《【銃】の暗殺者》狙撃
背中の激痛が治らない上に熱が出てフラフラしてきた俺は一世一代の賭けに出ることにした。まともにレベル上げなんてしてたら絶対に死ぬし、魔と戦わなくてなくても怪我で死ぬ。ここはレベルを上げてHPの最大値が上昇するのに賭けるしかない。
そう思った俺は川の上流に向かった。
川の上流には滝があって崖になっているのが見えていた。そう、俺の賭けとはあの上から長距離狙撃を行うことだ。何故初めからやらなかったかといえば賭けの要素が強すぎたからだ。
まず崖は森が深くなっているところにある。テンプレ通りなら森の深いところほど魔が強くなるはずだ。だからできるだけ近づきたくなかった。
2つ目に長距離狙撃をなんてガンマニアでも知識だけの素人がやれるものじゃない。スポッターのやり方も知ってはいるがやったことはないし。
さらにいえば狙撃するときはうつ伏せになる。つまり無防備になるから襲われた時に対処できないのだ。
これらの理由から長距離狙撃をやらなかったのだが熱も出てきてき回れなくなるし、このままなら確実に死ぬからどうせなら賭けに出ようというわけだ。
崖はそばに木があってそれを使えば登るのは難しくなかった。どうにかこうにか崖の上までたどり著いた俺はまずいい狙撃ポイントを探す。崖の上も森になっていて近くの茂みの下にをり込ませて隠れることにした。
それから狙撃用の銃を召喚する。
"我求むるは鋼、形をして敵を貫く、顕現せよ"
今回召喚したのはPGM338で弾丸は338ラプアマグナム弾だ。威力の高い狙撃銃を選択した。狙撃銃は消費魔力が多いらしく30も消費してしまった。
殘りの30は全て弾丸に使う。どうせ魔と戦闘になればあっけなく死ぬし、熱が酷くなってきて立つのも辛いから魔にバレれば諦めるしかないと覚悟を決める。
俺はスコープを覗き込み、さっきまで自分がいた辺りを探して、、、、、見つけた。さっきの漆黒の豬だ。そのでかい軀は戦闘となれば脅威だけど狙撃ならばありがたい。距離は大300メートル。プロの狙撃手ならばそう難しくない距離だけど俺にはとても難しい。
まずは1発目
ズガンッ!
大きく右に外れる。調節の仕方は知識としては知っているのでその通りにやってみる。実際にやるのは初めてなので々違うと思うがそれでもやるしかない。
2発目
ズガンッ!
外れ
3発目
外れ
4発目
5発目
6発目
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25発目
26発目
!!!!!!當たった!!!
本當にまぐれもいいところだが豬に命中して一撃で前足から頭までを吹き飛ばした。弾丸は1発で魔力を1消費するため殘り4発とギリギリだった。當たってよかった。
なんとなく熱が治まってきたような気がしてステータスをみると
レベル:12
HP27/600
MP1200/1200
となっていた。どうやらレベルの上昇率は倒した魔によって違うらしい。それからやっぱりあの豬はかなりの大だったみたいだ。
それからありがたいことに魔力はレベルが上がれば回復するみたいだ。これはとてもありがたい。召喚した銃も弾も俺の任意で空気に溶けて消えるらしい。つまり銃は消えることをまなければ出たままということだ。
次の獲を倒すのに1200発もあるのはラッキーだ。
おそらくしばらくは魔を倒せば確実にレベルが上がるだろう。本で見た例のレベルは50だった。そして例として出るのだから大平均値だろう。さらに職業は商人だった。非戦闘職でそれだけ高いのならば魔を倒し続ければ50以上にはなるだろう。
それに例だとレベル50で魔力が300だったので俺の魔力は格段に多いということになる。もしかしたら魔力チートなのかもしれない。やっぱり本をなくしたのは痛いな。
そんなことを考えながら次の獲を探す。探しているのは川の反対側、俺を襲った紅い熊だ。おそらくあいつを殺せばレベルが大きく上がるだろう。黒い豬同様あの辺りの主だと思う。
結構時間がかかったが紅い熊を見つけた。森の中は気が多くて上から獲を見つけるのが意外と難しくて時間がかかった。
早速、狙い始める。知識と実際に行う覚をすり合わせるようにしながら狙撃技を上げていく。熊は初めは何が起きてるかわからないようにウロウロしていたが自分が狙われているのがわかったのか闇雲に暴れている。どうやら俺がどこかに隠れていると思っているようで周辺の木をなぎ倒していっている。
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HIT!!!
あー、やっと當たった。だけど3時間はかかった気がする。使用した弾丸數は872発、つまりさっきの豬の時のは本當にまぐれだということだ。ちょっとずつだけど狙いがつけられるようになってきている気がする。これは回數をこなして上手くなるしかないな。
レベル:16
HP41/800
MP1600/1600
このペースで上がるならそう遠くないうちにレベル50に屆きそうだな。魔力もレベル×100で増えているみたいだからありがたいな。
それから狙撃銃は結構反があるし、音もなるのだが崖の上の森から魔が近づいてくる気配がない。もしかしたら魔がいないのかもしれないな。それならありがたいが、、、、まぁ、いたところで近距離で勝てるとは思わないが。
それから俺は大きな獲を狙って狩りを続ける。狙撃技も上がってレベルも上がる。いいことだらけだ。
崖には滝があるしそこで水が取れる。俺は水だけで我慢して狙撃を続けた。いくつかの木のみを見つけたが毒があるかもしれないので本當に飢えに耐えられなくなってから食おうと決め、ただひたすら狙撃を続ける。
幾度も夜を越え、1週間を過ぎた日に遂に飢えに耐えきれなくなって木のみを食った。特に何もなく味は甘酸っぱいスモモの様だったので安心していくつも食べた。
その半日後、猛烈な腹痛に襲われてのたうちまわることになった。腹痛から立ち直った俺はもう二度とスモモ擬きは食わないと心に決めて狙撃を再開する。
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それから4日後、滝のそばに水を飲みにきていた狼を狙撃。【銃召喚】は銃しか召喚できないが銃剣は召喚することができたのでそれを使って狼を解して、そのを食った。火は起こせなかったが木の実で酷い目にあったので木の実を食うよりはマシだと思い、生を食った。
數時間後、メチャクチャに嘔吐しまくった。
自然界の厳しさを學んだ気がした。
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さらに3日後、やっと食べられるものと出會った。黃い木の実で味は苦くて味しくない。木の実を食べるのは躊躇したが狼が食べているのを見たので毒はないだろうと思い、食った。まともに食えるに出會えて涙が出た。自然の恵みとは偉大である。
こうして俺のサバイバル生活は始まった。
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