《異世界スキルガチャラー》1300連目 超大型アップデート施行

「……そういえば、ガチャ引くのすっかり忘れてたな」

異様なほど早く來た馬車に乗り込み、ヴァーリュオンに向かう道中。

啓斗は今日の分のガチャを引いていないことに気がついた。

「なになに?何するの?」

向かいに座っているルカが興味津々という風に啓斗を見る。

(そういえば、ルカの目の前でガチャは引いたこと無かったかもな)

そんなことを考えつつ腕時計からガチャ畫面を呼び出す。

すると、

『NOW LODING………』

という表示が現れた。

「……なんだこれ?」

表示を凝視していると、いきなりナビゲーターのホログラムが現れた。

『ああああぁぁぁぁもおおおおぉぉぉ!!』

『やっっっっっと起しましたね!今までの1日始まったらすぐ引く流れどこにやったんですか!』

『はい!今回はガチの超大型アップデートです!腕時計の機能ごと全部強化しますよ!』

何故かキレ気味のナビゲーターに驚く啓斗とルカ。

『ああもう! ダラダラダラダラ時間ばっか潰しやがって……っっとに……もう………』

最終的に怒り疲れて息切れを起こしたナビゲーターだったが、すぐに持ち直した。

『はい、という訳で、今回のアップデートの説明に來ました。ナビゲーターです』

「なぁ、さっきの「3話」って一……」

『あー!それは気にしない気にしない!こっちの話なんで!』

かなり危険なメタ発言の容追求を強引に回避したナビゲーター。

『はい、じゃあまずは機能追加の部分から説明します』

『まず、「マップ」機能は主要都市の地図は最初から表示するようにしました。まあ、ダンジョンとかは無理ですけど』

『次に……あのー、これは…最初にれ忘れちゃったんですが……』

『啓斗様自のステータス確認畫面追加しました。いやホントすいません』

ナビゲーターが後ろ髪をかきながらぎこちない笑みを浮かべる。

『えーっと、通話機能でテレビ電話できるようにしました。安全確認に便利です』

『はい!今回のアップデートの目玉1つ目!』

自分で作った気まずい流れを自分で無理やり破壊したナビゲーターは、腕時計で今まで見たことの無い畫面を呼び出した。

『名付けて「スキルセットシステム」!』

『この機能では、好きな戦闘用スキルを10個までセットできます』

『んで、バトル中のいつでも呼び出せるんですよ』

『肝心の容はと言うと、まず、セットしたスキルを呼び出したら、セットしたスキルしか使えなくなります』

『しかぁーし!その代わりにセットしているスキルの威力が全て1.5倍!』

『使えるスキルのレパートリーがまだないので、メインウェポンをセットしておくと良いと思います』

『あ、ちなみに言うと「自」型のスキルは問題なく使えるのでご安心ください』

『目玉2つ目!「ナビゲートシステム」……と言っても、いつでも私を呼び出せるってだけですけど』

『まあ、呼び出されたら狀況に応じて々アドバイスします。困った時とかに気軽に呼んでください』

「ちょっと待て」

ナビゲーター(のホログラム)は空中を飛び回りながら説明をしていたが、啓斗の言葉で話を遮られる。

『……何ですか』

「いや、ナビゲートと言っても、お前も未來が予測できる訳じゃあないんだろ?」

『まぁ……そうですね。TRスキルにそういうのはあります・・・・が、私にそういう力は流石に無いです』

『でも、今までの前例的に大何をどうこうすればいいかとか、スキルの容理解とかには貢獻できますよ』

「前例?」

『ええまあ。伝承の本だったりとか、昔の魔のことだったりには詳しいので、対処法を予測できたりします』

「………なるほど」

『知識量で言ったら誰にも負けませんよ。私は「ナビゲーター」なんですからね』

そう言ってを張ったナビゲーターに々圧倒される。

『さーて、最後にガチャ自のアップデートのご説明させて頂きます』

ナビゲーターの言葉と同時にガチャ畫面が開く。

「ノーマルスキルガチャ」や「アタックスキルガチャ」などという項目が縦並びにされている中の一番下にもう一つガチャが追加されていた。

『その名も「スキルロベリーシステム」!』

『さあ啓斗様、ここで問題!「ロベリー」とは一どういう意味でしょうか!』

いきなり顔を指さされ、啓斗は慌てて考える。

幸い、外國語の績がそれなりに良かったので、すぐに答えは出た。

「「ロベリー」……「robbery」……「強奪」か」

『ピーンポーン!大正解!啓斗様やりますね! あのマモンとかいう悪魔からヒント得て作ってみました』

『例えば、自分がしいスキルを持っている敵を倒したとしますよね? そしたら、この子が自的に現れます』

すると、ガチャの表示の中からいきなり「何か」が現れた。

その姿は、簡単に言うと小型犬だった。

なんだろう、チワワと言うのだろうか、トイプードルと言うのだろうか。

の種類については一切分からない啓斗には、この犬がどういう犬種なのかさっぱり分からなかった。

『はい、私のペットのスナっちです。産まれたのつい最近なんですよねー。で、この子は生の魂を食べて育つんです。言うなれば吸魂犬ですね』

「キャンキャン!」

小犬は元気に飛び跳ねてルカの膝に著地した。

「わ、可い」

ルカが頭をでると、嬉しそうに尾を振る。

『それで、倒した敵の魂をスナっちに食べさせるとですね、その敵が持ってたスキルの排出率が上がる仕組みになってます』

『しかも、食べさせれば食べさせるほどスナっちが長して排出率の上がり幅が凄くなったりします』

『で、その一番下の項目では、排出率が上がった、つまり「ピックアップ」されたスキルの容を確認できます』

『ピックアップできるのは1回のガチャで1つまでなので、スナっちにどれを食べさせるかよく考えてくださいね』

「ワン!」

子犬はもうひと鳴きすると、腕時計に吸い込まれるように消えた。

『最後に今日のガチャなんですが、まあ、お詫びやら奪われた分の取り返しやら含めまして……今回はUR4つ確定にしました!ささ、ガッツリ引いちゃってください!!』

ガチャの畫面に「TAP!」が出る。

啓斗はそれを押した。

相変わらず約8割は銅と銀だが、今回はSR12個、URは確定とプラス1で5つ出た。

『はい。あと最後に、あのSR確定とか言ってた最初のガチャなんですが……』

「ああ、今考えたらどう見ても詐欺だな」

『う………容赦ないですね……はい、アレは確定とか謳うたってましたが、噓です』

『実はですね、ちゃんとした理由がありまして……えっと……』

「言い訳はいい。まあ、これからよく呼び出すと思うから宜しくな」

口の端を微かに歪めて啓斗は言った。

『ひゃ、ひゃい。宜ひくお願いしましゅ……』

かなり寒気をじる悪人顔で言われたナビゲーターは、セリフをかみまくりながら一旦消えた。

「さて、URの確認でもするか」

「え、なになに?私にも見せてー」

スキル確認畫面を開く啓斗の隣にルカは移する。

馬車は、変わらずヴァーリュオンへ疾走していた。

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