《ファルダーミール -明日の世界-》第46話 魔法かしら……

カヤトとネムたちは現在、エレベータに乗り込み上の階へと向かっていた。

「ネム、お前はこの後どうするんだ?」

ダンジョンをクリアしてしまった以上、ネムが俺についてくる意味はもうないため気になって聞いた。

そうすると、ネムは肩ひじをつきながら小首を傾げる。

「そうですねぇ~、カヤトさんと一緒にダンジョンを進んだおかげで私もしいものが手にりましたし。うん~、いったん家に帰りますかね」

俺の気づかないうちにネムは自分のしいを手にれていたようである。

チャッカリしてやがる。見た目は可らしい貓耳だが、こいつも一応は魔師ということか。

「そうか、殘念だ」

「そうですかニャ?お世辭でもうれしいですニャン。それに、カヤトさんとはまたどこかで會いそうなので、大丈夫だと思いますよ」

ネムが笑いながらそんなことを言ってくる。

確かに俺もネムとはまたどこかで會いそうだと思う。

「ところでカヤトさん、私たちは今どこに向かっているんですか?」

「俺の仲間を助けてくれた醫者的な奴のいるところだよ」

あいつが醫者なのかは不明だが、人を治療できるということはそれなりの醫學知識は持ち合わせているのだろう。

個人的には、研究者といったほうがシックリくるがな。

「醫者的な人がいるところですかニャ?」

「そうだ、しかも、醫だ」

カヤトがそういうとネムはカヤトから一歩下がり距離を空ける。

「おい、どうして一歩さがったんだネム?事実だからなさっきの話は」

ネムは半目になる。

「怪しいですニャ」

「そんな目をするなよ、事実を言っているだけだおれは」

さらに一歩下がり、カヤトから距離を取るネム。

「本當かニャ~?怪しいニャン、近づかないでほしいニャン!!」

ネムに一歩近づくカヤト。一歩下がるネム。

ドン!

ネムがエレベータの端の壁に當たる音。

「違うんだって!!」

「にゃ!?近づかないでほしいニャン!!キャ!誰か助けてニャン!!襲われるニャン!?」

「いや、襲わないから!!」

「噓だニャン!!その手つきなんかいやらしいにゃん」

カヤトはネムを落ち著かせようとして、ネムの肩を摑んでいた。割と強めに。

「違うんだって、これはお前が抵抗するから仕方なく」

そういって、ネムの肩から手を放すカヤト。

「……」

ネム、無言でカヤトを睨みつける。

これはダメだな......とりあえずはこのまま放置しておくか。どちらにせよ、著けばわかる話だ。

カヤトはその後、目的の階につくまで居心地の悪い時間を過ごしたという。

 ネムはカヤトのことを見つめていた。心では、ほくそ笑み面白がっていた。

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