《異世界スキルガチャラー》降りしきる雨の中で 5
「ナビゲーター、お前も聞いたか!?」
『はい、確かに聞こえました! 咆哮が2つ!』
「あっちだな!?行くぞ!」
遠くから聞こえた2つの怒號を聞きつけた啓斗は、全速力で敵を蹴散らしつつ先に進む。
一方のルカは、既に激烈な戦闘を行っていた。
「ウガァァァ!!チョロチョロ避ケンジャネェ!」
「ははっ!そっちが遅いのが悪いんだよーだ!」
この戦闘で目を見張るものがあるとすれば、ルカの移スピードの圧倒的速さにある。その人間など足元にも及ばない視力とそれによる回避を可能にする龍の筋力、そしてその2つを最大限に活かす完璧な反神経。
この能力をフル活用し、巨大な斧を振り回して攻撃してくる敵モンスターの攻撃を全て回避する。
(凄い……あいつのきが止まってるみたいに見える!)
(これが、龍の力……でも、なんだろう?何か変だヨ)
なにか、心の奧に広がる何とも言えないざわざわした覚。
しかし今はそれに気を使っている暇がない。理由はこの圧倒的能力に由來するものだ。
どういうことかというと、ルカは元々エルフ族であるとはいえただのだ。數日前に能力を手にれて、悪魔と戦い大敗を喫した後は力を抑えきれず暴走、つまりここまでま・と・も・な・特・訓・を・し・て・い・な・い・のだ。
よって、この反神経と視力に脳が著いていかないという事象が発生している。
ならばどうやって敵の攻撃を避けているかというと、本能的な反回避を行っているだけなのだ。
「わっ、たっ、とっ! ほあっ!?」
「コノ、サッサト、當タリヤガレ!」
イナバウアー並みののけぞりや超速バックステップ、極めつけは熊が橫薙ぎに振った斧の上に飛び乗ってそのまま斧の柄を走り抜けての攻撃だ。
「どおぉぉりゃあぁぁぁ!!!」
「ゲブアァッ!?」
龍の腳力を最大限に活かしたジャンプからの膝蹴りが熊の顎にクリティカルヒットし、大きく後退させた。
「よし! 覚で戦えば勝てるかも!」
ルカは気づいていない。意識的に行を制せず戦い続けることの意味を。
理ではなく自の覚、つまり「野生」に戦いを委ねることは彼にとって最もリスキーなことであり、暴走の引き金を引いてしまいかねない行為なのだ。
「行ける、勝てる、倒せル……殺セ……え?」
思考の中に一瞬よぎった言葉。「殺せる」と言いかけそうになった自分に気付き、急いで平靜を取り戻そうとする。だが、それは今まで回避していた攻撃が直撃するという結果を招いた。
咄嗟に右腕で防する。異常な程のさの龍鱗のおかげで腕が千切れ飛ぶような事は無かったが、衝撃で近くの廃墟に突っ込んだ。
「なんだ? 明らかに敵數が増えてきてる」
『敵の本拠地に近づいてきたってことだと思いますよ。ていうか、地上からだとホントに遠いですねー』
啓斗はルカを追って街を走り回っていた。
まるで湧いて出てきているかのように至る所から現れるモンスター達を倒しつつ進む。
『ん? この反応は……』
「どうした?」
ナビゲーターがいきなりスマホらしきものを取り出して畫面を作しだした。
『啓斗様、どうやらこの近くの家の中に誰かいるみたいですね。バイタルサインが微弱で、このままだとまずそうです』
「……ルカも心配だが、それも放ってはおけないな。どこだ?」
『ここから北に2ブロック行って左手にあります。ドアが半開きになってるはずなのですぐ分かると思いますよ』
ナビゲーターの言葉に従って移を開始する啓斗だったが、移中にあることに気づいた。
「ちょっと待て。ナビゲーター、お前そのスマホで位置調査できるのか?」
『あ、はい。出來ますが、私に索敵やらを頼むのはお門違いってものですよ。私はある程度の「ナビ」をするのが仕事なんですから』
「いや、仲間の位置が分かるだけでもだいぶ違うんだってことも分かるだろうが」
『ふーむ、確かに。じゃあ私の匙加減で程よくサービスいたします』
「なんでお前の覚が基準になるんだよ……」
依然としてモンスターとの戦闘は継続中だが、啓斗とナビゲーターは々余裕を持っていた。
龍が目の前にいる。
深緑の鱗を全に纏わせたその巨大かつ荘厳な生は、優しげな瞳でこちらを眺めている。
私は、その顔にれようと手をばす。
龍もそれに応じるように頭を下げてきた。
そして、私の手が龍の鼻先にほんのしだけれた瞬間、視界がに包まれた。
「………う、ん!」
瓦礫の中から立ち上がったのは、紛れもない「龍人」だった。
だが、その目は狂気に侵されてはいない。
「ちょっとだけなら、行けるかも」
完全な龍人狀態に変化したルカは、戦闘を再開すべく広場へと走った。
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