《村人が世界最強だと嫌われるらしい》とりあえず特訓だ! 4
特訓を初めて一週間、ルノは相変わらず戦うことはできそうにない。それとは別に、レーナの長速度は恐ろしいものだった。
昨日できなかった事が、次の日には完璧に出來ている。特に、影で無理をしてやっているようには見えなかった。
レーナの長に心から心していた烈毅。ファイアとの特訓のあと、必ず一度だけ手合わせをしてると、その長が実できて、素直に嬉しかった。
そして、その日の夜。ファイアと烈毅は、二人で酒を飲み合っていた。
『そう言えば烈毅、ここに來る途中で妙な連中を見たぞ』
「妙な連中?」
『ああ。我が見た限りでは、そうレベルの高い者達ではないが、やたら沢山の冒険者を集めておったな』
「その連中、分厚い裝備をしてたろ?」
『いや、そこまでは見えなかった。だが、一人だけ異彩を放つ者がおったなぁ』
「お前から見てどうだった?」
『なんだ? やけに食いつくな……あいつは確かに強い。だが……』
「だが?」
『……あれを人と言っていいのかわからなかった』
その一言に、烈毅は「やはりな」と聲をらす。
『なんだ、知っていたのか?』
「まぁな」
『その為に、この一週間あやつらの面倒は見ないでどこかへ出掛けていたわけか』
「このことは緒にしてくれ。多分、あいつらが狙ってるのは間違いなく俺だ」
『自分の問題に、弟子を関わらせたくないか……だが、ついてくる以上、それは覚悟の上で付いて來ているのだろう?』
烈毅は腕を組んで俯く。妹のように可がって來たルノに、素直に頑張るレーナ。その二人を、自分の行が招いた事態に、かかわらせたくは無いのだ。
『その気持ちもわかる。だが烈毅、それは逆にお前の弟子を信用していないことになる』
その一言に、烈毅はファイアの顔を見て「信用していない?」と呟く。
『そうだ。あやつらはお前を認め、信用している。だから、お前に付いてきているし、こうやって頑張って特訓をしている。お前も、あやつらが強くなってしいから自分の弟子にしたのだろ?』
「そうだけど……」
『なら、頑張っているあやつらを認めて、自分と一緒に戦ってくれる唯一の存在に謝しなければ』
「唯一の……存在……」
『お前も悪いと思ってるのだろ?』
「そりゃな……。だって、俺が短気なせいで起こしてしまった事態に、関係の無い二人を巻き込んでしまったのだから……」
『関係なくなどないのだ。お前とどんな形であれ、出會ったやつらなのだ。そやつらも、覚悟は出來ていると思うぞ? のぉ?』
「そうよ、烈毅。私は貴方を信じてるんだから!」
「ルノ、お前聞いてたのか……」
「私もいるわよ?」
「レーナまで……」
影でコソコソ聞いていたのか、二人はファイアの問いかけに答えながら登場する。
「確かに、あの日の事で世界がいてるのかもしれない。だけど、そんな事でいちいち怖じけていたら、この先強くなんてなれないわ」
「そうよ、烈毅。私だって、今は戦えないけど、しずつ剣を振れるようになってきてるの。だから、今は力になれないかもしれないけど、何でも一人でやろうとしないでね?」
「二人とも……」
レーナとルノは知っていたのだ。烈毅が一人で何やらしていた事を。一人で全てを解決しようとしていることを。
『こやつらは、お前に付いていくために頑張っているんだ。だから、隣でならんで歩かせてやれ。絶対に、一人だけで解決しようとするな』
烈毅は嫌だったのだ。二人を失うのを。恐れたのだ。二人がいなくなった時、自分はどうなるのだろうと。
『お前さんが特別なのはわかる。だが、特別なだけだ。同じ人間なんだ』
「そうそう。もし私たちを見捨てたりなんかしたら、私自殺して幽霊になって死ぬまで恨んであげるわ」
「私もだ」
「はは……それは怖い」
心做しか、烈毅の表は軽くなる。
「ねぇ、それはそうと烈毅。貴方私の部屋にってパンツ盜んだでしょ?」
「待て、なんでいい雰囲気だったのにそんなクソみたいな質問を投げかけてくる?」
「クソみたいなですって……?」
「ルノもなの!? 実は、私も下著を盜まれていたのよね……」
「待て待て。俺がそんな変態に見えるか?」
『はぁ……我の気遣いを無駄にしよって。我はもう寢るぞ』
「あ、まて逃げるな!」
その日は、一日中二人に怒られた。だけど、なんだか嬉しかった。
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