《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第57話

會議室から出て再び東側の城門の最上階まで上がってきた大地は対吸収霧の兵の試作を行っていた。

ある程度の時間を使い対吸収霧の兵を完させた大地が後ろを振り向くと、いつの間にかルルがこちらの作業を興味津々に眺めていた。

「おっ! ルルか・・お前なぁ來ているなら聲ぐらいかけろよ!」

真後ろにいたルルに驚いた大地はしムッとした顔を向ける。

「あっすみません。邪魔しちゃ悪いかなって・・・」

「それでどうした? 何かあったのか?」

「いやそういう訳ではないんですが・・・・」

「じゃあ何だ?」

急にモジモジとし始めるルルに怪訝そうな表を浮かべる大地。

つかの間の靜寂が二人の周りの空間を包んでいく。

「いや・・その・・大地さんの顔が見たくて・・」

ん?何このじ???

目の前で甘酸っぱい青春語でしか言われないような言葉を浴びた大地は一瞬思考がフリーズする。

日本にいる間、ケモミミAI作することに命を懸けていた大地にはもちろん彼等出來た試しはない。

それどころかからの好意にも気付けない程の鈍男である。

しかしそんな鈍男でも目の前で頬を染めながら甘酸っぱいセリフを吐く貓耳娘の発言に々と気付いてしまった。

もちろん何も思わない相手から同じセリフを言われたところで完全にスルーしているだろう。

そう考えると大地は自分自で気付かないうちにルルに好意を寄せていたのであろう。

これから戦爭が始まるとは思えない甘ったるい雰囲気に包まれる二人。

しかし実際の経験が皆無に近い大地はその雰囲気をぶっ壊す発言をしてしまう。

「もしかしてお前俺の事が好きなの?」

唐突に大地から問われたルルは完トマトのように顔を真っ赤にさせると、ルルの後ろに白袴を著て、大きな日本刀を攜えた般若が出現する。

大地は自分の失言に気付いておらず、再度致命的な発言を繰り返す。

「え? 違うのか? ルルは俺の事好きなのかなって思ったんだが・・・」

その後も大地はルルの怒る理由が分からず何とかフォローしようと、ルルに何度も聲をかけるが、大地が発言する度にルルの後ろに出現した般若はその大きさを増していく。

それもそのはず。ルルは確かに大地を慕っており、異として好きなのかと問われれば間違いなく好きだと答えるだろう。

しかしルルもお年頃のの子である。

好きな人から告白してもらいたいと思っているし、言われるならこういうシチュエーションでなんて考えたりしている、普通のの子なのだ。

そんな中、大地から不意にかけられた「もしかしてお前俺の事好きなのか?」という発言。

ムードも何もあったもんじゃない発言にルルは大地に怒りどころか殺意まで芽生えていた。

「本當に・・・あなたって人は・・・しでも期待してしまった私が馬鹿でした。そうですよ・・この男はこういう人間なんですよ・・・」

大地のデリカシーのない発言に我慢出來なくなったルルはこれまで聞いたことのない低い聲でぶつぶつと呟き始める。そして・・・

パンッ!!

「大地さんなんて大嫌いだぁ! もういっそのこと一回死んじゃえ!」

ルルは大地の右頬ギリギリに銃弾を放つと、大聲で大地を罵倒した後、全力で城壁を降りて行った。

「何だったんだ・・・・?」

大地はいまだに自分のしでかしたことを理解出來ていないようだった。

その後しの間キョトンとした顔のまま固まっていた大地だったが、後ろから聲がかかったことで我に返る。

「旦那? 追いかけなくて大丈夫か・・・?」

「あぁドグマか・・・何故かわからんが怒らせてしまったみたいでな・・・まぁルルのことだ。時間が経てば元に戻るだろう。」

ルルとのやり取りをたまたま目撃してしまったドグマは完全無欠だと思っていた大地の意外な弱點がまさかの下手だと知り、思わず吹き出しそうになる。

「ククク・・・そうか。ならこっちの話をさせてもらうぜ。この戦爭が終わったらしの間暇をもらっていいか?」

「ミッテにいる鍛冶師か・・・」

「さすが旦那だな。その通りだ。それに鍛冶師の親っさん以外にも世話になった人がいる。ミッテの領地で戦爭があったんだろ? それにあの霧だ。生存している保障はねえが、それでももし生きているなら助けに向かいたくてな。」

ドグマはこれまでの豪快な雰囲気とは違い真剣な眼差しのまま大地を見つめていた。

「そうか・・・じゃあみんなで助けに行くか!」

「大地の旦那も來るのか!?」

「あぁそういえばみんなには言ってなかったか・・・・」

「何を言ってなかったっていうんだ?」

ドグマは大地がみんなにまだ話していないその話の容が気になって仕方ないといった様子を見せる。

我慢出來なくなり大地に早く話すように急かしていくドグマ。

大地はドグマに急かされるままにみんなにいまだ話してなかったことを話し始めた。

「俺はこのトームに新たな國を作る。しかもただの國じゃない。獣人、人間、魔族、小人族から妖族まで全ての種族がお互いを尊重し合える國。そんな國を俺はここに作る。そうなるともちろんミッテの住民も俺の國の民になるだろ? なら助けに行かないとな。」

ドグマは大地の言葉を理解した瞬間、思わず大地に向けて片膝を著いていた。

「おいおいドグマ! お前まで理解出來ない行はやめてくれ!」

ルル同様にドグマまでも不機嫌にさせてしまったのではないかと思った大地は、必死にドグマの機嫌を直してもらおうと聲をかける。

「いや・・・大地の旦那。そうじゃねぇんだ。これは俺なりの忠誠を誓う儀式みたいなもんだ。今後とも頼むぜ旦那。」

「おっおう!ドグマ頼りにしてるぞ。」

どうしてドグマが今片膝をついて忠誠を誓ってきたのかわからず、し困した様子見せる大地。

しかしルルのように不機嫌にさせてしまったのではないと同時に安堵した表も浮かべる

大地は片膝をついたまま忠誠を誓っているドグマに手を差しべる。

ドグマがその手を取ろうと大地に向いた時、暮れかけている夕日と大地が重なり、大地の姿が神々しく輝いているように見えた。

もしかしたら神ってのは実在するのかもしれねぇな・・・

ドグマは大地の手をとりながら、これまで信じていなかった神という存在をしは信じてみようと思った。

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