「なんやあんさの仲間はん、回復呪使えるんか？なら先にそこのきみを倒させてもらいますわ」

「そんなことをさせると思うか？」

カヤトは片手で刀の黑刀を構える。

その手にはが滲んでいた。

「まぁ〜そうおっしゃりますよな〜ただ」

一瞬にして目の前から消えた！？

「どこだ！？いやまて！西城逃げろ！！」

カヤトが振り向きざまに西城にび、注意を促したがすでに遅かった。

黒髪和服はすでに西城の背後に回り込み斬りかかろうとしていた。

「遅いどすな〜」

その瞬間のカヤトの見ている世界はまるで、時がゆっくり流れているかと錯覚するほどに遅く流れていた。

「……カヤト……逃げ……」

西城が背中からは大量の出をしながら倒れ込む。

カヤトに手をばし、何かを言おうとしたようだがその聲がカヤトに屆くことは無かった。なぜなら黒髪が西城のを刺し貫きトドメをさしたからだ。

「西城さん！？……うぁ」

倒れふした西城に近づこうとしたサキもまた同様にを刺し貫かれた。

バタ……

刺し貫かれたサキのからは大量のが流れていた。

「たいしたことないでありんすね？やはり、坊やが一番この中では強かったみたいどすね？」

「……」

刺し貫かれたサキを見ながら俺は唖然としていた。

そして、どこからともなく心のなかのもう一人の自分が話しかけてくる。

『また、助けられないのか？』

「俺にを預けろよ」

『助けられないのか……』

「なあ、このままだとサキも西城も死んじまうぜカヤト〜？」

『わかってる……そんなのわかってる』

「なんでありんすか？その黒い霧は！？」

黒髪は危険をじ後ろに飛び退く。

もう一人の俺が囁く。

「俺にを任せろよ、カヤト。そうすれば解決してやるぜ俺が」

『救えるのか？』

「救えるとも」

『そうか……頼む』

「そうこなくちゃな！！」

心のなかのもう一人の俺におれは屈してしまった……

その瞬間、カヤトのから赤黒い煙が吹き荒れる。

「なんでありんすかこれは、とにかくヤバそうでありんす。散鉄剣一式！！」

黒髪が懐からショットガンのようなものを取り出し、カヤト向けて撃ち放つ。

ドカン！

とてつもない音とともにカヤトに向かって散弾が放たれる。その散弾は青い不気味なを放っていた。

『どうでありんしょ？殺れましたかね〜』

土煙が落ち著くとそこには無傷の狀態のカヤトが立っていた。ただし、その目はどこか人のものではない雰囲気を漂わせていた。

『生きていましたか、あんさんもしぶといどすな〜』

「……」

カヤトが刀を無言で橫薙ぎに振るう。

『何処を切ってるでありんすか？ショックのあまり心神喪失をしたんどすかね〜？ガァハ！』

黒髪の著に傷がつく。

『いったいなにをしたんどすか？あんさん』