《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》魔法と魔力(後編)
「はい? 何でしょうか?」
俺はベッドの上で座ったままアリサさんの顔を見ると、彼は、まっすぐに俺を見ながら「まさか……あなた、自分を犠牲にしてでも魔王を倒そうとしているわけじゃないわよね?」と、問いかけてきた。
俺はすぐに頭を振るう。
何故か知らないが肯定してしまったら話が拗れそうな気がしたからだ。
「そんなことは考えていません。ただ、俺にかけられている時を巡る現象はきちんと調べておかないと思っただけです」
俺のことを心配そうな顔で見ていたアリサさんは、ホッとした表を見せると「そう、それならいいけど――」と、言ったあと口を閉じる。
しばらく、彼は考えるそぶりを見せたあと、頭を左右に振りながら「同じ時間を繰り返すような魔法はきいたことないわね」と答えてきた。
「そうですか……」
俺は、ほんのし落膽した。
ただ、それと同時に妙に納得してしまう。
「ほかに知りたいことはあるのかしら?」
「いえ……、それで魔法の練習は?」
「そうね、倒れたばかりで魔法を使うのは心的に良くないから……」
「そうなのですか?」
一刻の猶予もないのに、そんな理由で止められても困るんだが……。
「それにしても封印が一杯の魔王を倒せるなんて、アルスくんは普通とは違うのよね?」
「普通とは違う?」
「そう、貴方は魔王を倒したことがあるのよね? その時は、どうやって倒したのかしら?」
「どうやって……」
アリサさんの言葉を聞きながら俺は魔王を倒した魔法を考える。
たしか魔王は夜に斷末魔をあげた。
同時刻に村全に地震が発生したが……地震系の魔法は使った覚えがない。
唯一、使った魔法というか……創造したのは一つだけ。
それは層圏から5メートルほどの隕石を落と妄想。
それが魔王を倒す切欠だとしたら……。
ただ、俺は自分で狙ったとおり魔法を発させたことがない。
だから確実とは言えないが魔王の腹心である魔法王が俺のことを勇者と呼んでいた。
そして俺が倒したとも――。
「たぶん、俺の魔法で倒せたと思います」
「――え!? アルスくんの魔法で魔王を倒せたの?」
「おそらくですが……」
俺だって自や確信を持って言えるわけではない。
それでも魔法王を倒した時にじた魔法発時の全能。
その時にじた思いは……。
「それでアルスくんは、魔法は誰に習ったの?」
「誰に……」
名前は同じだが顔も聲もまったく別人のアリサさんが俺を見つめてきている。
「だって魔力を測ることは出來るけど、魔法の使い方は教わらないと分からないから、アルスくんのは魔法の師匠みたいな人がいるのよね?」
彼の言葉に俺は確かにと心で溜息をつく。
そう、5歳の俺が魔王を倒すなんて普通に考えたら無理なことだ。
だから魔王を倒せるとしたら魔法以外にはない。
し考えれば分かることだった。
あまりにも、魔王討伐に意識が先走りすぎていて周囲が何を考えているのか自分が起こした行による波及効果まで考えていなかった。
俺は顎に手を當てながら考える。
どうすればいいのか? と言うことを――。
「そうですね、俺に魔法を教えてくれた師匠はアリサです」
「――え!? 私?」
「いえ、アリサさんではなくハーフエルフのほうの……」
俺の言葉に彼は目を見開くと「団長がアルスくんに魔法を教えたの?」と問いかけてきた。
別に隠し事をする必要はない。
たしかアリサは、近代の魔法について快く思っていなかった。
つまり、年若い目の前で俺を見てくる20歳にも満たないであるアリサさんとは、あまり相は良くない筈。
「はい、詠唱を紡いで魔法を使うように教えられました」
「それで魔王を倒したってことなの?」
「たぶん……」
俺は、自信無さげに答える。
目の前で魔法が発していればハッキリと言えた。
「たぶん?」
「はい、俺は一度だけすごい魔法力があると言われたんですが、そのあとは……まったく魔法が使えなかったんです」
「魔王を倒すほどの魔法が使えたのに? それ以降は魔法が使えなかったの?」
彼の言葉に俺は頭を振るう。
「いえ、そうではなくて――」
「――?」
「最初の魔法も発したときを見ていないんです」
「見ていない……? それって、つまり者である貴方が居なくても発したってこと?」
「簡単に言えばそうなります」
「そんな魔法を私は聞いたことがないわね……その魔法もアリサ団長から教えてもらったのかしら?」
教えてもらってはいない。
ただ、余計なことを言うと問題視される恐れもある。
「はい、一応……」
まぁアリサには悪いが、ここは敢えて彼の名前を出しておくことにしよう。
それに魔法師団長っていうくらいだから々とあるだろうし、問題ないはずだ……きっと。
「本當に? どうして魔法師団長がシューバッハ騎士爵の領土にわざわざ出向いたのかしら? そんなの辺境伯様が許可出されるわけないのに……」
「人間々と事があるのでは?」
「そうね……過ぎてしまった事だものね、これ以上は考えても一度終わってしまったことだから――」
「一度、過ぎてしまったこと?」
「――ええ、貴方が同じ時間軸を巡ってきていると言うなら起きた出來事は全て起こるべきことであると同時に、まだ起きてはいないことでしょう?」
「起きていないこと……」
「――ええ、過去を振り返り後悔するのは過去を取り戻せないから後悔するのよ? でも、あなたは元の時間に戻っている。それは全てを取り返すことが出來るということじゃないかしら?」
たしかにアリサさんの言うとおりだ。
でも、それなら俺がフィーナにもらった言葉さえ全て噓と言うことになってしまう。
それだけは……。
それだけは噓にしたらダメだ!
「……僕は思うんです。たしかに同じ時間軸を死に戻りしているかもしれない。でも、それでも言葉をわした相手が居て確かに生きていた。だから――後悔しなくてもいいってことには!」
「ふふっ、そうね。し意地悪をしてしまったわね」
「アリサさん?」
「なんでもないわ、でも良く覚えておいて。貴方が誰かを大事に思っているように、貴方を大事に思っている人だっているの。その人を悲しませる結果だけは選んだらダメよ?」
「……善処します」
俺には、「はい」と言う言葉を紡ぐことなんてできない。
それでも彼と話をして思ったことがある。
それは、安易に命を捨てたらいけないということ。
「さて、今日は、魔法の練習は出來ないけど魔法力を測ってみましょうか?」
どこに隠し持っていたのかアリサさんは、魔法指南書を取り出してくる。
「――あっ!? 待ってください」
「どうかしたの?」
「いえ、俺の魔法力は桁外れなので天井にを開ける可能が――」
俺の言葉に、アリサさんは「アルスくんも冗談を言うのね」と笑ったあと、「魔法指南書は、よっぽど規格外――勇者と呼べる者より高い魔力をもっていないと、そんなことありえないし、魔法指南書が作られてから、そんなことは一度も起きていないわよ」と俺の頭をでながら語りかけてきた。
その様子は、まるで俺の話を信じておらず俺のことを子供扱いしているかのようだ。
まぁ、は子供だけど……。
「さあ、アルスくん、本の水晶の上に手を當ててね」
「――はい……」
仕方が無い。
こうなったら高い大理石の天井にが開かないことを祈るばかりだ。
俺は、心……天井を破壊したら請求額が大変そうだと思いながら水晶をる。
だが、魔法指南書は一切らなかった。
「――え?」
「ええ!?」
俺とアリサさんの聲を重なった。
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