《異世界スキルガチャラー》機械帝國について
「……結局あの後、ナビゲーター戻ってこなかったな」
ナビゲーターが突然消えてから數十分後、啓斗は訓練場で鍛錬しているルカを遠くから眺めながら呟いた。
ゼーテとルカには「何も分からなかった」という噓の説明をし(ナビゲーターの支持を忠実に守った結果だ)、そのまま訓練でもしようという流れに持って行った。
「それにしても、ルカ凄いわね。ここ數日でメキメキ弓の腕が上達してるの目に見えて分かる」
「そうなのか? 俺じゃあよく分からないな」
「ふーん、覚の違いかしら。まあとにかく、龍人にならなくてもそれなりに戦えるレベルには達してるんじゃないかしら」
後ろから歩いてきたゼーテと會話をわしつつ啓斗が振り向くと、その両手には彼も見慣れた容にった飲料が2本握られていた。
「……ペットボトル飲料がこっちの世界にも存在するとは思ってなかった」
「え、そうなの? マギクニカが領土の土壌をほじくり回して開発した結果出來上がったらしいんだけど、アンタのいた世界にもあるんだ」
「ああ、結構昔からな。俺のいた世界じゃ、水からジュースまで大これにれて売ってる」
「へぇ、水を……ねぇ」
ペットボトルで水を売るという景を想像出來ないのか、ゼーテは小首を傾げている。
「そういえば、マギクニカは的に
言うとどんな國なんだ? 話だけ聞いてるとかなりの先進國みたいだが」
「そうね、いい機會だし詳しく説明しとこっか。ちょっとだけ長いから覚悟しなさいよ」
啓斗が頷くと同時に、ゼーテは左手に持っていた飲みを思いきりルカに向かって投げた。
ペットボトルは弧を描いて飛び、ルカはノールックでそれをキャッチした。
「ヒュー、さっすが」
ゼーテは口笛を吹いて目を見張ったあと、自分の分の飲みのフタを開けながら話し出した。
「マギクニカは、他のどの國よりも機械工業が発達してるそっち系統の最先端みたいな國。
土地柄なのか分からないけど、昔から魔法の適が低い人間ばかり生まれるらしくて、それを打開するために機械を作り出したらそれが専売特許になったっていうり立ちね。
今、この世界中に出回ってる電化製品とかプラスチック容とかはほぼ全部がマギクニカ製なの。冷蔵庫とかね」
ここでゼーテが慌てたように言う。
「あ、勘違いしないように付け加えると、魔法が機械の上位互換っていう理論はり立たないってことも覚えといて。に永続的な質冷卻魔法を込めるのなんて、上級魔導士が2週間ずっと呪文を唱えるくらいの労力が必要なんだから」
一旦ゼーテはペットボトルの中をし飲んだ。
「2週間かけて冷蔵庫と同じ効果のを1個こっちが作れるのに対して、向こうは「コージョー」とかいう場所で24時間ひっきりなしに作ってんだから勝負にもならないわよ」
それからゼーテは、懐から小さな棒のようなを取り出した。
何やらボタンと思わしきものが3つ付いている。
「これもマギクニカの製品。ボタンを押すと変形して3種類の武になるっていう、どういう仕組みかもよく分からないシロモノ」
ゼーテは棒を啓斗に投げて寄こした。
「ソレ、あげるわ。なーんか扱いが難しくて私には使えなかった。異世界で機械に馴染みあるアンタの方が使えんじゃない?」
「それはどうか分からないが、一応ありがたく貰っとくよ」
啓斗は棒を取り敢えずポケットにしまった。
「じゃあ、話の続きね。マギクニカは機械「帝國」って呼ばれてるけど、リーダーが3人いるの。その3人が指揮を執って國をかしてるらしいわ。流石にあの規模の大國だもの、取締役が1人じゃが持たないと思う。
んで、ここから重要なんだけど……マギクニカ、治安がけっこう悪い地區が多いのよね。大きい街から1歩離れたら強盜やら恐喝やらが橫行してるって話。私もちょっとだけ見た事あるんだけど、けっこうエグいわよ」
肩を竦めつつゼーテはもう一度ペットボトルの中を飲む。
「今回私たちがマギクニカに行く目的は、ここ最近で數が異常に増えて活化してる魔に対する共同対処の相談と、貿易協定を結ぶため。
ちょっと悔しいけど、マギクニカの技力は他の國には真似出來ないものがある。だから敵に回さないように協定結んだりっていう回りくどいことをするわけ。
で、私たちの任務は簡単。ジェイド王がマギクニカの過激な奴らに危害を加えられないようにただ守ること。まあ、マギクニカの中央街にっちゃえば完璧なセキュリティが守るしそこまでだけど。
終わったら、メインコンピュータのアクセス権限の取得の連絡が來るまで自由に待機。楽な仕事よ」
ゼーテはあくまで気楽そうに話を締め括った。
「じゃあ、私もちょっと訓練するわ。アンタも怠んないようにね」
「了解」
立ったまま一気飲みをしているルカに駆け寄っていくゼーテを眺めつつ、啓斗も立ち上がる。
腕時計に呼びかけてみたが、相変わらず反応はない。
ヴァーリュオン出発まで:あと5日
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