《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》再會、そして戦闘
ユキナはグラルドルフの攻撃をなんとか避けながらトロールを探し続けるが既にけているダメージがここにきてユキナのきを鈍らせ始めた。
先ほどまではギリギリで避けるじょとが出來ていた攻撃をしまたしと喰らい始めた。
「はぁ...はぁ...はぁ...」
立ち止まり息を整えながらグラルドルフの攻撃の方向を探る。
森の木はグラルドルフの風圧や突進により數え切れないほど倒されている。地面には間隔が全く整っていない痕がそこら辺に殘っている。ユキナが與えた傷口から垂れただ。
「グギャァァァァァァッ!」
遠くから近付いてくる足音とグラルドルフの雄びが聞こえる。
「しは...はぁ、はぁ...休ませ、てよ...はぁ」
などと魔獣に愚癡を言ってから意を決めて走り出す。
聲は左後ろから聞こえてくるのでユキナは右へ真っ直ぐ走る。ユキナがいた位置をグラルドルフが通過するまでに3分もかからないうちに走り去って行った。そして通過したところから凄まじい風が吹き出し、辺りの木々を數本吹っ飛ばした。
「んぐっ ︎」
ユキナもほとんど逃げることが出來ずかなり強い風圧をけ、吹き飛ばされた。
地面に叩きつけられるじで風圧が止み、ユキナは痛みを堪えながら手から落としてしまった剣を四つん這いで拾いに行く。
剣を拾うとまだ倒れていない木に寄り添って息を整える。そして目を閉じる。
次にくる攻撃のほとんどを避けることは出來ないと思うユキナは、涙を流してそれを待つ。
「ごめん、ね。トロジー」
「呼んだかの?」
ユキナは目を閉じたまま幻聴が聞こえ始めたのだと思いながら死を待つ。
「聞こえとるか?ユキナ」
「.....」
「ほれ、早よ立たんとあのデカブツがまた來るぞ」
「....」
「....」
「....」
「これ無視するな」
「うぅぅ...え?」
無視をし続けたユキナの頭をし暴にでて髪をくしゃくしゃにする。それに懐かしさを迎えた後に驚いて目を開ける。
するとそこにはユキナが探し求めていたトロールがユキナの頭に手をばして立っている。それを見てユキナは今度は嬉しさで涙を流しす。
「トロジー...トロジー!」
「おお、いきなりどうした?」
「...すぅっ....トロジー...」
「.....」
「すぅっ....ぅぅぅ....」
「.....」
トロールは黙って泣き続けるユキナを抱きしめて右手でユキナの頭を優しくでてやる。めでたし、めでたし。
「グギャァァァァァァッ!」
「「 ︎」」
などと終わるはずもなく、再びグラルドルフの近付いてくる足音と雄びが聞こえる。
「ユキナ、わしが囮(おとり)になるからおまえさんは逃げろ」
「いや!私、も一緒に」
「ダメじゃ!おまえさんはもうふらふらじゃないか。さっさと逃げなさい」
「でもそれ、じゃあトロジー、が危ない、よ」
「わしなら大丈夫じゃろ。さっきからあのデカブツの攻撃がちょうどわしの周りを木が倒れて守ってくれたり、飛ばされて木があれのの上に落ちてきたりとなんやかんやあったから大丈夫じゃろ」
「.....」
「えーと、ここなら...あっちへ行け。おまえさんも噂くらいは聞いているだろ?ダンジョン攻略がされたことを。王都の騎士が攻略したそうじゃから王都へ助けを呼んできておくれ。村の連中にはわしから言っておくから」
「でも....」
「頼んじゃぞユキナ。ほら行きなさい」
「....」
トロールに背中を押されてユキナはし立ち止まってからトロールに言われた方へと走り出す。それからユキナは後ろを振り返らずに走り続ける。
「....さよならじゃな、ユキナ。さてと、あのデカブツを引きつけるかの」
そう言ってトロールは音のする方へと走り出す。
「すぅぅー....」
息を限界くらいまで吸い込む。
「こっちに來い!バケモノがっ!」
そう大聲を出し続けてユキナがいる方とは全く別の方へと走る。
ユキナは夢中で森から抜けるように走った。印などが付けられている木のほとんどがグラルドルフの風圧によって倒されていたり折られていたりして村へと繋がる道は分からないが、とにかく真っ直ぐに走る。
途中何度かつまづいて転びそうになったりしたが何とか踏ん張って耐え、走り続けた。
そして、どれくらい走ったかは分からないがついに森から出ることが出來た。村ではない別のどこか、しかし見覚えのある道へと出た。
「はぁ...はぁ...すぅっ...トロ...ジー...すぅっ...」
息を整えながらユキナは大粒の涙を流していた。森を抜けるまで堪えていた涙が森を抜けたことで一気に溢れてしまったのだ。
大切な人が自分を守るために命をかけてくれたこと。それに対して自分は何もすることが出來ず、ただ逃げるだけ。ユミナの時にそうだったことをトロールが自分のために魔獣へ向かって行ったことで思い出してしまったのだ。
數分かそれとも數時間か。それくらい長く長くユキナは泣き続けていた。
______________
ようやく泣き止むことが出來たユキナはある1つの決意を固めた。『ダンジョン攻略者にあの魔獣を倒してもらう』ことだった。
以前村である噂が立った。それは『ダンジョンを攻略した』という噂だ。しかしこれには2つの噂があり、1つが『王都の騎士団が攻略した』というのと、もう1つが『ギルドにりたての2人の男が攻略した』だった。
村でも前者の方を信じる人が多くそちらの噂の方が大きかった。ユキナもその噂を聞いた時は前者の方を信じていた。
しかし村の中で1人だけ後者を信じていた者がいた。そうトロールだった。
気になったユキナがなぜ後者なのかと聞くとトロールは笑って「ただの勘じゃよ」と答えた。
普通なら何の拠もない方には誰もかけずに王都へと向かうだろう。しかしユキナは違った。ユキナは後者を選んだ。
ユキナには理屈などどうでも良いのだ。ただ1つ。この世でユキナ(じぶん)がユミナと同じくらい信じることの出來るトロールが言った答えなのだから、ユキナはそれを信じた。
ユキナはトロールから教えてもらったことのある方へ、王都とは逆の方へと走り出した。王都とは逆の方へと向かった理由は特にないかった。ただトロールと同じ。自分の勘を信じて走り出しただけだった。
走り出してから數分くらいでグラルドルフとは違う魔獣がユキナの前に現れた。
全長2メートルくらいで高さ1メートルとしくらいで頭から口、さらには尾まで薄い青のが逆立っている。腹や手腳全部は白い。そして額には直徑4センチ長さ20センチくらいの円錐の形をした角が生えた魔獣。
一角狼が現れた。
「 ︎」
「ガルルルルルル!」
いきなり森から現れた一角狼にし驚いたがすぐに腰に下げている雙剣を抜く。
「ウゥゥゥ、ガァ!」
剣を抜いたとほぼ同時に一角狼がユキナ目掛けて飛びかかってきた。ユキナはそれを右に飛んで避ける。
「ガァ!」
一角狼は一息置く間も與えないとばかりに今度は顎を引き角を槍のようにして突進してきた。
「えっ!っん ︎」
その攻撃を避けることは出來たが力の低下が原因でし目眩が起こり著地を上手くとることが出來ず、し右足首を捻ってしまった。
「ん ︎痛い...」
「ガァ!」
しかし一角狼はそんなことお構いなしで続けて攻撃を仕掛けてきた。
ユキナは左腳に力をれ地面を蹴り手を地面に付き、さらにそこから腕に力をれて前方倒立回転をするようにその場を離れた。
ユキナは立ち上がる際に左足だけで立ち上がる。
「....」
「ウゥゥゥゥ...」
ユキナは一角狼にしずつ距離を近づきながらも互いに目と目は睨み合いながら慎重に近づいて行く。
一角狼の方も連続攻撃でかなり披したらしくなかなか攻撃を仕掛けて來ないので好都合である。
「ウゥゥゥゥゥ...ガァ!」
しかしお互いの距離が2メートルくらいまでまった途端我慢出來なくなったのか突進してきた。ユキナは右の剣の刃の向きを左とは逆、敵の方ではなく自分の方へと向ける。
そしてユキナも走り出す。ただし右足には負擔がかからない速さで。
「ガァッ!」
「ん!」
「ガァッ ︎」
「...ふぅっ!」
飛びかかってきた一角狼の口へ左剣を橫向きでれ重心を右へと傾ける。そのままの力を使って一角狼の上顎を切る。空中で回転をしながら右の剣で前足近く右肋から上へと切り上がり真っ二つに切る。
倒れる前に腕を使って後ろへ飛ぶ。ちゃんと左から著地してからゆっくりと右足を地面につける。
「ふー」
これで一角狼は倒した。
「痛っ ︎」
一息ついたので再び走り出そうとしたが右足が痛み、その場に転んでしまった。
薬草でも何でもいいので早く治して攻略者のもとへ行きたいのだが、周りを見たじ何もない。
「... ︎そういえば」
しの間どうしたものかと悩んでいたが、あることを思い出した。
ユキナは首から下げているペンダントを取り出す。裏を見ると紙が挾まっていた。それを抜き、紙を広げると小さな赤い飴玉のようなものが出てきた。
これは以前トロールからもらったで、ユキナの怪我が癒えていなかった時にトロールからもらっただった。
薬草で作られたこれを呑めば怪我がすぐに治ると言われたがその時はトロールを信用することが出來なかったので呑んだフリをして紙に包み、自分のペンダントの裏に挾んだのだ。あとでトロールが不思議がったが効かなかったと噓をついて誤魔化した。
そのまま忘れていたが今思い出したのだ。
ユキナはそれを早速呑んだ。苦味もなければ甘味もない。しかしスーっとした覚が全を包んでいった。
「 ︎」
トロールの言葉を信じて自分のを見ると本當に傷が治っていた。腕にあったり傷や切り傷。腳にあった浮かし怪我をした時に殘った傷跡。さっき捻ったはずの右足も痛みは引いていた。
ユキナはよく分からないが今はトロールを助けるため忘れていた幻を発させ、街へと走る。
そして東たちと出會い一緒に生活をする。
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