《ひねくれ魔師が天才魔法使いよりも強い件について》第71話 疑問2
蝶波「前にも話したと思うが、お前が産まれた周囲で魔點の暴走が起こり、死亡事故が起きた。その死亡者の中にお前の両親も含まれていた。」
し焦ったように話す蝶波をまじまじと見ながら塡は考え付いた事を聲に出す。
塡「その確証はあるのか?」
蝶波「ある 。」
塡「・・・それは死亡者リストのような書類だったりするのか?」
蝶波「あぁ・・・だが。」
塡「書類なら簡単に偽裝が出來る。」
通常なら疑うことの無い事を疑う塡に対して純粋な疑問をぶつける。
蝶波「・・・塡。お前がその話を信じる拠はなんだ。」
塡「・・・勘だ。」
真っ直ぐな瞳だった。
その瞳は、自分の両親の事を知りたいと訴えている児のような瞳だった。
だから、蝶波は自分で抱えていた話をするわけでもなく、只々、塡の言葉を繰り返し聲に出していた。
蝶波「勘・・・ね。」
塡「それより、書類以外の証拠はないのか。」
蝶波「ある・・・が。」
塡「なんだ。」
蝶波「葬式で死を見たと言っても偽裝だと疑うのだろう?」
塡「その言い方だったら偽裝出來ると言っているのと同じだぞ。」
蝶波「・・・出來ないことは無いが。」
塡「なんだ。」
蝶波「死の偽裝は法に引っかかる。」
塡「・・・じゃあもし、死が偽裝されているなら。」
蝶波「位が高い人間が関與している可能が出てくるな。」
塡「・・・何故だ?」
蝶波「葬式には全ての家に『和郡國』のNO.3が來る。」
『和郡國』
元々日本と呼ばれていた國が様々な理由でバラバラになった大國や小國と融合し、『和郡國』となった。
同じような理由で元々あった約195ヶ國の國々は最終的に『和郡國』をれて合計3國になった。
その3國の、『和郡國』は特に発展した國となっている。
その國のNO.3。
つまり、
蝶波「NO.3かそれよりも上の位の人間の権利が働いている。」
塡「・・・本的に何故NO.3が全ての家の葬式に出れる。」
蝶波「『分』だ。」
基本的に『魔點』というものが産まれてからは従來の科學では説明出來ない事が誰でも簡単に出來るようになった。
だが、それでも出來ない事は存在する。
その代表が『分』
『分』を作る為の魔點は、自の魔點全てを100%とすれば、一に掛かる魔點の量は100%必要になり、作ったは本人の意識は完全に落ちる。
意識が落ちれば魔法の維持は不可能なため実質『分』をするのは不可能なのだ。
が、『和郡國』のNO.3は『分』一に掛かる魔點の量は通常の0.01%しか必要にしない、つまり意識が落ちることが無いので『分』の維持が可能なのである。
蝶波「これに関しては才能でしかないな。」
塡「NO.3の関與・・・」
蝶波「・・・もし、お前の両親の死が偽裝されているとしたら、何故偽裝される?」
塡「・・・俺の両親の『自己的式オリジナルマジック』の関係は?」
蝶波「無い・・・とは言いきれん。」
塡「2人の『自己的式オリジナルマジック』は何だ。」
蝶波「お前の父親・・・『緑青 炭黒ろくしょう たんこく』の『自己的式オリジナルマジック』は『無敵の盾グラフェン』、個、、気の狀態を移し続ける盾を作り出す魔法。父の方は政府が必要とする能ではないな。」
塡「・・・俺の母親は?」
蝶波「『緑青 鈴ろくしょう みすず』、『自己的式オリジナルマジック』は『音の奴隷サウンドスレイブ』。音を楔として対象者を奴隷にする魔法だ。政府が狙うならこっちだな。」
塡「そうか。」
瞬間、部屋に響き渡るノック音が2人の會話を強制的に終了させる。
「校長!機械の準備が完了しました!」
蝶波「分かった、すぐ行こう。」
塡「・・・俺は帰らせてもらう。」
蝶波「あぁ、気をつけてな。」
そのまま塡は寄り道もせずに帰宅した。
自宅部屋にて
帰宅後、塡はまっすぐ自分の部屋にり、ベッドに寢転んでいた。
塡(・・・両親が生きてる可能がある。)
今まで1度も考えたことのなかった事が塡の思考を支配していく。
あるひとつの事しか見ずに塡は突っ走ってきた。
魔人になること。
正確には、魔人になることである人を救うこと。
両親の捜索か、あの人の救出か。
両方の事を同時に出來るほどの力は塡にはない。
塡(・・・俺にもっと力があれば。)
その時、塡の頭に聞き覚えのある聲が流れてきた。
?「おーい!聞こえてる?」
塡「・・・舞か。」
舞「せーかい。明日の事なんだけど、的な集合時間は?」
塡「大會開始が10時だから・・・9時でいいだろ。」
舞「りょーかい。2人にも伝えとくね。」
その言葉を境に舞の聲は聞こえなくなった。
塡(・・・いつからだろう・・・舞の聲を聞いても不快に思わなくなったのは。いつからだろう・・・あいつらと・・・舞達と一緒に居ても、気持ち悪くなくなったのは。)
???にて
暗闇は認識すら出來なくなっていた。
塡「・・・またここか。」
『ようやく思い出したようだな。』
塡「なんの事だ?」
笑われた気がした。
単なる塡の被害妄想かも知れないが、それでも微かに笑った気がしたのだ。
『その反応なら大丈夫そうだな。』
塡「何の話だ?」
『まぁいい、お前は意外と抜けてる部分があるからな。』
塡「・・・獨り言を呟くだけなら帰らせて貰うぞ。」
『とんだ勘違いをされているようだな。』
その言葉への返事はなく、塡はただただ疑問の表を浮かべているだけだった。
『私がここに呼んでいると思っているのだろう?』
塡「・・・違うのか?」
『違うとも言えるし、違わないとも言える。』
やはり疑問である。
よくある質問の答え、「半分正解、半分不正解」とほぼ同じことを言われた塡は々苛立ちを覚えながら返事を返す。
塡「どう言う意味だ?」
『お前がここに訪れる時に私が呼んだのは々2回だ。つまりそれ以外はお前が自分の意思でここに訪れているということだな』
塡「・・・今回も俺がんできてるってことか?」
『そうだ。』
結局、疑問である。
塡に自覚がないだけか、『聲』が噓を吐いているのか。
そもそも、塡自簡単に『聲』の言うことを鵜呑みにしている事を自覚してない。
蝶波はそこに気付いていたが、校長室外からの聲に流された。
塡「・・・」
『やはり、お前はし抜けているな。』
塡「どーゆう意味だ。」
『そのままの意味だ。』
塡「・・・帰らせてもらうぞ。」
『お前が好きで來たんだよ。』
塡「・・・」
塡の部屋にて
?「・・・ろ。」
塡「・・・」
?「塡!起きろ!」
塡「・・・うるさい。」
?「やっと起きたか。」
塡「何の用だ、満。」
満「明日の集合時間を聞けって承が言ってきてな。」
塡「・・・?」
疑問である。
塡「舞からは聞いてないのか?」
満「んにゃ、全く聞いてない。」
しばかり眠そうにしている満とは真反対に、塡の目は見開いていた。
塡「・・・そうか、集合時間は9時だ。」
満「りょ〜ふぁ〜い。承にも言っとくな。」
その言葉を境に聲は聞こえなくなった。
塡(・・・舞が伝えてない?サボったのか?だが、1分もかからない作業を舞がサボるか?満がサボっていると説教をするあの舞が?可能はゼロじゃない、でもこの線は無しだ。次の可能として、俺の勘違い。夢や幻聴を現実と思っていた可能。この可能が一番高い。最後が、何らかのトラブルに巻き込まれた可能。・・・考えていても仕方が無いか。)
そう思うとすぐさま塡は式の準備に取り掛かる。
塡は今まで化け級の魔點作力でメインの魔法陣を補助などとふざけたことを言っていたが『伝言メッセージ』だけは別である。
 
塡(この式だけは、複雑すぎる。)
手のひらから火の玉を飛ばすのとはわけが違う。
『伝言メッセージ』の複雑さはその過程にある。
手のひらから火の玉を飛ばす式の過程は主に3つ、1,手のひらの上での著火、2, 火を玉狀に整える、3,推進力で飛ばす。
大きくわけてこの3過程。
対して『伝言メッセージ』の式の過程は主に17、説明している間に満が眠りに付けるほど過程が多く複雑なのだ。
塡(今思えば俺が舞を心配するなんて、妙な話だな。)
そんな事を頭に浮かべながら塡は淡々と式を組み立てていく。
塡(・・・良し、組み立ては終了した。後は発するだけ。)
しの張を抱きながら魔法陣に魔力を流し込んでいく。
塡「『伝言メッセージ』!」
見事発した『伝言メッセージ』の式は塡を絶へと突き落とす。
塡「・・・舞?聞こえるか?」
返答はない。
塡「おい!寢てんのか?」
返答はない。
塡「おい!起きろ!ゴリラ!」
句を混ぜた言葉を投げかけても返答はない。
塡「・・・メスゴリラ!起きろ!」
相も変わらず返答はない。
塡(・・・起きねぇ。頭に直接響く言葉だぞ。耳元でばれるのとはわけが違う。)
塡「おい!起きろ!おい!」
返答はない。
焦っていたのだろう。
その結果、式の発に必要以上の魔力を流し込んでしまった。
その結果、発の範囲が広がった。
その結果
塡「おい!」
?「うっせぇな。頭ガンガンすんだろうが。」
 塡(・・・舞の聲じゃない。)
?「で、何だ?やっと俺の場所を見つけたわけか?」
塡「お前・・・」
?「あ?何だ?」
塡「お前誰だ?」
?「・・・あぁ、なるほどな。お前『藤原舞』の知り合いか?」
塡「・・・お前何なんだ?」
?「こっちの質問はそっちのけか?まぁいい。もう切るぞ、俺も忙しいんでな。」
塡「おい!」
返事はなかった。
焦りなど生ぬるいほどの不快。
その不快と疑問が塡をぐちゃぐちゃにする。
塡(何が起きた?あいつは誰だ?なんで會話が出來た?発範囲が広がったとしても半徑1、2m、つまり舞を中心としてその範囲に奴が居たことになる。何をしていた?「やっと俺の場所を見つけた」と言っていた、あれはなんだ?追われているのか?なんでそんな奴が舞の近くに居る?そもそも何故舞は返事をしなかった?あいつに何が起きている?)
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