《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》記憶の対価(11)
フィーナと和解したところで、彼はアルセス辺境伯の手伝いがあるからと、川を渡って軍が展開している街道のほうへと向かっていく。
俺は、その後ろ姿を見ながら新しく判明した事柄について考えるが。
「レイリアに話を聞くのが一番か」
もう魔王城が山腹に現れるまで日數は殆どない。
本當は、もうし手立てを考えついておきたかったが……。
「おい、アルス!」
「ジャイカルドか?」
振り向きながら、二周りは格のいい子供の問いかけに答える。
「――ちっ!」
ジャイカルドは、面白くなさそうに悪態をつく。
「何かようか?」
たしか俺は、前回の時にジャイカルドと協力関係になったが、今回は殆どと言うか全く関わりを持っていない。
――だが、以前の俺が関わりを持っていたかと言えば、持っているとしか答えられないのだ。
「……べ、別に何でもねーよ」
明らかに迷った様子でアレクサンダーを連れて現れたジャイカルドは、目を泳がせたあと、暴に答えてきたが態度から察するに何か言いたいというのは明白だ。
「ジャイカルドさん」
「わ、分かっているよ。お、お前――、フ、フィーナと喧嘩でもしたのか?」
「――いや、別に」
俺は肩を竦めながらジャイカルドに答える。
そもそも、俺とフィーナでは喧嘩にすらならない。
その理由は、俺の中が大人であるから。
子供と喧嘩をする大人が要るほうが問題だ。
「そうか……、アルスとフィーナは仲が良かったからな……」
「……」
ジャイカルドは、無言の俺に語りかけてくる。
「俺達が山の中に連れていったせいで……、狼に出くわして……、俺達怖くなって――」
「アルス。ジャイカルドさんだけが悪いわけじゃないんですよ! 自分だって逃げ出して……、でも二人とも無事で戻ってきて……」
「二人とも何を言っているんだ?」
俺は、ジャイカルドとアレクサンダーが話をしている容が象的だと言う事は分かったが、記憶が無い俺には二人の言葉が何を指しているのか――、いまいち分からないのだ。
「だから、アルスとフィーナが喧嘩をしている理由は、狼に襲われたときが原因なんだろう?」
「狼に襲われた?」
ジャイカルドの言葉を聞いて俺は思わず眉を寄せていた。
何故なら、二人が俺に告げている容が、その口調から最近の話だと言うのが理解できてしまっていたから。
「お前、狼に襲われたときのことを覚えていないのか?」
「すまない。そのときの記憶が無いんだ」
「そうか――、あの時のアルスは村に戻ってきたときに気を失って倒れたからな」
「俺が意識を失って?」
ジャイカルドは頷いてくる。
アレクサンダーのほうを見ても何度も首肯してくることから、噓ではないのだろう。
問題は……、俺がどうして意識を失ったことすら覚えていないかということだ。
「ジャイカルド、俺が狼に襲われたのは何時頃だ?」
「――3週間くらい前だった」
「なるほど……」
俺は頷きながら考える。
3週間くらい前――。
それは、俺が意識を取り戻した時と丁度重なる。
「アルス、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ」
「これでも飲むか?」
心配そうな表をしてジャイカルドが、皮袋を差し出してきた。
好意で差し出してきてくれたことは分かる。
俺は、斷るのも悪いと思いけ取り中にっているを口にする。
中にっているのは水で――。
「アルス。フィーナのことは……」
「分かっている。もう喧嘩はしてない」
「フィーナは、炭鉱で父親を亡くしているんだ」
ジャイカルドの言葉を聞いて頷きながら水を飲んでいると気管にったのか蒸せて俺は何度も咳きをする。
……息苦しい。
そこで、ハッ! と気がつく。
俺は、ずっと忘れていたことを思い出した。
炭鉱では、塵などが舞っている場合、しの火花で発に繋がるが炭鉱での発よりももっと恐ろしいことがある。
――それは。
「2次災害……」
――そう。
炭塵発では、極めて人に有害な毒ガスが発生するのだ。
ただ、それは……。
「ジャイカルド、アレクサンダー。お前達が自分達の行いを恥じているのなら、手伝ってほしいことがある」
「手伝ってほしいこと?」
「ああ――。村のみんなに用意してもらいたいものがあるんだ」
俺はジャイカルドに渡された水のった皮袋を見せる。
「この皮袋を出來るだけ多く明後日までに用意してもらいたい」
二人は、首を傾げていたが再度「手伝ってほしい」と、伝えると快く承諾してくれた。
- 連載中40 章
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