三つ目の部屋にると、奧には次の部屋に続く通路が見當たらなかった。

「ここが最後の部屋っぽいね」

『そうだね。ってか、広すぎじゃないかしら？』

「それに、どこを見渡しても敵が見當たらないんだよね」

その部屋には魔の姿が見えなかった。あるのは、ちっちゃい石一つ。

「まぁ、中にらないことには始まらないよね」

中にるとそこに落ちていた石が宙に浮いた。

「もしかして、あれが魔？　確かに、あんなに小さいものがすごい速さで來たら、避けることしかできなさそうだな」

『そうね。私には天敵かしらね』

しかし、それは杞憂に終わる。その石がいきなり輝き始めた。

「うっ！？　まぶしっ！？」

カレンが顔を手で覆う。

その石は空気中に漂っている魔力を吸収し始めた。そして、ダイヤモンドのような形に結晶化した。

「今回はあれが相手か」

『手強そうね。それに、私が使ってたライトが消えたわ。それに、もうつかなくなっちゃった』

ヒューは外の魔力を使ってライトの魔法を使っていた。

「まさか。もうこの空間に魔力が溢れてないってことか。しかも、私たちが魔法を使ったらそれも吸収されちゃうのか」

『私、何も出來なくない？』

「大丈夫だよ。今はを元の大きさに戻して良いよ」

ヒューは元のの大きさに戻した。

「それなら、尾やら爪やらで戦えるでしょ」

『たしかに、今までブレスしか打ってなかったから、忘れてたわ』

そして、魔力の結晶「クリスター」は、変形し始めた。まずが丸くなったと思ったら大きくなりドラゴンの姿、ヒューと瓜二つの姿に変形した。

「あれを攻撃するのはキツイな」

『なら、私が戦うわ』

大切なヒューを傷つけるのはカレンには忍びない。

そして、ヒューとクリスタードラゴン形態の戦いが始まった。相手は空気中から魔力を吸収しほぼ無限に魔法を放つことが出來る。しかし、ヒューはに今現在存在する魔力しか使えない。

『きっと、今回で何かが変わるはず。それが何かとは、はっきりとは分からないけど、それを超えた時私の中で何かが変わる。そんな気がする』

クリスターは大きな足で地面を蹴り、走ってきた。それをを回転させ尾を鞭のようにしならせて撃退する。

『うぉぉぉぉぉりぁぁぉぉぁあ！！』

尾はクリスターに直撃した。しかし、クリスターは尾が當たる部位だけをらかくし、勢いを殺した。

「噓！？　あんなのにどうやって勝てって言うんだよ！？」

カレンはその防方法を見て悪態をついていた。

『っ！？　それは無理！？』

ヒューは飛んで一旦距離をとった。

ヒューは一旦、クリスターの攻撃を避けることに専念し始めた。

爪で引っ掻いてくるのを避け、尾の攻撃を避け、突進を避け、プレスを避ける。何か、弱點を見つける為に。何か、攻撃を與える瞬間を見つける為に。

『右から引っ掻き、右から尾。分かってきた？　違う。何か無意識で分かってるんだ！？』

ヒューは攻撃が來るし前に、クリスターがなんの攻撃を左右上下どこから攻撃するかをなんとなく分かる様になっていた。

『次は何が來る！？　ブレスか！？　ここか！！？？』

ヒューは攻撃の糸口を見つけた。プレスを放つ時、クリスターは溜めを行なっている。それの一瞬の隙を突いた。

ヒューは強化された腳で地面を強く蹴り、ヒューとクリスターの空いていた五十メートルほどの距離を一瞬でめた。

『しゃらぁぁぁぁぁあ！！』

ヒューが今まで聞いたことのない掛け聲で突進した。

クリスターは聲にならないび聲を上げている。

『もう、君の攻撃は私には當たらないわ。見ていなさい。これが私とあなたの差よ！』

これからどうするかめっちゃ迷ってる。