《異世界スキルガチャラー》再出発

「さて、あの巫、ルカは「龍化」を発癥してはいるが、他の巫と違う部分がある。この本読んだんなら分かるはずだ」

そう言って啓斗をじっと見る。

「「龍人」だけで止まらずに、完全な「龍」になった、という所か?」

「その通りだ。一見、呪いが進行したと皆は思うだろうが、実は違う」

「龍の力にある程度適応できたから、ほんの短い時間だが真の龍の姿になれたのだ。

これは今までとはかなり違った事例で、正直ここまで地龍様と同化できた奴を見た試しはない」

そこで思わせぶりに一泊置く。

「あの小瓶の中がその正だ。分はだが、俺が指示して里の者達に作らせた」

に取り込むことで龍の力をさらに引き出せるようになる。ただし、勿論暴走の危険は孕むがな」

男はそこで深いため息をつく。

「そこは賭けだった。最終的に正解であることを今は祈るだけだよ。だが、呪いを解くにも力を使いこなすにも、々と足りない」

そこでもう一度啓斗を見る。

「さて、ここからは「契約」だ。異世界人

。心の底から「巫」ルカを救いたいのなら、絶対に途中で投げ出すことはないと誓え。今、ここで」

語気を強め、睨みつけるような眼差しで問う男を、啓斗は見つめ返した。

「ああ。ルカの呪いを解くために命を掛けると誓う」

「………ふん、良いだろう。その覚悟を信じ、解呪法を教えよう。

まず、この世界にあと4いる「聖龍」のところへ行け。場所は、そうだな……お前の友人の雙子にでも聞くのが一番早いだろうな」

男はスタスタと啓斗に歩み寄ると、いきなり左手首を摑んだ。

「ちょっとした仕上げだ。熱いだろうが、我慢しろ」

言うと、左手の甲に焼かれるような痛みが走り、何か紋章が浮かび上がる。

「焼印をつけておいた。分かる奴に見せれば話が早くなる。治癒魔法でも消えないようにしたからありがたく思え。では、せいぜい努力しろ」

「……おっと、呪いを解いたら報告に來るのを忘れるなよ。國を移されたら流石に遠視でも視られなくなるからな」

そう言い殘し、男は空気に霧散するように消えていった。

「殘り4の聖龍……か。長旅になる気がするな」

啓斗は「壱」「弍」「參」の本を小脇に抱えると、足早に社やしろを後にした。

「あ、ケイト君おっそーい。こっちでご飯作っちゃったよー!」

ルカを置いてきた家に戻ると、包帯を全て外した・・・・・・・・ルカが玄関から手を振っていた。

「ルカ、怪我は……」

「え?なんか治った。あはは……」

傷が全て綺麗さっぱり無くなったを見せながら言うルカ。

(これも、地龍の力なのか? いや、今は考えるのはやめよう)

とりあえず家にり、ルカに促されるまま椅子に座る。

「無事だった食材をかき集めて作ったよ。火もけっこう簡単に起こせたし。お皿は……借りた」

食卓には、野菜中心のとりどりな料理が並べられていた。

「ケイト君!いただきますしよー! はいっ、いただきまーす!」

「いただきます」

異常に元気なルカと一緒に野菜を食べる。

料理は、全て味しかった。

最初にこの森に來た時は怪しい食材ばかりカゴに放り込んでいたルカだったが、どうやら料理の腕はちゃんとしているらしい。

その後、実はかなり空腹だった2人はすぐに料理を平らげ、食を片付けた。

腹を満たし、ぐいとびをした啓斗。

その服の裾を、ルカは摑んだ。

「どうした?ル……」

その顔は、涙でびっしょり濡れていた。

思わず啓斗も言葉を詰まらせる。

「ケイト……君……皆死んじゃった。ディーラお姉さんも……大僧正様も……皆…いなくなっちゃった……私、これからどうしよう……」

嗚咽をらしながら小聲で言うルカ。

啓斗はルカの方に向き直ると、そっとを抱き寄せる。

「俺が間に合わなかったから、皆を死なせてしまった。でも、約束する。俺はまだ弱いけれど、お前を絶対に置いていかない」

「だから………」

そこで彼も言葉を詰まらせる。

肩に添えられた手に力がったのをルカはじた。

「だから、俺と一緒にいてくれるか?」

啓斗の元に埋められた顔を上に向けて、彼の顔をまっすぐ見つめた。

その顔はまだ濡れていたが、悲壯は消失していた。

「もちろん! じゃあ、ケイト君が強くなるまでは私が守るよ! それじゃあさ、ケイト君も、絶対いなくなったりしないでね!」

「……もしもし」

『ああ、ケイトか!里帰りの様子はどうだ?元気でやってるか?』

「ああ、今から帰るところだ。森の口まで馬車を送ってくれないか?」

『分かった。すぐに手配しよう。土産話を楽しみにしてるぞ』

「ああ、それじゃあな」

シーヴァとの通信を切ると、啓斗はルカに聲をかける。

「よし、行くぞルカ。お供えは終わったか?」

「うん、バッチリ。ケイト君、最後に手、合わせていこう」

2人は、協力して立てた里の皆の墓に手を合わせる。

焼け殘った木材を組み合わせて作った棺に、が殘っていた大僧正とディーラのれ、土の下に埋めた。

數分間じっくり手を合わせた後、ルカは弓と矢筒を持って、啓斗は3冊の本を持って森の中へっていった。

「呪い」のことは、啓斗が獨斷で「伝えるべきではない」と判斷した。

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