《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》會議の方針(8)
「とりあえず……、話を進めましょう」
「う、うむ! そうだな!」
俺の言葉に一同が頷いてくる。
何故か哀愁をじてしまうこれ以上、落ち込んでいても仕方ない。
俺も元は社會人だ。
目的は魔王討伐! そのためには多の恥くらいかなぐり捨てよう!
そして、駄目なモノは駄目と綺麗サッパリ諦めるのだ! 
そう! そういうことにしておこう。
下手に絵が描けて、上手い人間と見比べられるより最初から、「あっ、こりゃ無理だわ」と、圧倒的な差で諦めがついたほうがずっと楽だ。
そう考えれば何とか自分の神を落ち著かせることが出來る。
何度か深呼吸をした後、テーブルの上に置いたパピルスへと視線を落とす。
パピルスには俺が書いた2つの図面が存在している。
その図面に縦橫高さの數字をメートル寸法で文字を書き記していく。
俺の行にアルセス辺境伯が興味を掻き立てられたのが後ろというか頭の上から俺の手元を覗いてくる。
「アルス、何をしておるのだ?」
「はい、これは比率計算を行うためです」
「比率計算?」
「はい、縦橫高さという三次元的構造の比率割合を導きだすことによって必要な小麥の量を計算から求めることが出來る方法です」
「ほう……、そんな方法があるのか」
俺はアルセス辺境伯の言葉に頷きながら計算を続ける。
そして答えが出た。
「180トンの小麥が必要ですね」
「そんなに必要なのか?」
俺はアルセス辺境伯の問い掛けに「はい」即答する。
しでも迷うと信憑が無くなるからだ。
まぁ、用意できない量とは思っていない。
広大な領地を持つ辺境白には10萬人を超える民がいるのだ。
たしか中世の時代では小麥の消費量は一日一人あたり500グラム前後だったはず。
――と、言うことはだ。
一人當たりの年間小麥消費量は180キロ前後。
つまり約1000人分の年間消費量の小麥の量で足りることになる。
「えっと、とりあえず……用意してもらうのは先ほど馬小屋の前に用意して頂いた小麥の袋……6000袋分になります」
「「「「――ろ、六千!?」」」」
アルセス辺境伯だけではなく、父親を含めた全員の聲が重なった。
軍議室は、俺が小麥の量を提示してから溜息で埋め盡くされていた。
それは、180トンもの小麥を、どこから調達するかという話で――。
「ヘンバーナ伯爵から小麥を融通してもらうわけには?」
「無理だ。今年は例年なく小麥の出來がどこの領地も悪い」
リンデールの言葉に、アルセス辺境伯は溜息しかついてない。
さてと……、どうしたものか――。
俺は、パピルスに文字と図面を書く際に使った石炭へと目を落とす。
「――あっ!?」
「どうしたのだ?」
俺は思いだした。
そうだった! 何も小麥だけが塵発で使う素材では無い。
可燃の質が大気中に占める割合がある一定の濃度が維持できれば――、そこに著火することさえ出來れば!
「アルセス辺境伯様!」
「なんだ?」
「この石炭を大量に用意して頂くことは可能ですか?」
「出來るが……、何に使うのだ?」
「塵発よりも、もっと効率の良い方法を見つけました!」
「効率の良い?」
「はい! 石炭を使った同種の発! その名も炭塵発です!」
「炭塵発?」
原理については、私も覚えておりませんが石炭を用意していただくことは出來ますか?
「うむ。それは可能だ。全ての家々は暖を取るために石炭を使用しておるからな。同量で構わないのか?」
「はい!」
「分かった。リンデールよ、すぐに用意をするように全軍へと通達をかけよ。アリサは、輸送のために浮遊の魔法が使える魔法師を集めよ!」
アルセス辺境伯の言葉に、リンデールとアリサが頷くとすぐに軍議室から出ていく。
それにしても……輸送のための浮遊魔法か……。
インフラが脆弱な青銅時代では、大量の資を運搬することは馬や牛、そして人力だったが、さすがは魔法の世界だけはある。
それにしても、學校の先生が塵発と似た炭塵発を教えてくれていた事は謝だ。
炭塵発というのは細かな石炭が一定以上の濃度として大気中に含まれた場合、火花やタバコなどで容易に著火し発する。
それは小麥を主分として使った塵発よりも威力が高いことだ。
「アルスよ、お前の英知。一、誰に習ったか私は非常に興味があるぞ?」
アルセス辺境伯は、椅子に座った俺に語りかけてきたが、俺は久しぶりのプレゼンで疲れてしまい「そうですか」としか返事をすることができなかった。
それから必要な石炭が集まったのは翌日の朝。
すぐに軍を編しアルセス辺境伯の首都アルセイドを俺達を含む軍が出立したのは、翌日の夕方であった。
ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~美人ヴァイオリニストの橫顔、その陰翳が隠す衝撃の真実
ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生シリーズ6作目です。 兄は……本當は俺のことをどう思っているのだろう? たとえ半分しか血がつながっていなくても、ずっと優しくしてくれた。 その意図に裏なんてないと、ずっと信じてきた。 でも、今はもう真実がわからなくなってきた……。 優しかったはずの異母兄が、本當は自分を疎んじていたことを知った藤江周は、ある日、義姉の口から自分の出生の秘密を知らされることになる。 なんとしてでも義姉を兄と離婚させ、本當に好きな男と結ばれるようにしてやりたい。 そう考えたが、現実は思うようにならない。 そんな折、義姉の実家が経営する溫泉旅館『御柳亭』が廃業の危機に追い込まれていることを知る。なんとか経営を立て直すことができないだろうかと、周が和泉に相談したところ、知り合いの會計士を紹介してくれる。 その會計士は旅館従業員の中に橫領犯がおり、その不正が経営を圧迫していることを突き止めるが、真相に迫るにつれ、命を狙われるようになる。 一方そのころ、宮島の紅葉谷公園で白人男性の他殺體が発見される。被害者は結婚詐欺師として捜査2課がずっと追っていた人物だった。 警察は詐欺被害者の內の誰かが犯人だと考え、捜査本部を設置するが、判明している詐欺被害者達には全員、アリバイがあった。
8 131才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~
【コミカライズ、マンガアップにて配信中!】 この世界のほとんどがギフト(才能)と呼ばれる特別な力を持つなか、少年ハルはギフトが與えられなかった。 ハルは小さい頃に冒険者に救われた経験から、冒険者になりたいと夢を持っていた。 ギフトのない彼では到底なれるものではないと周囲の皆が笑う。 それでも、ハルは諦めずに強い思いを抱き続け、荷物持ちとして色々なパーティに參加していた。 だがある日參加したパーティメンバーの裏切りによって、窮地に追いやられる。 しかし、それを境にハルの狀況はガラリと変わることとなる。 彼が目覚めたギフト『成長』と共に――。 HJノベルスより書籍4巻4/22発売!
8 79彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
約200日後に死ぬ俺。業界初!…かは知らないけどリアルタイム小説! 5月19日以降、 物語はリアルタイムで進みます。 ┛┛┛ のんべんだらりと生きる高校2年男子、 小鳥遊知実(たかなし ともみ)。 ある日突然、頭痛で倒れ、 病院で目覚めたとき 半年の余命か 今までの記憶がなくなる可能性の高い大手術か 選択を迫られることになる。 そんな狀態にも関わらず、 無情にも知実の學校生活は穏やかではなかった。 1⃣全校生徒をまとめきれないワンマン文化祭実行委員長。 2⃣學校の裏山を爆破しようと計畫している馬鹿女。 3⃣ロボみたいなイエスマンの心を閉じた優等生のご令嬢。 4⃣人生を全力で寄りかかってくる俺依存の幼なじみ。 5⃣諦めていた青春を手伝う約束をした貧乏貧乏転校生。 おせっかいと言われても 彼女たちを放っておくことが どうしてもできなくて。 ……放っておいてくれなくて。 そんな知実が選んだ道は。 悲しくて、あたたかい 友情の物語。 ※病気は架空のものです。 ※第6部まであります。 ┛┛┛ エブリスタ・ノベルバ同時公開。 ノベルバは時間指定でリアタイ更新です。 16時一気読みしたい人はエブリスタで。 (長すぎる日は16時と20時に分けます) リアタイ感をより味わいたい人はこちらで。
8 101俺と彼女と小宇宙とが織り成す宇宙人とのラブコメ
俺、菅原月兎(すがはらつきと)は転校した日にラブレター貰って、宇宙に拉致られる。 この物語の一人一人が他とはちょっと違う歪な愛を持っている。 月兎の自己愛。 マリスの全愛。 エマの純愛。 麗兎、玲浮兎の偏愛。 カリーナの敬愛・・・等々。 そんな彼、彼女達は人とは違う愛を抱えながらも自分の信じる物を必死に守り通す。 本作はそんなハイテンションSFファンタジーです。 *この作品は小説家になろうでも投稿しています
8 135(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~
「お前、ここで働かないか?」 その一言で働くことになった俺。喫茶店のスタッフは、なんと二人ともドラゴンが人間になった姿だった。なぜかは知らないが、二人はメイド服を著て喫茶店をしている。なし崩し的に俺も働くことになったのだがここにやってくる客は珍しい客だらけ。異世界の勇者だったり毎日の仕事をつらいと思うサラリーマン、それに……魔王とか。まあ、いろいろな客がやってくるけれど、このお店のおもてなしはピカイチ。たとえどんな客がやってきても笑顔を絶やさないし、笑顔を屆ける。それがこのお店のポリシーだから。 さて、今日も客がやってきたようだ。異世界唯一の、ドラゴンメイド喫茶に。 ※連作短編ですので、基本どこから読んでも楽しめるようになっています。(ただしエピソード8とエピソード9、エピソード13とエピソード14、エピソード27~29は一続きのストーリーです。) ※シーズン1:エピソード1~14、シーズン2:エピソード15~29、シーズン3:エピソード30~ ※タイトルを一部変更(~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~を追加)しました。 ※2017年からツイッターで小説連載します。http://twitter.com/dragonmaidcafe 章の部分に登場した料理を記載しています。書かれてないときは、料理が出てないってことです。
8 56闇夜の世界と消滅者
二〇二四年十一月一日、世界の急激な変化をもって、人類は滅亡の危機に立たされた。 突如として空が暗くなり、海は黒く染まり始めた。 それと同時に出現した、謎の生命體―ヴァリアント それに対抗するかのように、人間に現れた超能力。 人々はこれを魔法と呼び、世界を守るために戦爭をした。 それから六年。いまだにヴァリアントとの戦爭は終わっていない…………。
8 176