《異世界スキルガチャラー》100層ダンジョン 第1階層
「思ったよりも明るいな」
100層ダンジョンに侵した啓斗とナビゲーター。
目の前にはまさに「ダンジョン」が広がっていた。
全面石造りの壁、床、天井。
廊下の壁の所々に取り付けられた松明の數々が視界を確保してくれている。
『うっはー!外見とは比べにならないくらい壯大ですねこれは!』
ナビゲーターが歓喜と驚きのりじった聲を上げる。
『ではでは、最初のアドバイスです。まずはこのダンジョンの仕組みを把握しましょう』
『どういう仕掛けがあるのか、敵の種類、効く攻撃などなど。知るべきものは山積みです』
『この先、長い冒険になること確実なんですから、じっくりここで練習した方が良いですね』
ペラペラと喋るナビゲーターの聲を聞きつつ先に進む。
すると、道が二手に別れていた。
「……さっそく分かれ道か。面白い」
『ずっと思ってましたけど、啓斗様けっこう神経ぶっ飛んでますよね』
「そうか?」
『はい。なんというか……に々異常があるかと』
「例えば?」
『例えば、恐怖の度合いが低くて、好奇心が高かったりしますね』
『普通なら足がすくむであろう所で冷靜に狀況を分析したりしてますよ貴方。気づきませんでした?』
「……そういえば、そうだな」
『ね? でも、戦いには好都合なのも事実。理由はこっちで調べますんで今は探索に集中しましょうか』
通路に視線を戻す。
右か左か、どちらを選ぶにしろこの先は未知の領域だ。あまり選択に意味は無い。
啓斗は、右の道に進むことにした。
深い考えは無く、ただナビゲーターが右側にいたというだけだ。
『んー、ダンジョンの分かれ道!いつ見てもドキドキしますねぇ!』
「いちいち騒がないでくれ。気が散る」
大はしゃぎするナビゲーターにしイライラしながらも、警戒しつつ先に進む。
2分ほど進むと、いきなり頭上から何かが降ってきた。
「うおっ!なんだ!?」
『うっは!これアレですアレ!スライムって奴ですよ!』
「ジェルスライム Lv10」
【エネミーサーチ】で確認すると、確かに「スライム」だ。
小型のジェル狀生で、特に強そうには見えない。
やはりスライムだからなのだろうか。
『スライム族はモンスターの中で1番弱い種族ですからねぇ。Nスキルで大丈夫でしょう』
ナビゲーターのアドバイスに従い、啓斗はNスキル【アイス】を使用してみた。
【アイス】
小さな氷のつぶてを生して敵にぶつける。
初級魔法のため、威力は低い。
氷のつぶてをスライムにぶつけると、スライムは一瞬悶えした後に消滅した。
『弱いですねぇ。まさに雑魚ってじ』
「第一階層だしな。まだ弱い敵しかいないんだろう」
そのまま細い通路を進む。
所々でスライムが出現して襲いかかってくるのだが、Nスキルの魔法や、「ただの蹴り」などで倒せる。
『ちょ、啓斗様! ガチのキックて! 流石にむごい!』
「MPの節約だ。10でもなるべくとっておきたい」
『それでも蹴り飛ばすのはちょっとキモイです……ってなんで踏み潰してんですか!』
地面の中から現れたスライムを啓斗は思いっきり踏みつけていた。
「意外と弾力があるな。ちょっと面白い」
『なんで冷靜に踏み心地を確認してるんですか……』
そして、小さな扉に辿り著いた。
扉の上には「第2階層へ」と書かれている。
「さっさと進もう。ここじゃ練習になりやしない」
『そうですけど……啓斗様って容赦ないんですね……』
躊躇ちゅうちょなく扉を開けて先に進む。
心なしかナビゲーターの顔が悪い。
「……これは、確かに重要だな」
シーヴァは啓斗の部屋で「壱」「弐」「參」の本を數時間かけてじっくり読んでいた。
「龍となり、野生に取り憑かれて死に至る呪い……強力なものに間違いない」
「啓斗が必死になるのも頷ける。是非ともどうにかしたいところだ」
読み終わった3冊の本を重ねてテーブルに置き、一息つく。
すると、ガチャリとドアを開けてゼーテがってきた。
「ん?どうしたゼーテ」
「いや、伝言。ルカが練習場で待ってるってさ」
「ああ、そうだった。手合わせの約束をしていたんだった。今から行くよ」
シーヴァは部屋を後にした。
1人殘ったゼーテは、部屋をなんとなく眺める。すると、テーブルの上の3冊の本が目にった。
「え? 何この本。アイツの趣味に合ってないわね……」
ゼーテは、「壱」の本を開いて読み始めてしまった。
數分後。
「………噓、でしょ?」
ルカに起きている異常を知ってしまったゼーテも、急いで練習場へと向かった。
- 連載中329 章
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158 - 連載中430 章
地球連邦軍様、異世界へようこそ 〜破天荒皇女は殺そうとしてきた兄への復讐のため、來訪者である地球連邦軍と手を結び、さらに帝國を手に入れるべく暗躍する! 〜
※2022年9月現在 総合PV 150萬! 総合ポイント4500突破! 巨大な一つの大陸の他は、陸地の存在しない世界。 その大陸を統べるルーリアト帝國の皇女グーシュは、女好き、空想好きな放蕩皇族で、お付き騎士のミルシャと自由気ままに暮らす生活を送っていた。 そんなある日、突如伝説にしか存在しない海向こうの國が來訪し、交流を求めてくる。 空想さながらの展開に、好奇心に抗えず代表使節に立候補するグーシュ。 しかしその行動は、彼女を嫌う実の兄である皇太子とその取り巻きを刺激してしまう。 結果。 來訪者の元へと向かう途中、グーシュは馬車ごと荒れ狂う川へと落とされ、あえなく命を落とした……はずだった。 グーシュが目覚めると、そこは見た事もない建物。 そして目の前に現れたのは、見た事もない服裝の美少女たちと、甲冑を著込んだような妙な大男。 彼らは地球連邦という”星の海”を越えた場所にある國の者達で、その目的はルーリアトを穏便に制圧することだという。 想像を超えた出來事に興奮するグーシュ。 だが彼女は知らなかった。 目の前にいる大男にも、想像を超える物語があったことを。 これは破天荒な皇女様と、21世紀初頭にトラックに轢かれ、気が付いたら22世紀でサイボーグになっていた元サラリーマンが出會った事で巻き起こる、SF×ファンタジーの壯大な物語。
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