《創造神で破壊神な俺がケモミミを救う》第62話
ペンタゴンの正門にあたる西側の城門ではガラン、マヒア、ケンプフ、フィアがナーシェンを含めた室長達と一対一での戦闘を行っていた。
そんな中、戦場に似つかわしくない可らしい雄びを挙げながら豬突猛進している人が一人・・・・
「無駄無駄無駄無駄だよぉ!」
「お前は一何者なんだよ!?」
周囲に九つの小盾を旋回させながら、自の長ほどある戦槌を振り回すフィア。
生兵開発局第三室長のパレスは地上と空中から、つららの様な鋭い氷の塊を出現させ、フィアに放っていくが全て周囲を旋回する小盾に防がれてしまう。
フィアはその勢いを落とすことなくパレスの元へと辿りつくと、勢いを乗せたまま戦槌を振るった。
ドゴーン!
パレスがバックステップにより辛うじて避けたことで、振るわれた戦槌は地面を捉えた。
戦槌が地面にぶつかると同時に大きな地響きが周囲に響く。
「一どうなってんだ・・・」
フィアの打撃により地面には隕石でも落ちたかのような窪みが出來ていた。
その中心でにこやかな表を見せるフィアに驚愕した表を向けるパレス。
フィア専用小盾型防「九尾きゅうび」&フィア専用戦槌型武「天狐てんこ」
九尾は戦的な理解が乏しく敵に対して突き進むことしか出來ないフィアを心配した大地が作した盾型の防である。
九尾にはペンタゴンのヘキサゴンと基本的に同じプログラミングがされている。
九つの盾がフィアの周囲を旋回しながらレーダーの役目を持つ結界魔法を周囲に展開させることで、結界にれた魔法を知した小盾が自でフィアを守る仕組みになっている。
唯一ヘキサゴンと違うのは盾に組み込まれているのがセキュリティではなく、魔力吸収という點である。
一定の魔法を盾が吸収すると、盾のが金へと変わってくる。
金へと変わったタイミングでフィアが魔法を発すると、盾に溜めこんだ魔力がフィアの放った魔法に変換されるようになっており、魔法の威力を最大で十倍にすることが可能になっている。
また小盾といえどもドグマの熊樫同様にディシント鋼を何層にも張りめぐらせている為、理攻撃への耐久も非常に高いものとなっている。
九尾と共に作られたもう一つの専用裝備である天狐は両端に四つの噴気孔を備えた戦槌型の武である。
フィアのきに合わせてその噴気孔から空気を噴することで、大きな戦槌でありながら素早い攻撃を可能としている。
戦槌の下部分にも二つ噴気孔をつけており、常時フィアのきに合わせて空気を噴している為、大きさほどの重さじさせず、きを阻害しないような配慮もしてある。
あんなもん喰らっちまったら即お陀仏だぞ・・・
ていうかリストにあった人以外は大したことなかったんじゃなかったのかよ・・・
パレスは止まらない冷や汗を腕で拭いながら、格に似合わない大きな戦槌を自由自在に振り回すフィアの姿を見ていた。
パレスが室長を務める第三室は主に水魔法の研究をテーマとして行っている。
その室長であるパレスは水魔法から派生させた氷結魔法の使い手であった。
水魔法本來の汎用に加え、強力な攻撃力を併せ持った氷結魔法を使うパレスは宮廷魔法師には敵わないまでも、帝國でも上位の実力者である。
しかしそんなパレスの氷結魔法をフィアの九尾はものともせず防いでいた。
フィアのひたすら近づき戦槌を繰り出すという稚拙な戦法のおで、今のところはダメージがないパレスであったが、戦槌による打撃の威力は非常に重たく、一撃でも喰らえば致命傷は間違いない。
パレスは何とかフィアから距離を取り、天狐による一撃を避けながら、様々な角度や方法で氷結魔法を放っていくが、いまだ九尾の攻略の糸口を摑めていなかった。
「むぅ。ちょろちょろすばしっこい奴ですね!」
「一撃さえもらわなければ負けることはない!」
パレスはフィアの進路先に氷柱を作りフィアのきを封じながら、安全圏である遠距離からの攻撃を繰り返していく。
しかしどうやってもフィアの九尾の防網を破ることが出來ない。
そのまましばらくフィアが追い、パレスが距離をとるといった構図のまま戦闘が続いていく。
近づいて攻撃出來ないフィアに、攻撃しても全て防がれるパレス。
お互いに決めてのない狀態に苛立つ二人。
するとフィアが何かに閃いたように九尾の裏側の上に乗り出した。
「ムフフフ・・・良い方法を思いつきました。」
九尾に乗ったフィアはを張って得意気な顔を見せる。
パレスはフィアの行の意味がよくわからず警戒態勢のままフィアの行を観察する。
「よーし! これで上手くいけば私もゼーレのように空を飛ぶことが出來るよぉ!」
フィアは乗っている九尾のみを遠隔作によるマニュアル作に切り替えた。
するとフィアの乗っていた九尾が徐々に浮かび上がってくる。
「やったぁ! 功だぁ!」
サーフィンボードの様に九尾に乗りながら、マニュアル作の功にはしゃぎだすフィア。
「くそが・・・空まで飛ぶだと・・・?」
パレスは上空ではしゃぐフィアの様子を見て、これまで使っていた足止めの方法が使えないことに焦りだす。
焦ったパレスは不安定な飛行を見せるフィアが飛行になれる前に仕留めてやろうと、大きな三角錐の巨大な氷塊を頭上に出現させると、フィア目掛けてそれを発した。
「おっとっとっと・・・」
九尾の上で姿勢を整えたフィアは自分に向かってくる巨大な氷塊を迎え撃つべく、九尾の上でぐるぐるとハンマー投げの選手のように回転していく。
天狐の噴口から勢いよく空気が噴され、回転數が段々と増していく。
そして向かってきた氷塊を殘りの九尾がけ止めた瞬間、回転數はそのままに氷塊目掛けて天狐をぶつけた。
天狐の一撃により々に砕かれる氷塊。
砕かれ小さくなった氷塊は天狐の衝撃により小隕石のようにパレスのいる地上に降り注いだ。
「あれを砕くだと!? なんであんな怪がリストに載っていないんだよ!」
パレスはアーヴのリストに文句を垂れながら、死に狂いで降り注ぐ氷塊を避けていく。
やっとの思いで避け、ダメージを回避したパレスであったが、この後更なる脅威がパレスを襲うことになる。
「今度は何だよ・・・・・」
目の前で金にるフィアの姿を見て絶句するパレス。
正しくはフィアがっているのではなく、周囲の九尾がっているわけなのだが、パレスにはフィアそのものが金にっているように見えていた。
「これが大地君が言ってた、一撃必殺モードだね!」
金にながら屈託のない笑顔を見せるフィア。
「一撃必殺ってなんだよ・・・」
目の前で笑顔を見せる金の妖狐。
パレスの背筋には氷結魔法より冷たいものが走っていた。
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