《神様との賭けに勝ったので異世界で無雙したいと思います。》第43話 回答
「………?」
ファフニールが首を傾げる。
後ろの皆も同様だ。
意味は分かるが意図が分からないようだった。
「可能ならでいいんですけど」
そう言って僕は催促するようにファフニールを見る。
これが駄目なら今後の展開を考え直す必要があるけど……どうだろう。
「……構わないが」
意図を理解しないままファフニールはけれた。
分からないことに対して深く考えない格のようだ。
僕たちを格下に見てるという油斷もあったんだろう。
なんにせよここまで來たらもう問題はない。
僕は続けて質問する。
「質問です。それはドラゴンの鱗ですか?」
ぴくりっ、とファフニールが表をかした。
僕を理解できないことへの苛立ちのようなものをじる。
「……なんだ、何を考えている?」
僕は答えない。
ファフニールは「ふん!」と、鼻を鳴らして答える。
「確かにお前たちに破壊できるほど脆くはない、だが私には容易いことだ」
「ってみてもいいですか?」
「ああ、構わんぞ」
ファフニールさんが巨木のような腕を目の前に出してきた。
ずしん! と地面が揺れくと僕はその腕にある一枚の鱗にれた。
「終わりか?」
「はい、ありがとうございます」
「そうか、賢明だ。もしもそのまま私の鱗をかすめ取ろうとしていればその瞬間にお前は塊になっていただろう」
そして、ファフニールが「では」と、続けた。
最後の質問は何だ? と。
僕はその権利を―――
「質問はもういいです。答えてもいいですか?」
放棄した。
「さ、佐山さん!?」
後ろから皆の揺が伝わってくる。
僕は大丈夫だと皆に視線を送った。
「ほう? まさか今の質問だけで私の問いの答えが分かったと? そう言うのか?」
頷く。
ファフニールがギロリと睨んでくる。
ならば答えて見せろと。
僕は答えた。
「あなたの命……とか、どうですかね?」
「―――――――」
ファフニールはしばらく固まる。
固まったまま何も言わない。
そして、一連のやり取りの意図に気付いたようでこちらを睨んできた。
「貴様……」
ファフニールは忌々しそうに顔を歪めた。
そして、最後に舌打ちをしてきた。
ここからはファフニール次第だ。
どうなっても不思議はないけど……さて、どうだろうか。
「……正解だ」
ふう~と、僕は大きく息を吐いた。
張した。
あとはここから何もなければいいけど……
「すごいです佐山先輩! なんで分かったんですか?」
「た、確かにあのドラゴンさん強そうですもんね」
栗田さんと秋山さんが喜び駆け寄ってくる。
姫木さんの表もらかい。
「いやいや、そうじゃなくてさ。確かめられないんだよ」
ん? とよく分かってないような二人。
姫木さんだけは「なるほど、そういうことですか」と、納得していた。
「あのドラゴンの命が何があっても破壊することが出來ないとして……どうやって確かめるの?」
「……ああ!」
二人が同時に聲をあげる。
分かったらしい。
あのドラゴンがそれを否定しようとしても否定できない。
なぜなら確かめることができないから。
破壊したら死んじゃうしね。
「なるほど……あれ? でもそれなら」
秋山さんの言葉を遮るように、ズン! とファフニールが立ち上がった。
丸まってた時から大きいことは分かってたけど、立ち上がるとさらに大きいな。
「よくぞ我が問いに答えた。人族の者よ」
「ありがとうございます、これで頂けるんですよね?」
ああ……と、ファフニールが深く頷いた。
そして―――
「秋山さんッ! 強化!!」
「え!?」
「僕に! 早くッ!」
秋山さんが訳も分からず魔法を使う。
姫木さんだけは気付いたようだ……けど、そっちはたぶん間に合わない。
その巨に見合った質量のファフニールの尾が僕へと叩きつけられた。
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