《村人が世界最強だと嫌われるらしい》次はお前の番だ 2
烈毅が復活してから二日が経った頃、ルーフからエルフの村の全てを聞き、まだ生き殘りがいるかもしれない為、向かうことになった。
「なぁ、ルーフ。その襲われた時の相手は見ていないのか?」
「ううん、見てない。僕は必死に逃げていたから……」
「そいつらは多勢だったか? それとも數?」
「多分數だと思う……変な二人組がいるぞってんでたから……」
「それはこの世界の人間か?」
「わからない」
「まぁそうだよな……すまないな、質問攻めをして」
「でもさ、なんで二人組でエルフの村を襲う必要があったんだろうね」
「さぁな。でも、何かあったから攻めたわけだろ? 何も無いのに滅ぼすメリットなんて無いし」
「二人組って所も気になるのよね……」
「そうだな。エルフの村はかなり大きいんだろ? それを二人で滅ぼすってことはかなりの強敵だな。そとも、戦闘が得意じゃないとか……」
「それはないぞ、烈毅。エルフの國はかなり強い。俺より強い奴らが何萬といる。だから大きい國なのだ」
「ふーん。それ以上に襲ったヤツらが強いなると厄介だな……」
「厄介って……まさか戦うのではあるまいな?」
「戦うけどなんで?」
「お前は馬鹿か!? エルフの國を二人で滅ぼせるほどの実力なのだぞ!? ましてや、お前はまだ完全じゃない!」
シェルドがそうび散らすのを、烈毅は両手を出して沈める。
「何も今倒そうって話じゃない。どうせいないしな。何時かは戦わなければならない。そんな気がするんだ」
正直、烈毅に拠などなかった。ただ、何故かその相手が自分に関係してくるのは間違いないとだけは、確信を持っていた。
「まぁ今はエルフの國の事だけを考えよう。その為に來たってのもあるだろ?」
「まぁそうだな。今はエルフのことだけを考えよう」
どんな狀況にあるのか、何人の人が生きているのか、希なんてものはじず、待っているのは絶だけ。それを知らない彼らは、その慘狀を見て思い知らされる。恐怖というものを。
それから何日かが過ぎ、目の前までエルフの國が迫っていた彼らは、心生き殘りがいるだろうと甘い考えで歩を進めていた。
「何人か殘っているといいね、ルーフ」
「うん!」
だが、何時間も歩いても、國どころか村すら見當たらない。もうとっくに著いていてもおかしくは無いのだが、何故か更地が広がっている。
「あれ? もう著いてもおかしくないんだけど……」
「え? そうなの? でも何も無いし……」
『烈毅……』
「ああ、わかってる。でも言うな、ここではな」
「これは酷い……」
クルル、ファイア、烈毅はどうやら分かっているようで、シェルドも目の前の景に唖然としている様子だった。
それを見ていたナーシェは、よく狀況が理解出來ずに、烈毅に訪ねる。
だが、烈毅は頑なに答えようとはせず、ただ「後で教える」とだけ言って、歩いていってしまった。
「おかしいな……方向間違えたかな?」
「…………この辺で帰るか」
突然言い出された言葉に、クルル、ファイア以外の一同は烈毅の方を向き、「なんで?」と言いたげな顔で烈毅を見ていた。
「ルーフ、ちょっと眠っててな」
「えっ?」
烈毅は、"異次元アイテムボックス"から睡眠薬を染み込ませたハンカチを取り出し、ルーフの口元に當てる。気を失ったルーフを抱え、烈毅は"異次元アイテムボックス"の中にルーフをれた。
その行に、疑問しかいだけなかったナーシェは、怒り口調で烈毅に質問する。
「何でそんなことをする必要があるの?」
「今から言う。だからルーフを寢かせたんだ」
「……何よ、早く言いなさいよ」
「エルフの國はもう無い。死も瓦礫も何もかも」
「……は?」
何を言ってるのか直ぐには理解できなかった。ナーシェ、ミーシュ、レーナ、ルノはポカンとした顔で烈毅の話を聞いていた。
「言い方を変えよう。エルフの國は跡形も無く消し飛ばされたんだよ。その二人組に」
上手く狀況が分からないナーシェ達は、なんて聞こうか戸い、上手く質問に出來なかった。
それを察した烈毅は、もうしわかりやすく伝えようと、話を続ける。
「確かにここにエルフの國はあった。だけど、その二人組とやらがここを去る時に、このエルフの國そのものを跡形もなく消し炭にしたんだよ」
「なんで……どうやって……」
「それはわからん。でも、超絶な規模と力が無きゃこんな事は出來ない。ましてや、國一つ消すなんて俺でも無理だ」
「う、噓でしょ? そんな簡単にそんな話を信じられるわけないでしょ?」
「いや、これは本當だ」
橫から、絶した顔のシェルドがってくる。その顔を見て、それが本當の事なのだと、じわじわと実する。
「たしかにこの位置にはエルフの國があった。あったはずなんだ……でも、今は何も無い……」
向こう何キロまでも更地が続いており、周りには何ひとつとしてエルフの國のものは無かった。
烈毅達が気づけたのは、その地面に殘る焼けた後のようなものがあったからだ。その場所には、もう誰もいない。だからルーフを寢かせたのだった。
一同は、悔しさと切なさと悲しさを抱えたまま、その更地を後にし、何もかもがある妖狐の國へ帰るのであった。
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