《現人神の導べ》29 新たなお仕事
創造神様のいる場所へと転移したシュテル。目の前でシュルシュルと人の形を取る創造神様。
「……うん? これは4、6、10か……」
「流石専門。理解が速くて楽でいいわ」
「世界同士の次元干渉……」
「まだ影響は出ないけれど、時間の問題ね」
「4番世界の壁を直しつつ、整えろという事ですか」
「そ、ミスったら消滅するからね…………なんつー顔してんのよ」
『貴がミスったら3つの世界が消滅します』とか言われたら渋い顔にもなる。
「どの道もうしばらくは壁の修復ね。4番世界は召喚陣壊したようだし、後はまあ好きにしていい。問題は6番世界ね……」
おきる最悪の狀態は対消滅。一番いい狀態は特に何もなく終わる事。4番世界の次元の壁が直って終わり、が一番いい。だが既にそれは無さそうである。
「それで、今後の予測と言うか……3つほど、候補があるの。1つは星の統合」
「あれ、そんな事できるんですか?」
「うん、こうグシャーって……」
「……生全滅しますよね?」
「するだろうね」
「卻下で」
3つの星がグシャーって隕石ってレベルじゃない。
「うん、じゃあ2つ目は宇宙を統合する」
「観測される星が増える……?」
「そうね。1つの宇宙に他の世界の星を移す」
「6番世界が大騒ぎしそうですね」
「あの世界は宇宙にも手を出してるからねー」
突然今まで観測してなかった星が増えるんだ、大騒ぎだろうな。4番世界は地球と同じサイズだし、10番世界なんか倍ある。しかもあれだ、生がいるのも観測できるだろう。宇宙人発見だ!
「最後は?」
「次元統合」
「宇宙はそれぞれだけど……次元が一緒となると……認識できれば世界間個人転移が可能になる?」
「そうね。でも多分、次元統合だとどっかに門ができると思う」
「ああ、繋がるんですね……」
次元の壁が統合され1つになるので、4、6、10番世界への行き來は《時空魔法》で可能になる。ただし転移系は行き先を知らないとできないので、どこかしらにできる門での移が必要になる。
シュテルの場合、今までいる世界しか認識できなかったのが、3つの世界を認識するようになる。
つまりそれは……。
「どの道管理世界が増える!?」
「ああ、うん。4、6、10よろしく。2か3どっちにするかは決めていいわよ。統合するのは貴だし」
「むむむ……。あ、世界の法則はどうなるんです? 4と10はまだしも、6はだいぶ違いますよね?」
「全部10番世界に統合されるわ。6よりむしろ4の方が影響あると思う」
「ああ、そうか……。元から魔法の無い6番より、舊式から新しくなる4番の方が影響でかいか……」
「そうね。元々理法則自はどの世界も一緒。6番にも魔法法則自はあるけど、マナが無いから機能してない」
「ふぅーむ……」
宇宙を統合か、次元の統合か……どちらがいいかは正直なってみない事には分からないだろう。どちらにしても騒ぎになる事に変わりないのだ。
「正直問題は4と6番世界なのよね……。10番世界はどうにでもなるわ。3世界が干渉しあって歪むのが問題。迷い人が今後増える可能が高い」
「ああ、そう言えばそうですね…………おや?」
「そう一番マズイのは10番世界の魔が他に行った場合。特に6番世界に10番世界のが行った場合がマズイ。竜種が行ったら目も當てられない」
「武裝なんかしてないし、武裝してる者がくのに時間もかかる……か」
「しでもいの行ったらあんな豆鉄砲じゃ話にならないからねぇ。まあ、ともかく干渉があるだろうからよろしく」
「次元干渉からの空間振と迷い人ですか。となると、6番世界に行っても?」
「いいわ。ただし、向こうにマナはない。眷屬以外はまだダメよ」
「わかりました」
「それとお金は《質創造》で問題ないけど、経済壊さないように」
「……偽札判定は?」
「されない」
「へー。分かりました」
『どう統合するか決めといてねー』と言う創造神様を殘して、とりあえず本は10番世界へと戻る。
「あ、ユニ様。お帰りなさい?」
「またすぐに出るのだが、今度は6番世界だ。という事で、ジェシカかエブリンどっちかだな。6番世界は戦闘できる必要はない。護衛騎士は……4人ずつ連れてってやるか」
「『おぉー』」
「4と6に2人ずつな。6は武をしまうこと。てきとーに代するから代表ジャンケンでもしろ」
「『ではちょっと行ってきますね』」
とか言いつつ護衛騎士は訓練場に転移してバトルロワイヤルを始めた。
「……妾ジャンケンと言ったよな?」
「それだけ行きたいのでしょう」
シュテルの呟きを聞いたジェシカは苦笑していた。
「言うほど珍しさは無い……いや、6番世界は魔法がないから珍しいか」
「ユニ様ー! お著替えしましょ?」
元気に走ってきたエブリンが、バッと服を広げながらニッコリしている。
當然のようにドレスであり、白がベース。
上半はいつも通りベアトップの布面積が々小さい気がするが、エブリンだから仕方ない。
下半はミニスカートで、上に橫と後ろが長くなったレース付きの二重構造となっていた。レースは強いて言えばトケイソウに似ている。
ミニスカートの上に重ねているレース付きのは、聖魔布があまり重ねられずシースルーだ。薄い聖魔布がキラキラと靡く。
「ふむ、実にシンプルでよろしい」
「でしょー! ベアテさんが頑張りました!」
「うん、だろうな」
「今日は星晶裝備なんですね?」
「戦闘があると分かっていたからな。もう終わったし著替えてもいい。奴らはまだ戦ってるし……」
著替えてる最中、ジェシカとエブリンどちらが來るか決めてもらう。
「一緒じゃダメなんですか?」
「10番世界ここがいなくなるだろう……。3世界に待機しておきたい。眷屬侍は3人しかおらんからなぁ」
「むぅ……。ジェシカ行ってくる?」
「代するみたいだからいつでもいいよ?」
「ヒルデは當分4番世界だろうからな。あっちは魔もいるし。まあ、6番世界は6番世界で別の面倒があるだろうが……。この格好の時點で目立つし今更か」
「じゃあ最初はジェシカで」
「では私がお供致します!」
著替え終わりしした後、眷屬騎士達が戻ってきた。
「『隊長……大人げないっすよ……』」
「はははは、たまには良いではないか」
眷屬騎士の隊長、フリードリヒフリードが1位。なので相方、副隊長ベルへルミナミーナもだな。
2位がヴィーラントヴィーなので、相方アルベルトアルも。
3位はエルザだから相方はイザベル。
4位がディアナ、相方はローゼ。
5位がマクシミリアンマックで相方はヘンドリックリック。
「ふむ、ではフリードリヒとベルへルミナが6番世界。エルザとイザベルは4番世界だ。他は待機で、6番世界の代時に2位のヴィーラントとアルベルトな」
4番世界は正直パット見の珍しさは無いから、これでいいだろう。
「お母様ー!」
「どうしたフィーナ」
「私も行きたい!」
「ははは、そりゃ無理だ」
「むぅ……」
「ちゅい」
パタパタ走ってきて抱きついてくるシュテルの娘、セラフィーナ。
すっかり6歳の頃のから、に長。と言うか、既に400歳超え……つまり4番や6番世界で言うと800歳超えである。
シュテルの頭の上に顎を乗せられるのはフィーナぐらいだろう。
なお、速攻で拒否られ膨れていると、シュテルの頭の上にいたシロニャンがフィーナの顔にり付く。
「何でよー……いつもお留守番……」
「ふぅむ……。とは言え6番世界は無理だ。あの世界はマナがないし人間以外いない。契約霊が連れて行けん。4番世界なら別に良いが……珍しさは無いぞ?」
「行けるなら行きたいー」
「やれやれ……まあ、飽きたら帰ってくればいいか……。では行くぞ?」
4番世界にフィーナとエルザとイザベルを転送。
6番世界にジェシカとフリードリヒとベルへルミナを連れて転移する。
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