學園は２つあり１０～１３歳が通う學園と１３～１６が通う學園がある。

勇者一行は１３～１６の一年生として通う様だ。

貴族がメインで通うだけあって、結構な敷地を持っている。特に１３～１６はお金持ちの貴族や、平民でも優秀な者達が通うため、建もそれなりに豪華である。

當然競爭率も高い、狹き門である。そこに勇者ということで、放り込まれている。

「ふむ、制服があるのか。このドレスで行くのもどうなんだと思ってたから丁度いいと言えば丁度いいな」

「私はこのままでも良いのですが」

「まぁたまには良いじゃないか」

とか言いつつも、２人して制服を空間収納へと放り込み、著ていた服もいで放り込み、魔力による制服の再現を行う。者に依存した防力を持った服になる。

どちらかと言うと、自分の一部を服にした……言った方が良いかも知れないが。

「ドレス以外を著たのはいつ以來か……」

「侍服以外はいつ以來ですかねぇ……」

似た者同士であった。

「これが學園かー……やたら豪華だな……」

「俺らの學校はある意味量産型？　こっちの世界じゃ違うようだし」

「専用機的に豪華になるのか」

「なんで例えがロボットなのよ……」

「通じてるのも大概じゃね？」

「大あんた達のせいでしょうが」

「「はっはー」」

話しながらぞろぞろと學園の敷地を移する勇者一行。勿論勇者達も制服に著替えている。

シュテルはその一番後ろで頭にシロニャンを乗せ、ヒルデを連れて歩いていた。

「……流石にうちの學園と比べるのもあれか」

「そりゃあ我々の國は北西丸々學園地區ですからね……規模が違いますよ……」

「周囲４大國からも來てるからサイズとしては丁度いいのだがな」

作ったのも私で、建丸々が魔法裝置じみてるから比べるのもあれだろう。

「正直やり過ぎたがあるからな……うちの學園は」

「そのおかげか優秀になって出てくるのですから、良いのでは？」

「教えてるのは先生達で妾は何もしてないがな」

「場所の提供も必要な事ですよ」

「……まあ、我が國は置いといて。多なりとも楽しめると良いのだが」

「……レディは保ってくださいね」

「善処しよう」

背後から聞こえるため息は華麗にスルー。

ぞろぞろと歩く勇者一行の他にも、新生仲間も登校中である。

それなりに前から計畫はあったのだろう。學式と重なるのだから。

人數は１クラス２０人で５クラス。大一學年１００人となる。

６番世界だと大１クラス３０人５クラスとかだから、そんな差は無い……と言いたいところだが、この世界の學園はここだけだ。そう考えるとないだろう。

逆に１０～１３の學園はし人數が多い。つまり１３～１６の方は俗に言うエリート達が通うのだ。１３歳で卒業したらもう働きに出たりする。

勇者一行が學園にる事は既に噂になっており、皆興味津々である。

２７人が黒髪の集団で、その中に明らかに背の小さい金髪の子、頭の上にはハリネズミが乗り、更に普通に大人の金髪がいる。

こんな集団が目立たない訳もなく。速攻で勇者一行だとバレる。

今回は１００人＋勇者一行２９人＋１匹だ。

勇者だけで１クラスでいいんじゃね？　と思ったが、それでは國が困るのだ。故に１パーティー単位で各クラスに人數が大合うように割り振られた。

クラスは學試験の績順にA,B,C,D,Eと５段階になっている。

我々は狐っ娘……清家と長嶺と宮武と同じとなる。我々がAクラスで他の勇者達はてきとーに散らばった。

清家、長嶺、宮武は騎士達との訓練……力作りやら素振りやらの後、私達が教えているから他の者達よりは強い。特に清家、獣人の能力は中々のだ。

まあ、清家の場合主に教えるのは魔法なのだが。近接は騎士達で良かったからな。

こいつらのスタイルは長嶺が片手剣と盾、宮武は魔法、清家が遊撃となる。

まあ、それは置いておこう。

學となれば學式だ。勇者一行は……始まる前からテンションが低い。

そして、新生一同椅子に並んで座っている一角で、勇者一行……２人と一匹を除いてゲンナリしていた。なぜかって、始まってから話が長いからだ。

勇者一行とその他新生の溫度差が酷い。理由は実に簡単。

この世界の住人……と言うか、この國の子供達からしたらこの學園は有名どころ。エリート街道まっしぐらとされる、狹き門な學園である。

でも勇者達、他世界の者からしたらんなこた知らん。しかも勇者達にとって呼び方が違えど所詮學校である。別に珍しいもんでも何でもない。

更に更に、中２だった勇者達。１年前に堅苦しい學式を済ませたと思ったら、今度はあんなのとは比較にならないほど堅苦しい學式再びである。

この學園はできてそれなりに長く、王政であり、貴族なんかがいるこの世界……前の世界とは比較にならない堅苦しさである。

よってゲンナリである。

２人と１匹は……帝とその側近だ。その辺りの大事さは理解している。自分達もやる側だから特に気にはしない。なくとも顔には出さない。

シロニャンはそもそも気にすらしてない。聞く気がねぇもん。ご主人か眷屬の同僚の言うことぐらいしか聞かん。

そもそもシロニャンは前世、人に捨てられシュテルの前世に拾われて飼われたのだ。シュテルが死後、１０番世界に転生。シロニャンも死後シュテルを追い１０番世界へ転生。他のやつの事など気にかけてすらいない。人間だと尚の事だ。

シュテルの場合、相手がどれ程強かろうが人類如き片手間で無力化できる。だから特に殺しはせず、行を制限する神の呪いをかけ、その後を見る。

が、シロニャンの場合その場で消し飛ばす。有無を言わさず消し飛ばす。

シロニャンはご主人……シュテルに甘えるのが生き甲斐であり、それを邪魔する生は敵ですらある。転生してから約４００年。毎日変わらず甘えている。

ブレないにも程がある。

よって、喋っているおっさんの聲など気にもしていない。

らせるのもシュテルか同僚の眷屬達だけだ。例外は創造神様ぐらいだろう。

不用意にろうとするとハリネズミなので、刺さる。刺さるというか、貫く。

ハリネズミの針は纏まったが針となっているが、シロニャンのはふさふさだ。正直ただのネズミにすら見える。が、このは纏まる必要が無いから纏まっていないだけで、魔力を通すと逆立ち針となる。の１本１本が針となるため、大量の注の針がシロニャンの背中にあるのと同じだ。

金屬だろうが余裕で貫くヤバい針である。手がハリネズミ・・・・・になる。

傷のすぐとなりに別の傷を付けると治りにくいと言われるが、無數のがびっちり空くので治りにくく、かなり鋭いため管だろうがすんなり貫き、がシャワーのようにでる。

を護るためにを針として丸くなるハリネズミだが、異世界版ハリネズミはやたら攻撃的に育ったようで。自分から突っ込んでいって、針を突き刺しに行くのだ。

そして全シャワー完である。勿論で赤いシャワーがな。

針を更に磨き、大量出で殺しにかかるのだ。

當然シロニャンは眷屬だから、それらとは比較にならない能力と魔力量だ。ぶっちゃけ普通の人間なら針関係なく、當たりで死ねる。普通にミンチになる。

シュテル一行で一番危険なのはシロニャンだが、甘えるのが存在理由に等しいのである意味安全とも言える。

まあ、シロニャンはそっとしておいて學式に戻ろう。

最早寢ようとすらしている勇者達に念話を飛ばす。

『どうせ寢るなら《魔力作》の練習でもしておけ』

『なるほど！　その手が！』

……全員始めたことには突っ込まんでおこうと思う。

シュテルも帝だけあって分からなくもないが、シュテルの場合は的にストレートに話す。ぐだぐだ何が言いたいのかも分からんを事を長々話した挙句、聞き流されたんじゃ時間の無駄でしか無い。

全てにおいて的に、できれば短くをモットーに話すのがシュテルだ。

言葉というのは通じないなら意味はないのだ。

人の上に立つからこそ、命令する側だからこそ、的に、確実に伝えねば為らないのだ。そこに余計な言葉は不要だろう。誤解を招く、通じないなら尚の事だ。

まあ、淡々と指示を出したりするせいで、見た目もあってく人形と不気味がられるのはあるのだが。しばらくシュテルの國……神都アクロポリスにいれば、その不気味さも払拭される。

なぜかって、國の子供達と一緒になって遊び、ヒルデに脇に抱えられ連行されたりする場面を目撃する事になるからだ。とてもじゃないが帝……しかも神の運び方ではない連行の仕方をするのだ。

目を離した隙に抜け出すとかのレベルじゃなく、何の前れもなく転移で消えるのだから、お世話役は大変である。

とは言え、ヒルデは分が書類処理をしている事を知っているので、しばらく遊ばせてから回収に行くのだが。

まあつまり、シュテルの心も『早く終わらせろ』である。

勇者一行は完全に《魔力作》にを出してるぞ。

とか思ってたら、隣のヒルデから念話が來た。

『この學園にも侍従科あるんですかね？』

『んー？』

『侍服の者が見えるもので』

『あー…………いや、やつらはこの學園のやつらだな』

『侍がいるのですか』

『執事もいるようだが……あれだ、慣れさせるためだな』

『……ああ、なるほど』

この學園はエリート街道まっしぐらな學園である。となると、當然働く所もそれなりの場所になる訳で。そうなると執事や侍がいるのは當然で。

元々貴族の子供達はともかく、平民の出もいるのだ。それなりに建が広いのもあり、執事や侍が學園にもいる。

自分のことは自分でやろうとする。それ自は別に悪くはないのだが……それをしてしまうと執事や侍達の仕事が無くなってしまう。

あくまで學園のだから、一人一人に付いたりはしない。クラスに何人かと言ったじだ。まあ、貴族の坊ちゃまとかの対策でもあるようだが。

「そして、既にみな知っているだろうが、勇者達もこの學園へと通うことになる。仲良くするように」

なお、その勇者達は《魔力作》に意識を飛ばしている模様。そのせいで彼らは真剣そのなので、良しとしようか。真面目に聞いてると思われているぞ。

全員一切聞いてないけどな。

あまりの真剣振りにあらぬ誤解されそうだけど、放置でいいや。