《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第58話

西トーム連合軍と東トーム連合軍の戦爭から一夜明けた頃。

ボレアス領地へと進軍していた帝國軍の視界にペンタゴンが現れた。

「なんだあれは・・・」

思わず聲あげたのはバセルダ。

ボレアスへと向かう途中に見つけた、見たこともない大きな建造を見つけたバセルダは直観的にそこに大地達がいると確信していた。

バセルダはゼルターに進路の変更を促す。

「ゼルターあのでかい建わかるか?」

「見えているがそれがどうした?」

「アーヴの話によると、大地って奴は建まで一瞬で建てちまうほどのやつなんだろ? 偵の話ではあんなところにあれほどの建があったなんて報告はねぇ。あそこに間違いなくいるぜ。」

ゼルターも怪しいとじていたらしく、バセルダの意見を取りれ、部下に進路を謎の巨大建造に変更するように指示を出す。

帝國兵はその後ゼルターの指示に従い進軍したのだが・・・

「おいおいまだ著かねぇのかよ・・・」

「大きさ的にあまり遠くないと思ったのですがね・・・」

見える建造の大きさからある程度の距離を推測していた二人であったが、その目測は大きく外れており、デュセオ領地にるところまで來ていた。

「こんだけでかい建なんて帝國にもねぇぞ。」

「相手はかなりの力を持つ相手だということがよくわかりました。」

これまで見た事のない大きさの建を簡単に作ってしまう相手。

バセルダとゼルターは改めてアーヴが逃げかえる羽目になった相手の強大さを実していた。

その後も彼らは休むことなく進軍し、正午を回った頃、ようやくその巨大な建の全容が見えてきた。

そびえる城壁はこれまで見たことのない高さまで積み上げられており、に照らされたディシント鋼が神々しくを帯びていた。

バセルダ達がその巨大な建造を見つめていると、一人の男が急に目の前に現れる。

「思った以上に早かったな。夕方ぐらいになると思っていたのに。さすが帝國兵といったところか。」

気配をじさせることなく二人の目の前に急に現れた男は、帝國兵十萬の前であるにも関わらず飄々とした態度で話しかけてくる。

「お前は誰だ?」

「俺か? 俺の名前は石田大地。どうせ名前ぐらいは聞いているだろ?」

男が大地と名乗るとバセルダの顔が愉悅に満ちた顔に変わっていく。

「お前が大地かぁ! 會いたかったぜ。お前と殺り合いたいと思ってたんだ!」

自分が戦いたくて仕方なかった相手の登場に若干興狀態になるバセルダ。

今にも飛び出しそうな気持ちを必死に抑えている様が見てとれる。

「まぁ待て。それよりお前達にとって耳よりな報を持って來たんだ。」

「あぁ!? ったく・・・こっちは早く殺り合いたくてうずうずしてんのによ。それでその報とやらは何だ?」

バセルダはお預けをくらった犬の様に荒々しく呼吸を繰り返しながら、大地にその報とやらを聞く。

「あぁその報ってのは・・・このまま帰ったらお前ら死ぬこと無く祖國に帰れるぞって話だ。」

「あぁ!? てめぇ何言ってんだ!?」

「帝國を侮辱する言葉、余程の死にたがりと見けましたが?」

大地の言葉にバセルダだけでなく、祖國を侮辱されたとしてゼルターまでもが額に青筋を浮かべる。

「まぁとりあえず忠告はしといたぞ・・・」

大地が二人の様子には目もくれずその場から消えようとした時、後方の馬車から大地を呼び止める聲が聞こえた。

「そこにいるのは大地か?」

自分の名を呼ばれたことにきが止まる大地。

大地に聲をかけた人は馬車から出て來てその姿を現した。

「久しぶりだな大地・・・」

「俺はお前みたいな奴と知り合いになった覚えはないのだが・・・」

「そうか。この姿じゃそれも仕方があるまいな。アーヴ・・・宮廷魔法師第二位のアーヴと言えばわかってもらえるかな?」

「お前死んでいなかったのか? しぶとさがゴキブリ並みじゃねぇか・・・」

魔族の姿のアーヴを見ても淡々と返事をする大地であったが、心では魔族姿のアーヴの持つ能力値に驚いていた。

名前 アーヴ

種族 魔族

年齢 895歳

能力値

腕力S 力A 敏捷A 魔力S

強化能力値

腕力SS 力S 敏捷S 魔力SS

「闇魔法」「闇霊魔法」「寄生魔法」

「吸収魔法」「魔獣召還」

こりゃ俺が相手するしかなさそうだな・・・

もし俺が相手出來なかったとしても、せめて犬斗とメリアの二人がかりじゃないと厳しいな・・・

予想以上に高い能力値を見た大地はやっかいそうな顔でアーヴを見つめる。

どうやらアーヴは昨日の吸収霧により大幅に強化されてしまっているらしい。

「どうだ?私の力は?」

「まぁ今犬斗と勝負すれば勝てるかもな。」

誇らしげな顔で大地に聞いてくるアーヴに対して軽くあしらうような対応を見せる大地。

「お前なら負けないということか・・・・?」

「まぁ能力値はかなり高いし、苦戦するかもだけど負けることはないだろうな。」

「そうか。ではお前の前で獣人どもを八つ裂きにして、その考えを改めさせてやろう。」

アーヴは大地が自分の姿を目の前にしても飄々とした態度を崩さないことに、し苛立ちを覚えていた。

その苛立ちからアーヴは大地を神を揺さぶってやろうとしていた。

その言葉はアーヴが思っていた以上に大地に大きな心境の変化を與える。

「俺がいる限りそんな事させるわけないだろ。」

これまでの飄々とした態度は消え、額に太い青筋を浮かべながらドスの聞いた聲を響かせる大地。

大地の周囲には濃な殺気が漂っていた。

「これだよ! 俺が求めていたのはこれだ!」

バセルダが大地の発した殺気に反応して両手に著けた籠手型の武を突き出しながら大地に飛びかかる。

しかしバセルダの攻撃が屆こうとした時、大地はその姿を炎のように消した。

「ちっ。やっと楽しめると思ったんだがな・・・」

『俺と戦いたければまずは目の前のペンタゴンを攻略してみな。』

大地が姿を消した後、三人の頭に挑発的な大地の聲が聞こえた。

「上等だこらぁ! すぐにでもこんな城ぶっ壊してやらぁ!」

バセルダは空に向かって吠えると、単で目の前にそびえるペンタゴンに向かっていこうとするが、バセルダを制止するようにアーヴが言葉を発した。

「まぁ待て。まずはお手並み拝見といこうじゃないか。」

アーヴは不気味な笑みを浮かべると、ペンタゴンに向けて吸収霧を発生させた。

吸収霧は急速にその積を増やしていくと、瞬く間にペンタゴンを軽く包める大きさになる。

大きな雲のようになった吸収霧はそのままペンタゴンを飲み込もうと進んでいく。

『ちょっと大地さん早くどうにかしてくださいよ!』

西北の城壁の守りについている犬斗は焦った様子で念話を大地に飛ばしてくる。

犬斗以外にフィアやゼーレも心配になった様子を見せながら犬斗と同じような念話を飛ばしてきていた。

大地は三人からの念話にうっとうしそうに軽く返事をすると、ペンタゴンの前方三か所に城壁と長方形型の機械の様なものを出現させた。

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