《戦力より戦略。》親の心子知らず

しかし、そういう文化かと思えば、領主とか、それこそ魔王が世襲制だったりするからよくわからんな。

上の方の地位のやつだけ大事にしてるのか?

そういえば……。

「お前らって生まれとかも全然違うよな?」

「「「はい」」」

そりゃそうだよな。

髪のとか、眼のもかなり違うし。

「會ったのは領主のとこでか?」

「そうなりますね」

「にしては仲いいよな」

あれだけの數のメイドがいるのだ。

そもそもお互いに話す機會もないはずではないのか。

それこそ、そもそも仲が良いという可能を除けばだが。

しかし、この3人は俺のところに來ることを希したものの中で、領主が選抜した結果なはずだから、示し合わせて俺のもとに來たという事も考えにくい。

「長く一緒にいれば、仲も良くなりますよ」

「長くというと?」

「100年ほどでしょうか」

うん、桁が違うね。

どんな馴染でも俺たちではたどり著けないね。

「100年もあそこでメイド修行してたわけ?」

「まだまだこれからというくらいではございましたが、領主様の許しが出たのでご主人様の下を希させていただいたわけです」

100年でもまだまだなんだ……。

メイドの道は厳しいんだな……。

「どんな家に生まれたのかとか聞いてもいいのか?」

「別に構いませんが、なぜです?」

「いや、雇用主というか、娘を預かってるとしてはどういう立場の人だったのかというのは気になるじゃん?」

「それは、両親への挨拶も見據えて……?」

「いや、なんで結婚の報告に行くみたいな話になってんだよ!?」

シンプルに!

興味だよ!

「私の家はもう予想がついておられると思いますが」

「あぁ。ドゥは鍛冶職か、それに準ずるところだろうな」

「はい、小さな鍛冶屋ですが、一通りは教えてもらいました。その後の発展的な技はメイドとしての修行の際に伝授していただきましたが」

メイド修行何でもありだな。

「言っちゃなんだが、親に反対とかされなかったのか?」

「親と話し合う事なんてしておりませんから」

「領主のところに直談判とかしてこなかったのか?」

報統制がしっかりしておりましたので、両親も私があそこにいるとは知らなかったでしょうから、それもありませんでしたね」

あの領主のとこ、一種のブラックボックスじゃねぇか。

こわ。

「お前の存在を知って、ここに凸ってくる可能は?」

「100年も姿をくらませているんです。とっくに諦めているでしょう」

そうかなぁ……。

普通の親なら、諦めていたとしても存在が確認されたらあわてて駆けつけるようなもんだと思うんだけどなぁ。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください