふ~、別にのサイズなんて関係ないよねぇ? ねぇ? それにさぁ? さぁ? のサイズなんて作できないんだよ? だよ? ボクだってもうし大きなが良かったと思うよ? 思うんだよ? それでも好きって言ってくれるカシモトとかが居るんだから君よりは幸せなんだよ? 幸せだよ? そもそもね? ねぇ? 「言いたい事が有るのなら言え」って言ってきたのは君じゃないか、それなのにボクを責めるのはおかしいんじゃない? おかしいよ? 稽としか思えないよ? ないよ? 
 
「ライム、落ち著け、別になんて関係ないよ。私はライムの格とかが好きだったから人になったんだよ? あんな悪の話なんて聞かなくていいんだよ?」 
 
はっ! 危ない危ない、フェルさん同類にの大きさの事を言われて正気を失っていたよ。あれ? こう言う時ってなんていうんだっけ? 「ボク俺は正気に戻った!」だったっけ? 
 
「大丈夫だよ、ごめんね」 
「大丈夫、多分、アレ王もが小さくて僻んでたんじゃないの?」 
 
僻んではないと思うけど? 王に向けてアレは無いんじゃない? まあ、王に向けて威圧していたボクが言う事じゃないけど。
て言うか、最近フェルさんに嫌われてるんだよね? まあ、フェルさんとかがボクを怒らせるのが原因だから、ボクはそんなに悪くないんだけどね、そもそも、ボクがキレたって明日には期限直してるからね? 大丈夫だからね? だから泣かないで、ボクの良心が痛むよ。 
 
「ひぃ! ゆ、許して! な、何でもするからぁ!」 
フェルさんは、ボクが怒ったのが怖かったらしく、目には涙がしだけ浮かんでみた。……ん? 今なんでもするって言ったよねぇ?
「え? 今何でもするって言ったよね?」 
 
ボクが冗談で言ってみると、フェルさんは、ぶるぶると震えだした。 
あの、そんな反応されるとボク、泣くよ? なんでそんなに怖がられてるの? 
 
「ちょ、流石に置いておいた方がいいよ、神汚染されてるから」 
「うぇ!? ボクってそんなやばいことしてるの!? そ、それなら、早く離れないと!」 
 
そんなこんなでボク達の學園生活が始まった。(まだ施設にもれていないが)
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