「まぁとにかく、これで多はけるだろう？」

「あぁ、恩に著るよ」

実際ハンネこいつは本當に味方でよかった。

いや、二つ名ダブル持ちは誰でもそうか。

ドルガバは唯一の二つ名持ちのカイルさんが出てこれなかったから簡単に崩れたわけだしな。

あの人が出てきてたらもっと泥沼化してただろうし。

「だが、いきなり全盛期のようにとはいかないよ？」

「あぁ、それもわかってる」

そんなことしたらに負荷がかかりまくるのも目に見えてるからな。

「筋がつきやすくなるような薬は作っといたから、それで何とかするんだね」

「有能すぎるな……」

ギリギリくようになってきた両手はしがみついてる2人の頭の上にいっている中、ハンネが何気ないことのように言ったことに苦笑する。

「ちなみに、効果は？」

「2日3日ちゃんとすれば全盛期とまでは言えないけど、まぁ戻るだろうね」

想像の數百倍上いってたな。

プロテインとかでじわじわばしてるのが噓みたいじゃないか？

「ただし、そのが以前鍛えた分までしか戻らないね。あくまで、戻す薬だから。あと、年とかにもよるっぽいけどあんたなら大丈夫でしょ」

「全盛期が17とかとして、今の俺のが25とかか。それなら何とか……」

いや、まぁ、25歳になったことないから知らんが。

まだ若いだろって認識だからな。

気持ちだろ。

「あと、そこの2人は散々言い寄られてたから、そこらへんもちゃんと整理しなさいよ？」

ハンネが2人を指さしながら言う。

もちろん、レインとプリンセだが。

「言い寄られてた……？」

怪訝な顔をする俺に、いたずらっぽい笑みを見せてハンネは言うちくる。

「まぁ、そう邪険に扱ってなかったところを見るとそれなりに嬉しかったんじゃないかい？　いやぁー、モテるは辛いさね！」

「なるほど？」

「ち、違います、リブレさん！　誤解です！」

「……（コクコク）」

ハンネが去った後、必死に弁解を始める2人の口をツンと止める。

「誤・解・はしてないって。視ればわかるから」

俺の目を見て、ハッとする2人。

「だけど、何があってたのかは気になるな。よっと……」

どうにかこうにかを起こし、ベッドから降りようとする。

「リ、リブレさん早いんじゃないですか？」

「いや、をかさないと戻らないだろ？　その薬も取ってくれ」

ベッドわきにハンネが置いていった錠剤も口に放り込む。

「まぁ、リハビリがてら家の中を散歩するからその間に話してくれ」

要約すると、まぁ多方面から縁談の申し込みがあったそうな。

俺のの安全を確保するため公には俺は死んだことになっていたようだ。

つまり、レインは俺を失った形だ。

プリンセに関しては當時は俺に懐いているというだけだったしな。

レインはエルフと人間、プリンセは獣人族と人間から縁談が絶えなかったらしい。

2人とも戦闘的な意味合いで実力者なだけに強手段をとる者はいなかったらしいが、それでも數は凄かったようで、姫であるルーリアをも超えていたらしい。

「まぁ、いい気分はしないけどなぁ……」

「だ、だから言いたくなかったんですよ！」

「……全部斷ってたし……」

俺がいないってことになっていたから橫慕というわけではないんだろうけど……。

しかも、レインはともかくプリンセについてもいっちょ前に獨占みたいなのがあんのか？

我がことながらちょっと気持ち悪いな。

「あ」

いいこと考えたぁー。

「リブレさんの悪い顔久しぶりに見ました……！」

「……痩せてるから、余計悪そう……！」