《ひねくれ魔師が天才魔法使いよりも強い件について》第74話 実戦
夜、靜かな暗闇に発音が鳴り響く。
薄明かりが照らす倉庫地帯を3人の年が駆け抜ける。
塡「『全速力フルスピード』」
『戦闘ジョブ』で得た筋力増加のスキルと自の『自己的式オリジナルマジック』である波の合わせ技を繰り出し、発する札を撒き散らす年の攻撃をいとも簡単に躱していく。
徳「『急急如律令にて我がを守れ』」
人を軽く吹き飛ばす風が札を攜えた年に激突するが年はビクともしていなかった。
塡「満!」
自分の名前を呼ばれた年は聲が聞こえた方へと駆けていく。
年が聲の元へと著くと同時にそこにいた年が口を開く。
塡「設置が完了した。あとはお前のタイミングでぶちかませ。」
満「分かった!」
ハッキリとした返事の後、結界をった年へと手を向け口を開く。 
満「・・・これどうやって発するんだ?」
塡「さっき説明したろ!」
満「そうだったか?」
塡「魔法陣に順番に魔力を流し込むんだよ!」
満「なんの順番だ?」
塡「屬順だってさっき言ったろ!」
大聲でび合う2人の年に発する札が飛來する。
満「『盾シールド』!」
塡「『波紋』」
発は年達の手前で防がれ2人の年は會話を再開する。
塡「とにかく、魔力を流し込み終わったら適當に発しろ!分かったな!」
満「分かった!」
直後、先程から札を飛ばしてきていた年を中心に巨大な竜巻が起こった。
満「こっちの方が當てやすい!」
竜巻を起こしたと思われる年は竜巻の中心に居るはずの年に向かって手を向けて口を開く。
満「『風に飲まれて死に曬せエクスプロージョン』!!」
言葉が響き渡ると竜巻を中心に大発が倉庫地帯を飲み込んだ。
暗闇の夜が発のによって明るく照らされる。
塡「俺を殺す気か!」
満「え?!」
塡「まだ離れてないだろ!」
満「塡が適當に発しろって言ったんだろ!」
塡「當たったらどうするんだ!」
満「じゃあ合図しろよ!」
発のが薄くなっていくと中心から1人の年が姿を表した。
徳「・・・何だこの魔法。」
満「お前になんか教えてやるか!」
塡「よく言うよ。」
塡(にしても、あの結界どんなさしてんだ。)
あれほどの大発を起こしてもなお、徳の結界は発のダメージをヒビにまで抑えていた。
徳「『踴り狂え五芒星ペンタグラム』」
満「『盾シールド』!」
塡「『全速力フルスピード』」
攻撃の合間をって塡は全速力で徳の背後に立つ。
塡「『鉾ジャベリン』」
波の鉾は徳の結界へと突き刺さる。
同時に徳は人差し指と中指だけを立て、鉾のようにした形で背後の塡へと突き立てる。
塡「遅せぇよ。」
徳「お前がだろ。」
言葉が響き渡ってもなお2人は未だに立っていた。
塡「お前・・・なにを」
徳「さぁな!」
揺している塡の顔面に徳の拳が躊躇なく突き刺さる。
塡「ぐぁ!」
満「『風エアロ・ブラスト』!!」
追撃をしようと前のめりになっていた徳のは満から放たれた風によって地面に叩き付けられる。
満「塡!」
塡「何やってる!追撃に行け!」
徳「お、そい!」
地面に伏せた徳は手に握っている札をその場に撒き散らす。
塡「『波紋』!」
満「エアロ・ブレ」
魔法が発するよりも前に地面に撒き散らされた札が発を繰り返す。
塡(こいつ、自分ごとやりやがった。)
満「塡!無事か!」
上空から聞こえる騒がしい聲にし意識をずらしたあと、再び徳へと意識を向ける。
塡(発の煙で何も見えねぇな。音を立てれば『五芒星ペンタグラム』で攻撃される。かと言って、この膠著狀態が続いても意味が無い。)
満「塡!どこだ!返事をしろ!」
再び聞こえてくる聲に塡は鬱陶しさをじながら思考を巡らせる。
塡(生半可な攻撃じゃあいつの結界は割れない。かと言って強すぎてあいつが気絶して、時間が経てば『教育機関』に回収される。どうする。)
満「うわ!おわ!」
上空で変な聲を発しながら『五芒星ペンタグラム』を避け続ける聲に思考を邪魔された塡は、全くの意味がない怒號を満に投げつける。
塡「うるせぇ!!お前はしばらく黙っとけ!!」
剎那、五芒星を描いた札が塡の視界に飛び込んできた。
発音が耳を叩き、衝撃波が塡のにそって何度も通り抜ける。
塡(音に頼った攻撃のおかげで狙いがずれたか。)
直後、札が塡の右半に直撃し、何者かの拳が塡の顔面に突き刺さった。
塡「っ!なんで分かった。」
徳「煙の流れだよ。破の煙にしてはおかしいとは思わなかったのか?」
次々に襲いかかる四肢を捌き続ける塡の思考はまたもや自分がミスを犯していたことに気づく。
塡「・・・煙幕、それも魔法で張った濃い煙か。」
徳「そうだ。」
塡「満の風は警戒しなかったのか?」
徐々に勢を整える塡は防だけではなく攻撃に移る準備を開始した。
徳「もちろん警戒した。だが、結果的に煙はそのままで満は空で踴ってやがる。11なら魔法使いである俺の方が強いだろ?」
塡「それはめでたい考えだな。」
言葉と同時にダンッ!と言う音が鳴り響く。
周囲の煙を巻き込みながら駆ける塡は拳を固く握り込み、突っ立っている徳のに握り拳を叩きつける。
違和をじ取った塡はすぐさま後ろにジャンプし、勢を立て直す。
塡(拳は確かに當たった。だが、覚が違う気がする。鎧を毆ってるような覚に近い。)
徳「『火の玉ファイアボール』」
余裕の表でただずんでいる徳の手のひらから初級魔法が飛來する。
それほどの速さでもない火の玉は塡の目の前に行くと、いきなり膨張を始めた。
塡「『波紋』」
拳ほどの大きさの火の玉が塡の頭ほどの大きさに膨らんだ直後、熱波に続き発音と眩いが発された。
予想外の攻撃に視覚と聴覚を奪われた塡に向かって次々に火の玉と五芒星が描かれた札が飛びかかる。
満「『竜巻トルネード』!!」
言葉の直後、塡を中心として先程と同じサイズの竜巻が起こった。
追撃の火の玉や札を簡単に防いだ竜巻の中から全戦闘ジョブに共通するスキルである『武裝備』で呼び出した片手剣を攜えた年がゆっくりと降りてきた。
満「隨分と遊んでくれたな徳。」
徳「お前こそ、隨分と遅い帰りだな満。」
一瞬の靜寂の後、2人の口はほぼ同時に開かれる。
満「『飛翔フライ』」
徳「『業火フレイム』」
背中から羽が生えたような年はゆっくりと加速しながら離陸を開始する。
それに対し、手のひらに巨大な炎を纏わせた年は舌打ちをした後、魔法を解除する。
徳「厄介だな。」
ある程度上昇したところで停止した年は剣先を地上の年へ向け呪文を呟く。
満「『竜巻トルネード』」
剣先から出された小さな風は渦巻くように空中を進み、大きくなるにつれ地上へと近付いていく。
その作がほんの一瞬で完了させられ魔法は発される。
徳「また竜巻か、蕓がないな。」
満「これが一番戦いやすいんだよ。」
竜巻の中で會話をする2人の年は、ほんの數秒間の靜寂の後、起床したかのように自の武を強く握りしめる。
満「『追い風エアロ・ブースト』」
背中から羽が生えたような年は風切り音を背中に纏い、加速しながら地上の年へと接近する。
徳「『業火フレイム』」
呪文の直後、手のひらから巨大な炎が年の手を包み込む。
発時の2人の距離、約5m。
雙方の程圏である。
満「オラァ!」
徳「燃え散れ!」
剣と炎が激突し、発音が鳴り響く。
熱波と炎が広がり、満のを一瞬だけ膠著させる。
徳「『煙幕スモーク』」
次の剣が振られるよりも前に徳の手のひらから塡を取り囲んでいた煙が発される。
満「煙なんぞ効かねぇよ!」
真橫に剣が振るわれた直後に竜巻が煙幕を吸い込んでいく。
徳「お前はしくらい考えて行したらどうだ?」
視界に眩いが映り込み、年のを熱波が覆う。
満「あっつ!」
集中力が必要な魔法を発しているなか、熱波によっての揺が竜巻を維持できなくした。
徳「『踴り狂え五芒星ペンタグラム』」
障害が無くなったことによって存分に宙を飛び回ることが出來るようになった五芒星を描いた札は、熱波の揺で未だけない満へと躊躇なく襲いかかる。
発音が鳴り響くと空中の煙から1人の年が落下を始めた。
徳「『業火フレイム』!」
トドメと言わんばかりの巨大な炎が年の手のひらから発される。
だが、飛來するトドメの炎は空中でチリヂリになり、落下する年は初級魔法によって落下のダメージが軽減させられた。
徳「やっと起きたのか。」
塡「寢起きが悪くてな。」
ゆっくりと年を下ろす塡の手には普段とは違う『対魔拳銃アンチマジックハンドガン』が弱々しく握られていた。
徳「まだフラフラじゃねぇか。」
塡「あぁ、やっぱり夜更かしはダメだな。」
の傷が消えきっていない塡はいつもの何倍も遅く頭を回す。
塡(あいつ・・・発の後ろに混魔法仕込んでやがったのか。おかげで頭が回らねぇ。)
徳「ひとつ聞きたいことがあるんだがいいか?」
混魔法で頭が回らないなか、混魔法を掛けた張本人である徳は宿題の答えを聞くほど気楽な様子で塡に話しかける。
徳「何故そんなにも藤原舞を気にかける。お前は藤原舞のなんだ?」
塡「・・・知ってどうする。」
徳「渉がしたい。このまま続けてると時間がかかるだろ。」
塡「・・・お前がどんな渉に持ち込もうと、お前があいつを狙い続ける限り俺はお前を止める。」
徳「・・・あくまでも俺を捕まえたいわけか。」
塡「そういう事だ。」
その言葉をけ、2人の年は靜かに重心を落とした。
各々が得意とするを手にし、2人の年はほぼ同時に踏み込んだ。
塡「『鉾ジャベリン』」
音の鉾は徳のを引き裂こうと直進するが、宙に舞う葉のようにひらりと躱される。
著弾した鉾は地面を食い破り、クレーターのような爪痕を殘す。
塡「『追尾ホーミングナイフ×16』」
『盜賊』のスキルである『発シュート』と『短剣設置』と塡の化け級の魔點作力で標的の魔點を吸収しその魔點と同じ魔點を標的とし自追尾する技。
発された16のナイフは一直線に徳の元へと飛來する。
ナイフに対して直角に曲がり回避を取ろうとしたが、そんな回避で避けられては追尾式の名が泣くと言わんばかりに追尾する。
徳「邪魔くさいな。」
塡「俺の事も忘れんなよ。」
突如背後から現れた塡とナイフに挾まれ、対処をするための一瞬の思考で、遅れが生じた。
視界の端から襲いかかる拳を避けるためを回転させたが、すぐに追い付いてきたナイフが徳の足に傷を付ける。
徳「クソっ!」
地面に背中から倒れ込む途中でカウンターの一撃を塡の脇腹に見舞する。
塡「グッ!」
ほんの一瞬、呼吸が遮られ意識が遅れる。
徳「・・・『踴り狂え五芒星ペンタグラム』!」
倒れたダメージを抱えながらも追撃のために自の魔法を発させ、塡のを散り散りにするために札が宙を舞うが、無理やり発させた『鉾ジャベリン』で何とか直撃は免れる。
しかし、不恰好な勢で発したせいか塡のは地面にるように叩きつけられた。
徳「『急急如律令にて敵を絶命させよ!』」
ポケットから突如飛び出した6枚の人型の紙は、それぞれが別々のきをしながら、全てが塡の元へと飛來する。
塡「『高速発グリゴラシュート×8』」
その名の通り高速で発されるナイフは飛來する人型の紙を封じるため紙を引き裂こうとするが、最前の紙から発された衝撃波によって全てのナイフがその場に落ちる。
塡「魔法・・・?」
疑問をそのまま聲に出すが返事はなく、一直線に飛んできた5枚の紙に周りを囲まれてしまう。
塡「『飛翔フライ』!」
魔法が発し塡が上空へ飛んだ直後、人形から同時に衝撃波が発された。
徳「甘いぞ。」
突如背中に衝撃が響き渡り、真下に叩き落とされる。
背中に鈍痛が走るが、もちろん痛がる暇もなく6枚の紙から次々と衝撃波が発せられる。
塡「グッガァアァ!」
2本の腕で防をするがそんなものはあっても無くても変わらないという狀況に陥っていた。
塡「ア゛ァ゛ァ゛!!」
自分の腕がどうなっているかの確認ができないほど、衝撃波を叩きつけられる。
塡「『全・・・速力フル・・・スピード』」
どの方向に進んだかも分からずにただがむしゃらに抜け出そうとするが、人型の紙に回り込まれてしまい、滅多打ちをける。
満「『霊の守護シルフ・ガーディアン』!!」
突如響き渡った言葉は、ボロボロになった塡の周りを囲み守るようにして紙からの衝撃波を吸収する。
満「『風エアロ・ブラスト』!」
空気を叩き、音を発した風は、塡を取り囲んでいた6枚の紙をバラバラに引き裂いた。
徳「あれだけの撃を食らってまだけるのか?」
満「・・・それだけが、取り柄だからな。」
肩で息をし、弱々しく西洋剣を握りしめている年はゆっくりと塡の元へと近付き防魔法を解除する。
満「・・・」
絶句した様子が離れた所から分かるほどの怪我なのだろう、明らかに限界を超え、走る事もできない年が強く、強く西洋剣を握りしめた。
徳「おいおい、覚悟してなかったわけじゃないだろ?これは訓練とは違う、実戦って事は知らなかったわけじゃないだろ?」
明らかな煽りの言葉、それが挑発だと知っていたとしても、作戦のだとしても、激にを任せるしか選ぶ道はなかった。
満「・・・ぶっ飛ばす。」
徳「できるかな。」
実戦に置いて非常に簡単で、以外に難しい覚悟。
口には出さず、ただ魔法を振りかざすことで証明するため、2人の年は最後の猛攻を仕掛ける。
ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
第七五六系、恒星シタールタを中心に公転している《惑星メカニカ》。 この星で生まれ育った青年キラはあるとき、《翡翠の渦》という発生原因不明の事故に巻き込まれて知らない星に飛ばされてしまう。 キラは飛ばされてしまった星で、虹をつくりながらある目的のために宇宙を巡る旅しているという記憶喪失のニジノタビビトに出會う。 ニジノタビビトは人が住む星々を巡って、えも言われぬ感情を抱える人々や、大きな思いを抱く人たちの協力のもと感情の具現化を行い、七つのカケラを生成して虹をつくっていた。 しかし、感情の具現化という技術は過去の出來事から禁術のような扱いを受けているものだった。 ニジノタビビトは自分が誰であるのかを知らない。 ニジノタビビトは自分がどうしてカケラを集めて虹をつくっているのかを知らない。 ニジノタビビトは虹をつくる方法と、虹をつくることでしか自分を知れないことだけを知っている。 記憶喪失であるニジノタビビトは名前すら思い出せずに「虹つくること」に関するだけを覚えている。ニジノタビビトはつくった虹を見るたびに何かが分かりそうで、何かの景色が見えそうで、それでも思い出せないもどかしさを抱えたままずっと旅を続けている。 これは一人ぼっちのニジノタビビトが、キラという青年と出會い、共に旅をするお話。 ※カクヨム様でも投稿しております。
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