《職に恵まれた年は世界を無雙する》キャと下っ端
眠りについてから、數十分経ったあと、龍央の部屋にいる海希に何者かが近づく。當然、海希はぐっすり眠っていて気づく様子もない。廻はというと、布団を抱えてベッドから落ちて寢ている。4時間後、海希は目覚める。
俺は大きな欠をしてベッドから起き上がる。
「ふぁああああ……。まだ1時半か…。様子見に行くかぁ。」
俺は、廻を起こして、顔を洗い、廻が散らかしたベッドを元通りに戻す。
そろそろ出るか、というところで海希は気づく。
「ん?俺の武がない!どこを探してもない!ベッドの橫に掛けておいたはずなんだが……。もしや、盜まれた?」
「カイ、僕知ってる。カイの武は盜まれた。僕の魔力センサーが4時間前に反応してる。」
「…………廻、出るぞ。」
海希は、靜かに部屋から出て、カウンターの人に聞く。
「すみません、俺が持っていた魔法杖ウィザーズロッド知りませんか?誰かに盜まれたんです。」
「あぁ!あのいかにも高そうな杖のことだね!それなら、トレジャーハンターみたいな格好をした男が持っていったよ!たぶんだけど、闘技場にいるんじゃないかな?」
「ありがとうございます。また來ます。」
俺と廻は、早くホテルを出る。すると、アナウンスが聞こえてきた。
「ナンバー1番の方、至急待機室まで來てください。」
ナンバー1番とは、俺達のことだ。武も見つかっていないのに行けるわけ…………いや、やってきてからでいいか。
待機室に行くと、龍央がいた。
「おせーよ!いつまで休んでんだ、ってカイ、武は?」
「盜まれた。」
「おいおい、それじゃ勝てないんじゃないのか?」
全く龍央は俺を舐めすぎている。
「いや、俺が魔法を使っているのはやりすぎるのを防ぐためだ。実は、向こうの世界で、格闘技をにつけていて、力の制がきかないんだ。」
そうだ、俺は中學の頃、喧嘩全勝で、傷一つ付けられなかったと恐れられていた。その時についた名前が[殺戮マシン]だ。
「杖は俺が見つけといてやる。だから、今だけは頑張ってくれ。」
―さぁ、選手の場です!まずは、神谷海希様!―
名前の知らない人に背中を押され場する。
―海希様は、前の戦いで驚くべき技を披しました。今回はどのような技を繰り出すのか!続いては、キリーグ・スワロフです―
やはり、発して、煙幕の中から登場する。…………そいつが持っているのは、俺の用の武だ。
「なんだよ、あいつ。」
キリーグ・スワロフは、金髪碧眼で貴族らしい。にモテモテで人生勝ち組のような人だ。
―それではお互いに握手をしてください―
「やぁ、よろしくっ!」
相手がやけに気に喋りかけてくるもんだからし驚いた。俺はキリーグの武に目を向けていると、
「あっ、これ?これは君の武だよ!僕に勝ったら返してあげるよ。これ高いよね、絶対返してしいよね!まぁせいぜい頑張って?w」
そう言うと、キリーグは指定の位置につく。俺も指定の位置につく。
―キリーグ様は、前大會2位です!海希様は、レオルド様を30分とかからず倒されましたので、どちらが勝つか検討もつきません!海希様は、黒龍を呼んでください!―
さっきと同じ方法でクロエを呼ぶ。
―それではいいですね?スタート!―
まず、仕掛けてきたのはキリーグだ。
「絶壁封印からのマジックミラー!」
俺のオリジナル魔法をパクられた!?だが、俺のようにほぼ無限にMPがある訳では無いだろう。これは安心していい。
「この魔法は即席だろ?まだ自分でも対処法が分かっていないはずだ!僕の勝ちだな!」
「油斷しすぎだな。」
ドゴンッ!!!!!!!!!!
直後、キリーグの唱えた魔法がバラバラに砕け散る。
「なにっ!?右手1本で砕いた!?ありえない…。」
俺はその一瞬の隙を見逃さなかった。
「炎獄拳燃えろ!」
俺の右手が青い炎に包まれる。
「まじっかっ!リフレクター!」
ピキッ
リフレクターは魔法反するものなのだが、俺の力がった拳の炎は反できず、ただのバリアと化した。
「反できないとか、どんなステータスしてんの!?バリアにひびいれるし、本當にルーキーなの?!」
「俺の勝ちだ。」
バリアが解けた瞬間に、俺は魔法を唱える。
「命存放棄キリングタイム」
キリーグは、魂が抜けたように白目をむき、口を開け、地面に倒れた。
―ただいまの勝負、海希様の勝利です!キリーグ様は、死者のような顔をして倒れました!大丈夫なんでしょうか。念のため、魔力醫師に診てもらいましょう!どちらも素晴らしい戦いでした、みなさん拍手を!―
戦いが終わった今、俺は売店巡りをしている。俺はコーラのような黒い飲みとポテトチップスのようなスナック菓子を買って、町中をぶらぶらしている。俺に組み込まれていた次の対戦相手が別の奴となって、俺は先の2戦で見せた強さで決勝まで飛びなんだとか。
「なんか手応えのないやつばっかだな。ちゃんと武も返してもらったし。暇だなぁ。みんな弱すぎだろ。」
「ううん、それはカイが強すぎるんだよ。カイは普通の人とは違うんだから。それより、クロエの所へ行こうよ、きっと寂しがってる。」
俺は頷いて、駆け足でクロエのところまで走る、走る、走る、走りまくる…が、そろそろ著いてもいいのだが、全くゲートが見えない。さっきからずっと同じ道を通っているように見える。
ループしている?しているとしたら、なぜ?次々と疑問が浮かび上がる。
しばらく走ると、ゲートではなく、ものすごく高い壁があった。気付けば、人も見當たらない。
「廻、センサーには?」
廻には魔力センサーという魔力を知する素晴らしい機能がある。
「10……15人はいると思う。魔力の質から察するに、ウォルクスの家系だと思う。そして、今攻撃が放たれたよ。地面から來るから右に避けて。3、2、1。」
突如、カイが居た場所から矢が含まれた火柱がたった。完全に命を狙ってきている攻撃だ。
次は全方位から様々な屬の攻撃がこちらに向かってくる。さっきの攻撃とは違って、威力が何十倍にも増している。全方位から來るので、俺はリフレクターをするしかなかった。
「リフレクター×100かけひゃく」
俺の周りにたくさんのリフレクターが現れる。俺に向かって放たれた攻撃はリフレクターに當たって、數百メートル先の敵に100倍の力で返される。
各方位から悲鳴が聞こえる。これで全員倒したかと思った。が、予想外にまだ生き殘りがいたようだ。
「カイ、そこの建の。明化してるけど誰かいる。」
俺は音のない無屬魔法を相手に放つと、きゃうんっ!と、可らしい聲が聞こえてきた。
「?」
「バレちゃったものはしょうがない!みんな、集合よ!」
謎のの橫に13人ほどの人が並ぶ。
「私たちは、ウォルクス家の仇を取りに來た、下っ端魔師である。私たちは、なにがなん――――」
バリッと、紙を破るような音が聞こえてきたかと思うと、高い壁にが空いており、その先には、クロエがいた。
「ちっ、邪魔をするな!黒龍風が!!!」
瞬間、クロエの口から黒き炎が吹かれた。
「我は、差別をするものが嫌いなのだ。だが!それよりも嫌いなのは、主に迷を被る人間だ!」
もう1度、黒き炎が吹かれようとした時。
「一時撤退だ!くそっ、覚えてろ!ウォルクス家に手を出し、侮辱した罪、タダではすまんぞ!」
敵が一斉に散らばって、魔法が解かれたのか俺達はゲートからし離れた草むらに立っていた。
「なんだったんだ、あいつら。ウォルクス家に手を出したとか……先に手を出したのはそっちじゃねぇか。しかも、負けたのは実力だろ。俺のせいじゃねぇだろ。」
俺は思っていたことを地面に向かって話した。周りからは変な目で見られていたが、クロエと廻は、こちらに風が來るほど、首を縦に振ってうなづいている。
「なんか毎日疲れるなぁ。ホテル戻るかぁ。クロエもそこら辺で適當に休んでいていいぞ。明日は決勝だ。」
「嬉しきお言葉。次は武を盜まれぬよう気をつけよ。」
俺は適當に返事をして、廻と一緒に龍央の部屋へと向かった。
今度はベッドの下に武を置き、龍央が寢れるように俺と廻はソファーで寢る。
俺はクロエのために頑張るという思いをもって何回目かの眠りにつく。
この時、秀義は危機に陥っていた。
秀義は、海希と一緒に運命線に沿って進んでいく。
次は決勝だ。頑張らないとな……。
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