《無能な俺がこんな主人公みたいなことあるわけがない。》三章 11 『一世一代の決意?』

「フフッ。そんなに怖がらなくても大丈夫だよ?痛いことはしないんだから。」

この狀況でも余裕なじのニーベル。タクミに近づけた右手でゆっくりとタクミの上著のボタンを慣れた様子でゆっくりと外していく。

「は、ひゃい。」

慣れぬからのボディタッチに直狀態である。

まさかこんな形で初験を迎えるなんて!俺はこの世界で本當の意味で漢になれるんだ!異世界萬歳!

目をつぶっているタクミの脳はお花畑狀態である。この先の妄想が止まらなかった。

ニーベルがそんなタクミの様子にお構いなしとゆっくりと上著をはだけさせていく。

タクミの上半わになった。

「・・・はぅ!」

ニーベルの手が直にタクミのれなぞるようにく。思わず聲を出してしまったタクミ。

とうとうこの時が・・・もう好きにしてくれ!

とタクミが一世一代の決意を固めた時

「・・・あった!これこれ!これが見たかったんだよね!」

なんだかタクミの妄想とは違うニーベルの反応だった。

恐る恐るタクミが目を開くとニーベルの指先にはタクミの魔法回路を整えるためにエドワードによって付けられた刻印があった。

「お願いって・・・?」

「ん?ちょっと君の魔について小耳にはさんだんだよね!それでこのエドワード大魔導士様が作ったっていう刻印をちょっと見せてほしかったんだ!」

無邪気に笑うニーベル。

「・・・あーーー・・・そっか。そういうことね。」

ニーベルの目的を聞いて何とも言えない表を浮かべるタクミ。期待や不安とかいろんなを混ぜた深いため息をついた。

いや勝手に勘違いしたのは俺だけどさ・・・こんなことってねーよ!!

そんなタクミにはお構いないしでニーベルはタクミの元の刻印を観察している。

「ふーん・・・これがタクミの魔法を使うための源になっているんだね。非常に興味深いなー!」

目を子供のようにキラキラさせているニーベル。

「何がそんなに気になるんだ?」

「うん?そりゃあ気になるよ!あっ!そういえばまだ名前しか名乗ってなかったね。私は魔法騎士団の中で魔考古學っていうのを扱っているんだよ!」

「魔考古學?」

タクミの聞きなれない単語だった。

「うん!魔考古學っていうのはね、魔法のり立ちや歴史を調べて更に凄い魔法を作ろうとすることを言うんだよ。これによって例えば敵にかけられた呪なんかも解いちゃうことも出來るようになるんだ!」

「へぇ。それはすごいな。それで俺の刻印を見て何かわかったのか?」

「うーん。こんな刻印は見たことないんだよね。・・・ねえ、確か君は特別な魔法を使えるんだよね?たしか相手の魔を奪うとか。」

「無能のことか?」

「それそれ!それって今使ってみること出來ないかな!?」

ニーベルが子供がおねだりするようにタクミに尋ねてきた。顔も近づいて來る。

「近い!近いよ!わかったからちょっと離れてくれって!見せてやるから!」

ニーベルの圧におされて思わず後ろにのけぞるタクミ。また心臓の鼓が早くなった。

「ホント!?やった!」

とても嬉しそうに喜ぶニーベル。

「ふぅ・・・ならちょっとだけだからな?行くぞ。」

タクミは無能を発させた。元の刻印が中に広がっていく。

「・・・すごい!これが無能。こんなの見たことないよ!」

タクミの無能を目のあたりにしたニーベルが目をキラキラさせている。

「どうだ?これが俺の魔だ。」

無能を解くタクミ。中に広がっていた刻印が元の形に戻っていった。

「タクミ凄いよ!こんな魔使えるなんて!こんな魔私見たことも聞いたこともないよ!もっと良く見せてよ!」

している様子のニーベル。再びタクミに詰め寄る。

「お、おい!そんなに興するなって!ちゃんと見せてやるから!だから落ち著けって!」

向かってくるニーベルの肩を押さえるタクミ。

「あ、ごめんごめん!つい新しい魔法にれると興しちゃって暴走しちゃうんだ!エヘヘ。」

タクミになだめられ我に返ったニーベルが反省してように頭をなでる。

「まったく。子供みたいなやつだなニーベルって。」

「よく言われるよ!ねえタクミは明日時間ある?」

「ん?明日は・・・今のところ特に任務とかは言われてないけど。」

「ホント!?なら明日一日私に付き合ってくれない!?」

「明日一日中?俺は別にいいけど、俺が勝手に決めちゃっていいのかな?」

「うん、大丈夫だよ!クリウス団長には私から言っとくから!今日は時間も遅いし明日々と聞くことにするよ!」

「クリウス団長に!?え?ニーベルってそんなに偉かったりするの?」

「え?偉いかどうかは知らないけど一応魔法騎士団の魔考古學の室長を私がしてるからね!多の融通は聞いてもらえると思うけど?」

ニーベルはあっけらかんとして答えた。

「室長!?それって魔考古學を擔當している中で一番上ってことじゃないのかよ?ホント何者だよ・・」

ニーベルの正に驚くタクミ。

「一応そういうことになるのかな?あんまりそういうのに興味ないからわかんないや!よし!明日も付き合ってもらえるなら今日はこの辺で我慢しとくね!もう遅いからタクミも自分の部屋で寢た方がいいよ?」

「あ、えーと・・そうだな。うん、自分の部屋に帰るとするよ。」

ニーベルの言葉になぜだかがっかりしてしまったタクミ。心の奧底ではまだなにかあるんじゃないかと期待していたようだった。

「うん!それじゃあ明日は私が呼びに行くからね!ちゃんと待っててね!それじゃあタクミ、おやすみなさい!」

「あぁ、オヤスミ。ニーベルまた明日な。」

こうしてニーベルの部屋を後にしたタクミ。なんだか複雑な気持ちで自分の寢室へと帰っていった。

はあ・・・結局なんだったんだ?とりえず明日も約束しちまったけど明日は何されちまうんだろう・・・・・・正直不安だ。

短時間で々考えたせいだろうか疲れがこみ上げてきたタクミは自分のベッドへと再び倒れこんだ。

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