《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》決戦への布石(2)
川を渡った後、俺は真っ直ぐ家に向かう。
この世界に転生してきてから何度も往復した道。
川岸を越えて間近に家が見えてくると、自宅に戻ってきたという実が沸いてくる。
自宅と言っても、俺が暮らしたのはせいぜい數週間程度であったが、それでも住めば都。
「お母さん、ただいま!」
俺は家の扉を開けながら言葉を紡ぐ。
「……ん?」
俺は、まったく反応が無かったことに首を傾げながら家にる。
土間を通り、居間を経由して寢室を見ていくが母親の姿がどこにも見當たらない。
そこで俺は最悪の事態を考えてしまうが、すぐに首を振って頭の中に思い浮かんだ嫌な予を掻き消す。
「まだ、魔王城は出現していない。つまり……、魔王が復活して何かをしたということは考えにくい」
どうしても考えが纏らない。
やはり俺も旅の疲れが出ているのかも知れないな。
俺は靴を履いて外に出る。
母親が、ずっと家に居るとばかり思っていた。
ただ、それは子供である俺のを案じて居たからこそ、ずっと居たのかもしれない。
その俺が居ないとなれば普段と違う行パターンを取るかもしれない。
「村の方に居るかもしれないな」
俺は、自分自を納得させながら村の方へ視線を向ける。
村の家々からは白い煙が見えてきた。
一瞬、火事かと思ってしまったが、もうすぐお晝時だったことを思い出したところで「アルス!」と、 俺の名前を呼ぶ聲が聞こえたと同時に草むらから母親であるライラが姿を現すと俺を抱きしめてくる。
「――お、お母さん!?」
「そうよ! お母さんよ! ああ、アルスの匂いがしたから頑張って戻ってきたのよ?」
「に、匂い!?」
「そうよ! 麥狩りの手伝いをしていたらね、アルスの匂いがしたから急いで戻ってきたの!」
「……麥畑まではかなりの距離があったような……」
「大丈夫よ! 私は、アルスの匂いなら山2個か3個くらい超えても分かるから!」
「……」
母親が意味の分からない言葉を言っていたが、俺は誇張だと判斷する。
いくらなんでも、山を1個2個越えた距離の匂いが分かったら異常を通り越しておかしい。
「あの、それで……」
「――あっ!? ごめんなさいね。こんなところでハグをされても困るわよね?」
母親は、反省のを浮かべると俺の事を両脇から抱き上げる。
「あ、あの……お母さんに説明したいことがあるのですが……離して貰わないと上手く説明が出來ません」
「んーっ、とりあえず居間に行きましょう!」
「お母さん!?」
母親は俺を抱き抱えたまま家にると靴をがせて居間へ下ろした。
そして、すぐに煮沸した湯を木のコップに注ぐと、テーブルの上に置いたあと、俺を膝の上に乗せてきた。
そのきは、洗練されていてまるで武のようであった。
抗うことも出來ず、頭をなでなでされるポジョンへと強制的に持っていかれた。
俺は心の中で溜息をつきながら、説明する容を頭の中で査していく。
一つは魔王城の攻撃ために一度、村人には村から離れてもらうこと。
200人の村民とは言え、絶対的な強者の前でパニックになられても困るからだ。
「あの、お母さん。実は……」
「そう……。魔王を倒すためにアルセス辺境伯から軍隊を連れてきてもらったのはいいけど、村のみんなが驚くと困るからハルス村から避難させて、その間に魔王を倒すのね?」
「――え? あ、はい……」
俺は、まだ何も言っていないのに母親は俺が思ったことを當ててきた。
まるで俺の考えが読まれたようだ。
「お母さん、僕はまだ何も話をしていないのですが……」
「大丈夫よ! 私には全部分かるから! 息子の考えが分からなかったらお母さん失格だからね!」
「……あ、はい……」
まぁ説明が省けるのは助かるんだが……。
し、俺の母親はオカシイような……。
「アルスの匂いよ! 3週間近くぶりのアルスの匂い! 息子の匂いだわ! くんくんくんくん。スーハー、スーハー。ああ、いいわ! やっぱり息子は最高よね!」
いや、元から母親はおかしかった。
今更、俺の心が読めようと、「あっ、そうですか……」と、くらいにしか思えないくらいだ。
「お母さん、そろそろ離れてくれないと」
「駄目よ! 3週間分のアルスの匂いを充電しないと死んじゃうから!」
ますます訳が分からない。
俺は、自分が置かれている現狀を確認する。
母親の左腕が俺の腹部を後ろからガッチリとホールドしてきていて、解こうにも萬力のような力でくことが出來ない。
さらに右手で俺の頭をでている。
そこから導きだされる客観的な答えは、逃げ出すことが出來ないということであった。
俺が開放されたときに第一聲に聞こえてきた聲と言えば――。
「ふう、やっと軍議が終わったな。うお!? ライラ! アルスの瞳に彩がないぞ?」
「あら!? 夢中になってアルスをですぎたわ!」
両親の何というか場違いな會話であった。
その日は、久しぶりに良く眠れた。
やはり我が家というのは、安心するものだ。
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158星の降る街
2017年、隕石が地球に衝突し人類は絶滅するとされた予言は、2993年現在人類が生存している事で証明された。 だが隕石は地球に衝突して甚大な被害をもたらして、さらには隕石に付著した謎の生命體が地球で猛威を振るい、その後何度も隕石は落ちて來て謎の生命體を完全に駆逐する事が出來ず、地球の第三勢力として世界を恐怖させた。 そんな全人類の共通の敵が現れたのにも関わらず人類は手を取り合う事が出來ずに世界はバラバラのまま。 そんな世界に生きるいろんな人々の物語。 ※作者は趣味で書いているド素人の為文法や言葉がおかしかったりしますが、あらかじめご了承ください。 一応キリの良いと思えるところまで書き上げて、読み直して修正して確認して。。。って感じで書いてますので更新自體はけっこうゆっくりになると思います。 一応現時點では3部構成、サイドとアフターのストーリー合わせて5〜6部構成で考えております。
8 192グンマー2100~群像の精器(マギウス)
2100年のグンマーは、半知成體ビーストとの戦いの最前線。 群馬で最高の権力と知能、精神力を持つ少年少女達の生徒會。 名は、群馬最高司令部、通稱GHQ(Gunma・Head・Quarters)。 此れは、グンマー人によるグンマー物語であるかもしれない。 ★は挿絵等有り 人類の敵、ビースト。 OTONA(國連)や首都圏首席との政治的対立。 首都圏、栃木・茨城・千葉連合との武力衝突。 色んな事が起こる予定。 アルファポリス様にも投稿
8 77完璧超人がスライムに転生した結果
完璧超人の轟純也は自分が嫌いだ。 何をしても目立ち、自由が無い自分。 死ぬ間際に「不自由でもいいから、自由に生きたい!」と願いを言うと、謎の聲と共に意識が浮上し、気がつくと體がスライムになっていた! これは、元完璧超人のスライムとしての冒険の物語である。 息抜きと言いつつ、本編よりハイスピード!
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コピー紙で足を滑らせ気絶した七峰 命。目が覚めるとそこは貞操が逆転していた世界だった!? ______________ならばすることはただ一つ!! うっほほほい! リア充満喫ライフじゃーーー!! もし、世界の貞操観念が逆転したら? もし、現実と同じ価値観の主人公が迷い込んでしまったら? と言うお話です。
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