《村人が世界最強だと嫌われるらしい》希 5
「ネキツさんとんでもない事言い出すなぁ……思わず逃げてきちゃった。この先の話をしないといけないのに……」
烈毅は、全速力で走り、道など知らぬがままに城を駆け巡ったため、今ここがどの位置なのかが分からなくなっていた。
「ま、それは明日でもいいか。問題は、道連れの渓谷を俺が本當に渡りきれるかだな」
死者が目の前に現れるとシェルドは言っていた。その顔が、知り合いのものであったと。もし、烈毅がその場へ行き、目の前に無殘にも殺されてしまった彼らが出てきたら……と、烈毅は考えてしまう。
自分は理を保てるだろうか? 目の前に現れた途端、奴らがした事を許せるのだろうか? それは、本人にも分からない。
「もし、仮に渡りきれたとして、その後はどうする? 取り敢えず安全が確認出來るまで"異次元アイテムボックス"の中に居てもらって……」
「烈毅はん」
ブツブツと獨り言をして歩いていると、突然前方から聲がし、烈毅は思わずがビクッといてしまう。
「……おっ、ビックリした、ネキツさんか……どうしてここが?」
「偶々や。みんなで手分けして探す言ぅて、ほんで探してたら見つけたわけや」
「そうなんですか、態々ありがとうございます」
「ええよ。ほんで、烈毅はん。さっきの提案は聞きれて貰えるんか?」
「げっ、それまだ聞きます……?」
「そりゃそうや。ウチらの今後にも関わるからなぁ」
「う〜ん……ネキツさん、俺の狀態分かってますよね? それなら無理だと分かってもいるんじゃ……」
「でも治すんやろ?」
「そ、それはそうですけど……」
「ならええやんか。その後にでも結婚すれば。なぁ?」
「簡単に言わないでくださいよ……仮にそれをけれたら、俺の連れてきた彼達はどうするんですか……」
「一緒に住めばええ。彼らもあんたの事好きなんやろ? なら、一石二鳥やんか」
「そうとも限りませんよ。彼らは彼らで、きっと思う気持ちがあると思うんで。勝手に話進めて、彼らの意志に沿わない形でそうなるのは嫌なので」
そう言うと、ネキツは黙り込み、和服に似た服裝をした袖で、口元を隠す。烈毅は、ネキツの表が窺えず、しドキドキする。
「ふふ……ふふふ。ホント、ウチがしいくらいに烈毅はんはええ男やなぁ」
「それ、シェルドが聞いたら泣きますよ……」
「かまへん。まぁ、烈毅はんの言うこともある。だからここは引くとするわぁ。ほな、戻ろか?」
「はい、ありがとうございます」
ここまで笑顔で話したのは何時ぶりだろうか? ずっと閉じこもってた烈毅は、自分の狀態のせいで碌に喋る事もままならない時があった。だが、今は違う。ここに來てからずっと平常で居られる。
やはり、ファイアが言っていたこの世界の特なのだろうか。それとも―
烈毅とネキツは、先程までいた食事の場へと戻り、皆の帰りを待った。そして、直ぐに皆戻り、食事の再開をする。
それから、食事が終わり、続きの話は明日に持ち越しということにし、今日はもうそれぞれ振り分けられた自室へと戻った。烈毅は、一人ベットの上で足を組んで仰向けになる。
「寢る前に、風呂にでも行こうかな」
思い立ってベットから起き上がると、突然部屋のドアがノックされた。「どうぞ」と聲をかけると、ってきたのはキュウだった。
「おお、どうしたキュウ? 何か用か?」
「うむ。と一緒に湯船にでも浸かろうといに來たのだが、どうじゃ?」
「一緒に!?」
「そうじゃが何か問題でも?」
「いや、問題しかないんだが?」
昔の型のキュウなら全然問題はなかった。だが今は違う。出るとこは出て、気もある。理がないとはいえ、多はある。その多殘された理が、暴走するともわからない。
「何をそんな顔をして黙り込んでおるのじゃ?」
「ん? いや、どうやったらキュウと離れてれるのかなと思って」
「を嫌っておるのか!?」
「いや、そうじゃなくて……」
「じゃあなんだと言うのじゃ!」
「正直に言おう。俺は男だ。そしてお前は。言っている意味は分かるな? そういう事だ」
「わからんのじゃ〜」
キュウには男という差の壁が無いのか、烈毅の言っている意味がわからない様子でいる。
「いやな? もうこの際だから言うけど、お前は長したんだ。魅力のあるになった。だから、そんな簡単に男の前でを曬すもんじゃないの。分かる?」
「別には構わんのじゃ。そんな事ばっか気にしてたって人生つまらんからの」
とびっきりの笑顔でキュウは答える。その笑顔を見た時、烈毅の心は今までにないくらい落ち著いた。
「…………はぁ。わかったよ、ろう。ただし、タオルでは隠せよ」
「ん? よく分からんが分かったのじゃ!」
そう言って、烈毅はキュウについて行く形で浴場へ向かった。
そして、この時烈毅は考えても気にしてもいなかった。彼達の存在の事を。
「あの狐、中々やるじゃないの……だが、私はそれを眺めているほどお人好しじゃないわ……私の隠行に長けた魔法を駆使すれば……」
ぐへへへへと笑いながら後ろをついて行く一人の魔法使いは、まるでストーカーの様だった。
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