《普通を極めた私がに転生ってそれなんて生き地獄!?》あひあらたはまさま
「よ、よし……やってやるぞ……ええいこなくそ………こうなりゃヤケだぜ………ふへへへっ!」
我が家の庭のど真ん中で、どれほど我がしき母上と兄様にアツアツの視線を送られようと私は挫けない。
特に兄様の視線が熱すぎて私溶けちゃうんじゃないか。よだれたれてますよー兄様ぁ。これも、普通の異世界人としての大事な一歩だと肯定的に捉えて、いざ立ち向かうのは同じ魔法陣。
「リリィ、最初は數こなすしかないんだよぉーっ!頑張れっ、ふぁいとーっ!!」
失敗すると半徑5メートルのエリアに災害レベルの大量の水が上空から降ってくるのでママさんと兄様はかなり遠いところから見守ってます。風邪引くもんね。
「ママ………りりぃ、かれいにちってくるっ!!」
「え、散っちゃダm────」
──バガァァァァァアンッ!!
フラグ回収とはいつの時代も儚きものよな。
◇
「へっくしっ!」
「おかしいわねぇ……これで5回目かしら」
「ろっかいめだよぉーっ」
まずこれは先に言っておこうと思うんだけれど、流石に2歳で魔法を使うと言う行為が普通じゃないと言う自覚はありました。これは斷腸の思いですが認めざるを得ないのです。だけれどね、このナット普通は私の謀略のうちなんですよ?若干の異常はこの際、最終的な終著點における普通の礎になれば最早ドウデモいい。
だけど、ママさんに魔法の練習してる事がモロバレしたのに凄いの一言だけで済んだあたり意外とありがちな事なのかもしれない。
異世界における2歳は意外と博識なのかもしれない!
と言う事で開き直ってママさんに手伝って貰いながら何回か再挑戦したんですけど、やっぱり大洪水になっちゃってもう既に庭が池になっちゃいました。
一番ショックなのは、アルスお兄様が私に化されて一緒に魔法の練習をし始めたら、2回目でコツを摑んでさっきから水の球で遊んでる事。
ぐぅううっ羨ましいっ!!
ここまで失敗続きだとなんだか気も落ちてしまう。心がに引っ張られてしまってすぐに泣きそうになってしまうので、あまりネガティブにはなりたくないのだけれど。
「まま、私にはできないの?」
「そんな事ないよっ!魔力の放出量の加減がまだ出來てないのよ?うーん、何か方法があれば………一回でもコツを摑めばイチコロなんだけれど」
魔力が多いから、控えめにだしても門用のこの魔法陣との釣り合いが出來ていないというのが事の顛末らしい………これだから普通じゃないのは嫌なんですよ!!
制、制かぁ……とりあえず魔力が溢れているのが問題なんだから、とりあえず堰き止めればいいのかなぁと思って頭の中でダムのようなで魔力をガッチリと堰き止めてみたんですよね?
でも、ダムって放みたいなところからダバァアアって放出してなかったっけ?って思った瞬間、一部分から魔力がどばぁあって流れ込んじゃいまして、また失敗しました。
次は確か、水道をイメージたんだけれどなんかついついイメージが行き過ぎちゃって水道管が発しちゃいましたね。
私、イメージが下手くそだわ。
「んーっ……わかんないよぉ」
どうしたらうまいこと量の魔力を魔法陣に流し込むことが出來るかなぁ、とママさんと二人で思考を巡らせていると軒先の方から聞き覚えのある聲が響いてきた。
『アリシアーっ!庭にいるのーっ?』
「あら、エミリー?……そうよーっ!おいでーっ!」
エミリーさんが、ルティスを連れてきた。でも、今日は家事お休みの日だからルティスと一緒にゆっくり家で過ごしていたはずなのに、どうしたんだろ。
「なんか、ルティスがごねちゃって」
すると、あーだあーだとルティがエミリーさんの腕の中で暴れるので比較的大人しいルティにしては珍しい事もあるもんだなぁっと、しれーっと後ろの方で我関せずに徹してたら………
「りりぃーっ!!」
「へっ?──むぐぅっ!?」
視界がブラックアウトしました。ふにふにとした赤子特有のに顔面が包まれるのはいいのだけれど息ができない。
「んぅーーっ!!んぅーーっ!?──ぷはぁっ!……はぁっ、はぁっ…はぁっ…し、しぬ………」
というか母親勢よ、なぜ助けんのだ!と怒ろうと思ってそっちを向いたら二人して抱き合いながら悶え合っていたのでもうやめました。もう、やだこの人達………
「さびしかったの?」
こくん、と頷くルティスになんだかんだ言って私も嬉しかったのでとりあえず抱きしめ返しておきました。どうも、この子は私と一緒に居たかったみたいですなぁ。前の休みの日はそんな事なったのにどういう心境の変化なのだろう?長したの?
「でも、まほうのれんしゅーしたいからあそべないよ?」
「みう」
「みるの?」
「みうっ!!」
そこまで言うのなら、仕方あるまい。しかとみておれよルティス、私は魔法使いになったのだよ。
「てやぁあっ!!」
あ、やばいルティス避難させるの忘れt──ザバァァァァァアンっ!!!
「………水の量、多すぎない?」
「そうなの、凄いでしょ我が娘」
「そんな呑気な………」
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