《無能な俺がこんな主人公みたいなことあるわけがない。》三章 12 『の危険』
「おはよう!タクミー!!」
「・・・わっ!なんだ!?」
いきなり元気の良い聲で起こされたタクミ。目を覚まして気づいたらニーベルがタクミに馬乗りになるように乗っていてタクミをゆすっていた。
「ってニーベルか?どうしたんだよ急に!?」
慌てて飛び起きるタクミ。ニーベルは軽にタクミのベッドから飛び降りた。
「えへへ。待ちきれなくって起こしに來ちゃった!さっ、早く支度して!今日は私に付き合うって約束したでしょ!?ちゃんと団長にも許可取ってきたんだから行くよ!」
「え?え?あ、そうだったな。わかったよ。今用意するからちょっと待ってくれよ。」
「外で待ってるから早くしてね!」
そう言い殘しニーベルはタクミの部屋から出ていった。あまりニーベルを待たせてもまた部屋に催促に來そうな勢いだったので急いで支度を整えた。
部屋の外に出るとニーベルがそこにいた。
「遅いよー!さっ、出かけるよ!」
「いや遅いってまだ全然・・・ってちょっと待ってって!」
ニーベルはスタスタと外に向かって歩き出した。
「どんだけせっかちなんだよ!?まったく・・・」
ブツブツ言いながらもニーベルの後ろを追いかける。
「なぁ、今日はどこに行くんだよ?」
魔法騎士団の本部から出たあたりでニーベルに尋ねるタクミ。
「ん?今日はそのタクミの刻印について調べるために私の師匠とも呼べる人の所に行くんだよ!」
「ニーベルの師匠?ってことは魔法考古學の?」
「そうだよ!私に魔法考古學の基礎から教えてくれた人なんだ。元々は私の前の室長だったんだけど今はもう退団しちゃってし町はずれの森の中で研究に沒頭してるの!前にタクミの事話したらすっごい興味持ってたからね。一緒に見てもらおうって思ったの。」
「へぇー。そんな人がいるんだな。」
タクミ達はアーバンカルの外へと出た。
「ねぇ、タクミ。タクミは飛行系の魔法も使えるんでしょ?」
「まあ、使えるけど?」
「なら私が道案するから飛んで連れて行ってよ!ねっ?いいでしょ?」
目をキラキラさせているニーベル。どうやら飛びたいらしい。
「別にいいけど、ニーベルはどうするんだ?」
「え?私?それはもちろんこうするに決まってるじゃん!」
そういうとニーベルはタクミの背中に飛び乗った。
ニーベルをおんぶする格好になったタクミ。凄まじい著である。なんだか背中にらかいものが當たっている。
「お、おい!ちょっと!いきなりそんなこと・・・」
「いいから、いいから!さっ、タクミ飛んで!落とさないでよ!?」
今までの子をおんぶなんてしたことのないタクミ。慣れないに恥ずかしくもなりながらそれを悟られないように強がった。
「まったく、しっかり捕まってろよ!?行くぞ、フライ!」
タクミのがゆっくり浮き上がり高度を上げていく。
「アハハハ!これが飛行魔法かぁ!気持ちいい良いもんだね!じゃあ向かうのはあっちの方だからよろしくね!」
タクミの背中で子供のようにはしゃぐニーベル。南西の方を指さした。
「ヘイヘイ。わかったからそんなにはしゃぐなって。じゃあ行くぞ。」
ニーベルが指さした方に向かうタクミ。しばらく飛行を続けて森の上を飛んでいた。
「えーっとね・・・あ、あそこだよ!タクミ!あそこに見える小屋!」
ニーベルが指さした方には森の中にひっそりとたたずむ木で作られた小屋があった。
タクミが近付きゆっくりと目的地である小屋の目の前に著地した。タクミのが地上に降りると背中に捕まっていたニーベルが飛び降りた。
「よっと・・・あー気持ちよかった!タクミありがとうね!おかげであっという間に著いたよ!」
「いいってことよ。ニーベルは飛ぶのは初めてだったのか?」
「うん!飛行系の魔法を使える人は珍しいからね。なかなかこういうのは頼みずらいしね。でもタクミのおかげで貴重な験が出來たよ!帰りもよろしくね!じゃあ私は師匠を呼んでくるから!」
そう言うとニーベルは小屋の中へと歩いて行ってしまった。
「まったく、本當ニーベルって自由な子だな。」
「ほう。君が噂の新人くんかね?」
「うわぁ!」
いきなり後ろから話しかけられたタクミ思わず大きな聲を出してしまった。慌てて振り向くとそこには白髪頭のオールバックの爺さんが立っていた。
「驚かせて悪かったの。お前さんがニーベルが前に話していた者かの?」
「え?あ、たぶんそうじゃないすかね・・・」
「あー!ワールド先生!こんなところにいたんですか!」
二-ベルが爺さんの姿を見つけて小屋の方から走ってきた。どうやらこの爺さんがニーベルの師匠と呼んでいた人のようだった。
「ちょっと散歩していたところだったのじゃ。それより二-ベル、この男が前に話していたのか?」
「はいっ!タクミって言うんです。今日は一日時間あるんですから々と調べられますよ!」
「ほう・・・それは楽しみじゃのう。クックックッ・・・」
「でしょ?フッフッフッ・・・」
二人して不敵な笑みを浮かべている。
そんな二人の様子をみてなんだか寒気がしたタクミ。
「あのー・・・お二人さん、俺に一何をするつもりで?」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ!悪いようにはしないから!ただちょっと痛かったりするかもだけど・・・」
「痛いのかよ!嫌だ!絶対ロクなことじゃないだろ!?帰らせてくれ!」
なんだか言い知れぬ不安に襲われたタクミはこの場から帰ろうとした。
「まあまあ、せっかく來たんじゃゆっくりしていきたまえ。・・・ロック。」
ワールドがタクミに拘束の魔法をかけた。両手を後ろに縛られ地面に転がるタクミ。
「おい!爺さん!あんた言ってることとやってることが一致してねーぞ!」
「そんなに怖がらないでタクミ?ねっ?優しくするから!」
「ならこの魔法を今すぐ解いてくれーーー!!」
タクミのび聲が響き渡った。
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