《ガチャで死したら異世界転移しました》冒険者學校 ⑭ リエナ・レヴィア
────結果から言うと、ネルの出場した初戦、そして2回戦のレイの二人は、それはまぁ綺麗に負けた。
だがそれはレインの読み通りで、何も驚くことは無かったが。
というか普通に考えて、冒険者の中でも上位の実力を持つ人間相手に、冒険者になるために學んでいる最中の人間が、勝てるわけ無いのである。
だがしかし、ひとつレインの予想とは反したことがあった。ネルとレイは負けはしたものの、相手との魔力や魔法の扱い方の上手さにはさほど違いが見られなかったことである。
レインは2人の以前の実力も知らなければ、特訓にも関與していないので、それがイグラッドとの特訓の果なのであれば、それは喜ばしいことである。
『では!次の試合に參りましょう!!それぞれ控え室から出てきたのは・・・レクウェル家からは、なんとアリサ・ディア・レクウェル本人が!!そして【零落の兇弾】からは、天才剣士と名高い、リエナ・レヴィアだぁぁ!!』
今試合で注目されている人なのか、リエナ・レヴィアがグラウンドへと登場すると、またもや耳を覆いたくなるほどの歓聲が響いた。
「・・・ん?」
そんな中アナウンスの容に、レインは首を傾げる。
「相手の名前、リエナって言ってなかった?」
「うむ。私もそう聞こえたが?リエナというのは、アリサの妹と同じ名なのか?」
イグラッドも同意する。
「えぇ、実は、アリサ様のご両親がリエナ・レヴィアを何故か英雄視しているらしく、彼と同じ名前をリエナ様に付けられたのですよ」
(えぇ・・・日本で言うと、好きな蕓能人の名前を自分の子に付けるみたいなことだよな・・・)
「ふむ、自の敬意を表し娘にその名を與えるとは、なかなか面白そうな両親だな」
何故かイグラッドは納得している。
「まぁ僕にどうこう言える訳でもないけと・・・あのリエナ・レヴィアって言うのはそんなにすごい人なの?」
レインが鉄檻の奧を見ると、アリサと対峙しているリエナ・レヴィアは、手足をばし準備をしていた。
「あれ?あれって・・!?」
レインは目に映った景に思わず目を見開き、その見慣れたき・・・・・・をする彼から目が離せなくなっていた。
「えぇ凄いですね、その功績は目に見張るものがあります。ゴブリンが100以上確認されている集落の完全掃討に始まり、オーガの上種であるトール・オーガや複合生キメラの単討伐。果てはレッサードラゴン撃退戦の団長を務めたこともありましたね。他にも、誇るべき數々の偉業をし遂げています」
レイの説明を聴きながらレインは考える。
その間もレヴィアはレインの知っているもの・・・・・・・・・・・と寸分違わないきを繰り返している。
(あのき・・・いや、普通にこの世界で普及しているだけかも・・・言葉も日本語だし・・・でももしの事があったなら、あれ・・を持たせても勝てないかもしれない・・・)
「リエナ・レヴィアの名前が知られるようになったのは、何時くらいからですか?」
「いつから・・・私が記憶している範囲では大6年ほど前からですね」
レインの問いに、レイはし考えてから話す。それを聞いたレインは安心したという顔で、置いてあった椅子に座った。思ったより沈むので、し驚いた。
「あぁ・・・6年ならおそらく大丈夫ですね。天才剣士だろうが何だろうが、知識がなくてはあれ・・には対処できませんから」
「?・・・まぁいいでしょう。ほらネル、惜しいところで負けたからって壁に向かって落ち込んでいないで、アリサ様の戦闘が始まりますよ」
「・・・もう後がないというのに、ここに來て貴が出るというのは、どういうことなのでしょうか?」
レヴィアが淡く青くる刀の剣を鞘走らせながら、アリサに問う。
「どういうことです?」
アリサも同じく用の鋼鉄製の剣を構え、盾を持つ手に力を込める。指が紅く煌めいた。
「同じ言葉で返すとは・・・別に、そのままの意味ですよ。そちらの殘り三人の中で1番実力があるのは、あの黒い服と帽子の人──レイン・グレスティアさんでしょう?その魔法の指マジック・ジュエル、込められた魔法は分かりませんが、それをくれたのも、あの人でしょうし」
アリサは何も言えない。事実、レヴィアの言っていることは本當だし、あと1勝というこの場面で、相手が最大戦力を出してくることもわかっていた。しかし──
「その通りです・・・この局面で私が戦うというのは愚策もいい所でしょう・・・これはただの 我儘ワガママです」
「我儘?」
「・・・私はただ、貴と戦ってみたかっただけです──」
『さぁ!!もうあとがないレクウェル家は!隣國までその名を響かせる天才剣士相手に、どう戦うのか!?それでは──試合開始です!!!!』
相手の返事も待たず、アリサは全力で駆け出した。
(相手はランクA冒険者、正面切っての戦いでは勝てません・・・あの一瞬が勝負です!)
広い場を全力で駆けながら、正々堂々とやっては勝ち目がないと分かっているアリサは、自分が出來うる限りの戦略を練る。
十分に距離を詰めても未だ何もしてこないレヴィアに対し、アリサは一瞬で構築した戦略を実行した。
「【二連火球ツイン・ファイアボール】!!」
詠唱を破棄しながらも最大限の威力を持った魔法が、レヴィア目掛けて一直線に飛んでいく。
「この程度ですか」
レヴィアは吐き捨てるように言い、直徑1mにもなる2つの火球を、まるでハエを払うかのように剣で真っ二つに両斷した。
「はぁっ!!」
そんな事はやられ慣れていると言わんばかりに、消えた火球の後ろからアリサが剣を振り下ろしながらレヴィアに迫る。
それをも一瞬で反応したレヴィアは振り抜いた剣を流れるようにり、アリサの斬撃を防ぐ。
そのまま2人は鍔迫り合う。
片方は何食わぬ顔で、そしてもう片方は、さも全力で押していると言わんばかりに────
「アリサ様・・・」
「・・・グレスティアさん。あなたから見てこの試合、アリサ様に勝機はあると思いますか?」
控え室で、檻に噛み付く勢いで戦闘を見守るネルとイグラッドとは裏腹に、レイはふかふかの椅子で悠々と寛ぐレインに質問する。
「まぁ、普通にやったら負けるでしょうね」
「では・・・」
レインの遠慮のない言い方に、レイは俯きかける。
「でも、それは普通にやったら・・・・・・・の話です。アリサさんはこの數日、おそらくこの世界では普通ではない僕とずっと戦ってきました・・・それを活かすことが出來れば、ほぼ間違いなく勝利するでしょうね」
「・・・グレスティアさんの実力は、正直検討もつきませんが・・・分かりました。どちらにせよ、私にはもうここで見ていることしかできませんから」
何かを覚悟したようなレイは、また檻の外へと視線を戻す。
「安心してください。これでも僕は一度も、負けたことも負けさせた・・・・・ことも無いですから・・・」
レインの消えるような呟きは、その場の誰にも聞こえることは無かった。
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