《【銃】の暗殺者》敵
ティグさんの商談も無事に終わり、王都に向けて出発することになった。ここから王都までの道は10日以上かかる上に途中ですぐ橫が崖の道を通るらしい。防衛上攻め込まれにくい場所に王都を立てたのだそうだ。そのせいで流通が制限されては意味がないと思うが。
「そういえばティグさん、どうして護衛を変えたんです?」
王都に向けて出発した馬車の中で俺はティグさんに尋ねた。護衛がこれまでの冒険者と違う冒険者になっていたのだ。
「ああ、実はですね、アイシスから王都までの長距離の護衛を雇うとかなり高いのです。途中までの護衛を雇い、そこから別の護衛を雇う方が格段に安くなります。商人の知恵という奴ですね」
へぇ、ほぉ、ふぅん?そう答えるんだ。まぁいいけど。
今回馬車は4臺、乗っているのはティグさん、俺、シェリー、駆け出し年、ティグさんの部下の契約奴隷、護衛だ。
駆け出し組の4人は次の目的地が王都だということでテンションが高い。今は春のような気候のおでそう暑くない。それから季節についてだがアイシスはほとんど変化はないけど、王都まで北に行くと四季があるらしい。アイシスに季節の変化がほとんどないのは魔の森の影響なんだとか。
ユーレカを出て7日
特に魔が出ることもなく、盜賊が出ることもなくここまで來た。初めは騒いでいた駆け出し組は疲れて大人しくなっている。今日は朝から崖の橫を通る道にっている。橫幅は馬車が二臺通れる位の幅だ。
、、、、そろそろかな。
「あ、あれ!」
駆け出し組の年が前方を指差してんだ。指差した方向には馬車が道を塞ぐように止めてあり、盜賊らしき集団がある。業者が慌てて馬車を止めて後ろを振り向くが後ろにもいつの間にか馬車で道が塞がれていた。まぁ、俺は【気配探知・極】でもともと気づいていたが。
さてどうするかと思っていると
「全員くんじゃねえぞ!」
護衛だった連中にティグさんがナイフを首に突きつけられて捕まっていた。もともとグルだったんだろう。それを見た駆け出し組が勇敢(笑)にも盜賊達に突っ込んでいった。
「ティグさんを離せ!」
「行くぞ!」
「この馬車に私達が乗ってたのが運の盡きね!」
「全員覚悟しろ!」
と、飛びかかっていったが
「ギャハハッ」
「ガキどもが調子にのんじゃねえよ」
あっさりやられた。剣士の年は一合しか保たずに首を落とされて即死。それを見て固まっているうちに戦士と弓使いの年も殺され、魔法使いのは捕まった。どうしてだけ生かされてるかは想像に難くない。
「さて、後はお前達だけだな」
いつの間にかティグさんの部下も裏切っていたようだ。敵の數は24人、こっちは俺とシェリーだけ。萬事休す、、、というわけでもない。
さて、皆殺しに「あののガキがターゲットでいいんだよな?」「間違いねえだろ」
、、、、、予定変更。どうやら盜賊ではなくシェリーが狙いの雇われだったようだ。多分、シェリーを買った時に來た暗殺者と同じ依頼主だろう。聞き出すか。
「小僧、そのを寄越しな。おっと妙なきを住んじゃねえぞ?コイツの命がどうなってもいいのか?」
ティグさんの首にナイフを當てながら脅してくる。俺はシェリーを俺の前に立たせる。
「そうだ、大人しくこっちに」
「シェリー"潛れ"」
シェリーは俺の影に潛った。俺の前に立たせたのはあいつらに差し出すためじゃなく、太が後ろにあって影が俺の前に出來ていたからだ。
「なっ!?何してやがる!コイツがどうなっても」パンッ
何か喚いてるが俺はそれを無視して両手に召喚した銃で敵を殺す。まずは後ろを塞いでいる奴らを皆殺しにする。
パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ
何も対応できずに後ろの9人は全滅。さて前のやつらも殺るか。俺が前のやつらに銃を向けるとシェリーが影から出て來て俺の裾を引っ張る。
「ん?シェリーもやりたいのか?」
コク
「そうだな、聞きたいことがあるから全部こりしちゃダメだぞ?」
コク
シェリーは日本のナイフを逆手に構えて前傾姿勢になる。
「待て待て待て!何してやがる!コイツがどうなってもいいのかよ!?」
俺にあっさりと仲間がやられたことによってパニックになりながら言ってくる。俺はそれに當然のように答える。
「別にいいよ?」
「なあ!?ジョンさん!?何を」
「いやぁ、白々しいなぁティグさん。だってアンタらもともとグルでしょ?」
俺の言葉にティグさんが慌てたように言い返す。
「な、何を言って!」
「アンタはジャムでかなりの儲けが出た。そしてこれから王都で売ってさらに儲けようと思っている。そんな時にジャムの開発者である俺が王都に行くと言い出した。ジャムを獨占販売しようとしてたアンタとしては俺が王都で誰かに作り方をらさないか不安だったんだよな?」
「・・・・・っ」
「そこで黙っちゃダメだろう?
まぁ、いいけど。そんな時、ユーレカでそいつらが接して來た。そいつらの目的はシェリーでアンタは俺に消えてしい。みが一致したわけだ。それでそいつらを急に護衛にしたんだろ?もともと護衛だった奴らが酒場でボヤいてたのを聞いてたんだぜ?何もヘマしてないのに依頼を途中で止められたって」
「それはっ!」
「それは何だ?
ハハハッ!儲けを獨占するためにアイディアを出したやつを殺すのも商人の知恵・・・・・か?」
「ぐっ!お、お前は何なんだ!こんな一瞬で大勢殺せるなんて聞いてないぞ!」
「そう、そこが今回の失敗の原因だ。報不足、俺のことを何も知らなかった」
そう告げた俺はシェリーに合図をする。シェリーは一瞬で間合いを詰めて次々と敵を斬っていく。俺の殺さないようにっていう言いつけを守って手や足を斬って殺さないまま戦闘不能にしている。
本気でくのを初めて見たがかなり強いな。暗殺者としてもそうだが冒険者になってもやっていけそうな腕前だ。
抵抗もあったが危なげなく全滅させたシェリーは俺に頭を差し出してくる。返りでちょっとアレだなと思いながらよくやったと頭をでてやった。
さて、シェリーも存分に褒めてやったことだし尋問タイムといこう
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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