《異世界スキルガチャラー》奇襲と迎撃

『ふーむ、この文章の流れから推測しますに、マモンの方は半分魔王に洗脳される形で仲間になったようですね』

「確かにな。ついさっきまで金銭目當てで魔王の命を狙ってたが、いきなり絶対的な忠誠を誓うというのも明らかに怪しい」

『そうですねー……何かの魔法か、奪魂魔スナッチャーを吸収したことによる副作用か……』

いつになく真剣な表で思案しているナビゲーターを見ていると、どこか違和じてしまう啓斗だった。

『まあ、今は殘りの章も訳してしまうことが先決で……!?』

と、ナビゲーターが言いかけた瞬間。いきなりホログラムにノイズがり、その姿がかき消されてしまった。

「おい、どうした!? ナビゲーター!?」

驚いた啓斗が聲をかけるも、再びナビゲーターが姿を現すことは無かった。

「ちょ、なんでいきなり回線ぶった切れたの!? ジュスティツィアー!?」

ナビゲーターは大聲で、自分が作り上げた最高傑作と自負する音聲プログラム兼防衛システムを呼んだ。

『はい、主様あるじさま』

「いきなり通信回線が切れちゃったから修理して! あと、何でこうなったか調査! 今すぐ!」

『どちらも既に終了済みです。回線は復帰させ、原因の調査も完了しています』

「……流石。で、原因は?」

『原因は敵対的な天使の攻撃によるものです。この場所のセキュリティを突破しようとしているようです』

「ほーん。で、一瞬だけ回線が切れたってことは、防システムも一瞬ダウンしたってことでいい?」

『仰る通りです。現在、セキュリティバリアを通り抜けた11の天使がこちらに向かってきています』

「今すぐ迎撃して。レーザーと追尾ミサイルをフルに使って、掻い潛って著地したのはスナっちにやらせること」

『了解しました』

ジュスティツィアが配備を開始したのを手元の端末で確認しながら、ナビゲーターはスナっちに連絡する。

「スナっちー、今何してんの?」

『1人でバトル練習中だけど、ゴシュジンなんか用?』

「あ、戦闘訓練中ならちょうど良かった。エリア21に敵が降りてくるから、ぶっ倒して來てー」

『オッケー、分かっタ。あ、ゴシュジン、1個質問いイ?』

「え、なに?」

『天使どもぶっ殺したら、全部食べていいよネ?』

「ん、勿論いいよ。啓斗様が排出できるガチャスキルの種類も増えるし」

『やっタ! やっぱり魂も食べないと満たされないヨ! 今日はご馳走ダ!!』

そう言ってスナっちは連絡を切ってしまった。

端末を確認すると、スナっちを意味する小さな丸が猛スピードでエリアを移しだしているのを確認した。

「さーてと、私が出る幕は無さそうですが……一応現場に行きますかぁ」

ナビゲーターも、敵の天使の到達予測地點であるエリア21に向かった。

「いいか、貴様ら! 標的はあくまでアズラーイールの命を取ることだ! 決してそれ以外を考えるな!」

した11の天使のうちで最も位の高い1人が他の10人に指示を出す。

現在急降下してナビゲーターを狙うのは、天使兵士長1名、上級天使6名、下級天使4名。

「アズラーイールの力は我々の能力を遙かに凌ぐ! 奴の所に何人が生きて到著できるかが重要だ! 各自、必ず來る迎撃の回避に全力を注げ!」

と、兵士長が言い終わった瞬間。

無數のレーザーが上下左右の至る所から天使達を襲った。

「來たぞ、避けろ!」

一気に空中で散開し、レーザーを全力で回避する。

しかし、このレーザーの攻撃度も異常である。避けられるか避けられないかで言えばほとんど不可能と言っても過言ではない。

「うぐっ!?」

「ぬああっ!」

やはり回避しきれなかった下級と上級が1人ずつ、翼にを開けられて落下して行った。

なんとかレーザーの網をくぐり抜けた9人が降下を続けると、何やら並行して飛んでいる者がいるのが見える。

「兵士長、なにか來ます!」

それは人型をしていたが、全が真っ黒であった。右手と思われる場所にる剣を持ち、飛行音もさせずにこちらに向かって突撃してくる。

「私が対応する。刺し違えてでもアズラーイールの首を取れ!」

兵士長が腰からサーベルを抜き、黒い人型の何かに向かって突進して行った。

「兵士長!」

「二ーファ、止めるな! 我らの目的はアズラーイールを倒すことだ!」

二ーファと呼ばれた下級天使の腕を他の天使が摑み、無理やり降下させていった。

『流石は兵士長クラス。しだけしぶといですね』

剣を持つ黒い人型は、どうやら遠隔作型のロボットのようだった。

機械的な雑音を響かせながら兵士長に向かって語りかけてくる。

『ですが、大人しく降伏するか逃げた方がのためですよ。私の主様には到底勝てませんから』

「黙れ! 我ら天使の裏切り者が作り出した機械人形のくせに!」

『その認識の誤解度90パーセント。我が主様を裏切ったのが天界でありますし、この擬似で機械を使用しているのは全で12パーセントです』

肩をすくめるような作をしながら「擬似」は兵士長に言った。

『では、そろそろ終わりにしましょうか。護衛プログラムとしての役目を果たす必要がありますので』

「やれるものなら……やってみろ!」

兵士長が突撃し、「擬似」の作主であるジュスティツィアも構えを取った。

そして、両者が同時に剣を振る。

1秒後、兵士長のが袈裟斬りにされ、落下して行った。

『私の反応速度は、主様の攻撃速度を基準にプログラムされています。よって、貴方に破ることはできません』

ジュスティツィアは、こちらを見つめながら落下していく兵士長を見下ろしてそう言った。

『予想外の量に逃げられてしまいました。地上の奪魂魔に期待するしか無さそうですね』

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