《異世界スキルガチャラー》P.M.8~9時 混沌のゴーストタウン
「くそっ!何人いるんだこいつら!」
シーヴァが足止めしたのとは別の騎士達が追ってくる。
先程からマップを見ながら逃げているが、方向覚が既におかしくなってしまっており、目的の屋敷まで辿り著けない。
「まずいわね、このままじゃジリ貧になる」
ゼーテも走りながら歯ぎしりを繰り返している。
大通りを全力で走っていると、また別の怪が出現した。
「おいおいおい噓だろ……」
[マッドバーサーカー Lv58]
今まで見た中でレベル的に最強のモンスターだ。
長は5mほどだろうか。巨大な筋質のにその巨に見合った特大の剣を両手に持っている。
それだけならまだいい。啓斗達3人なら1倒すことなど余裕だろう。
だが、それが8いる・・・・とすれば話は別だ。
前方、後方、そして両サイドの民家の屋の上。
「これ、どうする……?」
もし、この場にシーヴァがいたなら狀況は悪くはなかっただろう。彼の引力作なら同士討ちさせるなり地面に埋め込むなりして倒せる。
「最初にシーヴァを分斷したのはこのためか……やはり、裏に誰かいるな」
啓斗はここで、このモンスター達の追跡とシーヴァ分斷に組織的な意図があると確信した。
だが、確信したところでこの狀況がどうなる訳でもない。
「ゼーテ、ルカ、俺が隙を作る。そこで走り抜けろ!」
啓斗は分を80作り出し、10ずつバーサーカー達に突撃させる。
バーサーカーは分を切り刻み、が撒き散らされる。
「最初はハズレだと思っていたが、案外1番使ってるかもな、このスキル」
そんな風に言いながら、啓斗は【緋クリムゾンノ・銃弾バレット】を発。
バーサーカー達の両足を撃ち抜き、きを止める。
「そうだ、これを渡しておく!」
啓斗ルカにマップを表示させたままの腕時計を投げ渡す。
「え、で、でも!」
「早く走れ!ちょうどモンスター相手の本格的な戦闘を験しておきたかったところだ!」
ルカがオロオロしていると、ゼーテに腕を摑まれる。
「シーヴァもそうだけど、男ってカッコつけたがるのよ。それに、アイツの強さなら大丈夫でしょ、行きましょう」
そう言って無理やり引っ張っていく。
「そうだよね。大丈夫、だよね」
ルカは引っ張られて走りながらも、ずっと啓斗の方を見つめていた。
「……やれやれ、これでもう追っては來られないだろうな」
り人形にされていた騎士達を壁に埋め込んで行不能にさせたシーヴァは、周りを見渡す。
「早く皆と合流しなければ。そうだ、飛行魔法を使えばいいじゃないか!何故今まで忘れていたんだろう!」
シーヴァは魔力を足に集中させ、空中へ跳んだ。
だが、その瞬間に地面に叩き落とされる。
「ぐあああ!!……ガハッ……なんだ?」
頭から流しながら、上を見上げる。
「……コープスドラゴンだと?」
シーヴァのすぐ真上、手をばせば屆くであろうほどの至近距離に、それは飛んでいた。
コープスドラゴン、死骸の龍。
その姿は、まさにドラゴンのゾンビだ。
のほとんどは骨であり、所々に腐や皮が付著している。
頭蓋骨しかない頭の、空の両目でじっとこちらを見つめている。
「コープスドラゴンは自然には現れない。元はただの龍の死だからだ。ならば、これをっている敵がいる」
だが、今は黒幕を探している暇はない。
この龍の死骸は、明確な敵意を持ってシーヴァを見下ろしている。
(2戦目はこいつだな。だが、黒眼無しで勝てるか?いや、勝たなければならない!)
シーヴァは、コープスドラゴンを睨みつけ、剣を抜いた。
「……ハァ、ハァ、ギリギリだった」
啓斗は大通りの真ん中に仰向けに倒れていた。
結局、召喚獣とゴーレム、分も大量に消費して何とか8を倒し切ったのだが、疲労が大きかったので休憩している。
そんな風に倒れながら空を見上げていると、何かがこちらに向かって降りてきているのが目にった。
それがなにか気づいた瞬間、啓斗は思わず目を見張った。
それが、空飛ぶ布団に寢そべった年だったからだ。
更に、年の姿は一言で言えば「パジャマ」であり、更に異常さを増している。
「ちょっと、人のことジロジロ見るなんて失禮だなぁ」
布団が地面に著地すると年は起き上がるなりそう言った。
「やあ、初対面だし自己紹介くらいしとこうかな? 僕はベルフェゴール。魔王様に仕える悪魔の1人さ。呼びにくかったら……ベルでいいよ」
かなり(顔だけ見れば)好印象な笑顔で年、ベルフェゴールは言う。
「ベルフェゴール……七つの大罪の「怠惰」を司ると言われる悪魔か」
啓斗は表を再び引き締めて立ち上がり、年を見據える。
「へぇ、七つの大罪なんてよく知ってるね。うん、君の推理は間違ってないよ」
「さて、前置きはここまで。魔王様に君を捕らえろって命令されたんだ。さっさと終わらせて寢たいから、大人しくして?」
ベルフェゴールはゆっくりと啓斗に向かって歩を進める。
「抵抗されると面倒だからさ。だからわざわざり人形と方角撹かくらんの魔法まで使って分斷までしたんだし」
啓斗はジリジリと後退あとずさりする。
「ちょっとぉ、追いかけるのにも力いるんだからやめてよー。1人ずつ分斷も面倒になったからわざわざ自分で捕まえに來たのに」
変わらない笑顔でベルフェゴールは歩いてくる。
だが、その背後から突然咆哮が響く。
「オオオオオオオァァァァァァァ!!!!!!」
ベルフェゴールも思わず振り向き、啓斗は向こう側を凝視する。
そこには、中が真っ黒な人影がいた。
周囲には亡霊のようなものがまとわりついている。
「あ……本の・・・街の亡霊來ちゃった。相手するの面倒だし、一旦離するよー」
ベルフェゴールは布団に再び座ると飛び去っていった。
啓斗が黒い人影を見據えていると、向こうからジリジリと近寄ってきているのが分かった。
「ここは……逃げるか」
啓斗は分を2出して突進させ、自分は先程ゼーテ達を向かわせた方へ走る。
迷わされていたのがベルフェゴールの仕業なのだとすれば、奴が逃走した今、もしかすれば魔法の効果が解けているかもしれない。
さっき地図を見て記憶しておいた街の中心まで、啓斗は一直線に走り出した。
「……ここが、貴族の屋敷みたいね」
「うん、地図もここを中心にしてる。じゃあ、どうする?」
ゼーテとルカは、その後には特に何にも襲われずに、しかも迷うことなく屋敷に辿り著いた。
「私は、ケイト君達を待ちたいんだけど……」
ルカは街の方を振り向いて言う。
「私も同。どうせ先に行ったって危険なだけだし」
ゼーテもルカと同じく街の方を見ていた。
だが、2人はもうし屋敷に注意を払うべきだった。
街を見つめ続けたせいで、連れ去られる瞬間まで2人は屋敷の中から忍び寄ってきた巨大な影の手に気が付かなかった。
「ん!? んん………」
「な、に……?」
影の手に全を握られ、2人は一瞬で屋敷に引きずり込まれた。
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