《極限まで進化した頂點者の異世界生活》三十二話時ノ者のスペル

~紗奈目線~

「はぁはぁはぁ」

怒りを抑え、落ち著くと回りの異変に気付いた。

「えっ・・・」

でも私は目の前に広がっている事を理解出來なかった。

私以外の時間が止まり、壁や床などには無數の時計が広がっている。

そして、壁や床などに無數に広がる時計は、なぜか々しく見える。

その無數にある時計の中でも一際大きく、原型を保っていない白銀の時計が、私の目を惹き付けた。

無意識に白銀の時計に近づき、れると、時計は々に砕け散り、他の時計も同じ様に砕けていく。

「なっ、なに!?」

突然の事で驚く暇もなく次々に時計は砕けていく。

最後の一つの時計が砕け散ると、今度は砕けた時計の破片が白銀の時計の元に集まりだし、白銀の時計を軸に人の形へと変形していく。

最後のピースが填まるように「カチッ!」と音を鳴らして人の形をした時計が完する。

人の形をした時計は男の子の形にかわり、そして、時計の針が消え、硝子・・・水晶の様なに変わった。

してしばらくすると、時計がきだし、口と思われる部分が開いた。

「やぁ、初めまして」

時計から発せられた聲は、無機質な機械音の様な聲で、でも、なぜか暖かみのある聲だ。

「あれ?あんまり驚いてないね?もっと驚くと思ってたんだけどな」

「貴方は?」

「ん?僕かい?僕は時ノ者トキノモノ、君の能力の人格だよ」

「能力の人格?」

なんだろそれ、この世界に來てから変な事には馴れた・・・とは、言えないけど、ある程度順応はしていたはずだ。

でも今回は全然理解出來なかった。

突然私以外の誰もかなくなり、一つの時計が人の様なになり、今話をしている。うん、意味分からん。

そもそも、十歳の思考でこんな事を考えるのがおかしいのだろう。私は他の子達よりは大人な気がしていた。

他の子達より考える事に理由を求めたりして、自分が納得するまで考え続ける。

十歳の子供がすることではない・・・と思う。

海斗お兄ちゃんや、架菜お姉ちゃんがいたから家では怠けているが、普段はそんな事はない。

絶対に家での顔は他の子達には知られたくなかったから、こんな格になったのだろう。

「君って面白いよね、回りの目を気にして外では貓かぶり、家ではダラダラ、凄い差なんだね」

「な、なんでその事を・・・」

私の家族以外誰も知らないはずなのに。

どうして知ってるの!?

「そりゃ、君の能力なんだし記憶をし見ただけだよ、能力として人格が出來たんだしね。でも、そんなことよりも、もっと大事な事があるでしょ?」

・・・今そんなことって言った!?私にとっては最大のなのに!でも、それより大事な事ってなんだろ?

「大事な事・・・」

「君、お兄さんとお姉さんと離れ離れになりそうだったんじゃないの?」

「あ!そうだった!!」

どうしよう、何か考えないと、このままじゃ、また離れ離れになっちゃう。

そんなの嫌だ!

「そんなに焦らなくてもいいよ、大丈夫だから」

「何が大丈夫なの!?このままじゃまた!」

「落ち著いて、僕の能力時間進行アバンタイム・時間逆戻タイムリターン・時間蓄積タイムアミレイこの三つを巧く使えればこの狀況を打破できるよ」

「えっ・・・?」

狀況を打破出來る?この狀況をか?

無理だ、無理に決まっている。

「無理じゃないよ、君も彼等とこの世界にとって同じ・・・いや、それ以上の存在なんだよ」

「世界の存在・・・?」

「そうだよ、運命者ドゥーム・僕、時ノ者トキノモノこの二つの能力はこの後起こる様々な出來事の改変をするための能力なんだよ」

出來事の改変?

でもそんな事で、これから起こる事を変えられるって事?

そんなの、ありえない。

「うーん信用されてないね、じゃあさ、僕が今から技スペルを使ってまず、君を彼等と同じ歳に時間を進めるね、多分それだけで君と彼等が離れ離れになる事は避けられるよ」

「えっ、時間を進める?」

「じゃあいくよ!」

「ちょっと待っ___」

「時間進行アバンタイム!」

私の聲が言い切れる前に遮斷され、目の前に巨大な時計が現れたと思ったら、時計の針が急速に進みだし、時計から発せられたが部屋を包み込んだ。

そして、私の意識は闇へと落ちていった。

今回は長々と休んでしまいすみません。

なので多めに書きました。

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