建に近づくと門番がこちらに気づき、アルチナへ敬禮した。

「お疲れ様」

招待狀を見せて自分の元を証明するアルチナ。

門番はそれが本かどうかだけ確認すると招待狀を返した。

「大地の魔、アルチナ様ですね。その後ろの方たちは見覚えがありませんがお弟子さんたちですか？」

「ええ、そうなの。參考になればと思って連れて來たんですけど同行させてもいいかしら」

ここは魔たちの流の場。

弟子に刺激を與える為に連れてくる者もなくないようでルインたちはそれを利用して潛しようと試みる。

「勿論ですよ。ただ検査だけはさせていただきます。最近、何かと騒ですから」

この地區にる時も同じように検査をされるようだが、ここで再びそれをするという事はそれだけこの建が重要らしい。

しかし、これはルインたちにとって張の一瞬である。

フラガラッハのようなあからさまな危険は持っていないが、問題はルイン。魔しかれない場所に男がいては危険を持っていなくともその場で確保されてしまう。

そこでルインは數ある能力の中で自の細胞を作り変えるというものを使い、別を変えた。

「終了です。お手數おかけしました」

門番は一通り確認すると敬禮して建にる事は出來た。

「ほんと、あんたって便利よね。まさか別も変えられるなんてさ」

「見た目だけで本質は変わらんさ。それに戻るには時間がかかるし、便利とは言えんなこの能力は」

元は男なだけに々と使うのに気が引けるから急時以外は使わないようにしている方法だ。

前もこうして別を変えた時があったが元に戻るのに一苦労した。またこれを使う事になるとは思わなかったが致し方ない。

「それにしてもここは厳重ですね。それに最近、騒と言っていましたね」

「貴方たちが気にすることではありませんよ。それよりもここから先は會話も気をつけてください。何処で誰が監視しているわかりませんので」

その注意をけ、一行はアズリエが捕らえられている所へと足を進めた。

「ここは薔薇の魔、クロアムさんの部屋のようですね」

「わざわざ個室が用意されているのか」

「全員ではありません。このカヴンの開催者であり、現在いる魔の中で最も力があるとされている者たちだけですよ」

「何を他人事みたいに言ってる。お前もその一員だろうが」

とロニは橫から口を挾む。

「ええ、でも私がしたのは大した事じゃないし、それにもう退したから」

「つまり相手は元仲間になるという訳だな。それでも俺たちに協力するのか」

魔であれ、これ程大きな場を設けたとなると相當な権力を有しているだろう。

歯向かえばこの世界とは無縁の俺たちでは今後の保証はできない。最悪、裏切り者として処分される事だってあり得る。

「私の事を考えてくださるなんてお優しいんですね。でも大丈夫ですよ。魔は自分の気持ちに素直でなくては」

そう言って笑う彼の目を見るが、ルインでも何を考えているのか分からなかった。

ただ単純にロニからの要請をけて協力してくれているのか、それとも別の目的があるのかは定かではないが立ち止まっている暇はない。

アズリエを助けるべく、その扉を開けた。