《異世界スキルガチャラー》2000連目 可変武「ヴァリアブルリーパー」

それなりに長めの解説をひたすら喋りまくった後、ラビアはようやくしっかりと武を選んでくれるようになった。

「やっぱ初心者には軽めで振りやすい剣が一番だぜ。ちょっと待ってな」

ゼーテの剣「パーシヴァル」をまた奧にしまうと、ラビアは剣の並んでいる棚をものすごい勢いで探り出した。

金屬と金屬がれ合うガシャガシャという音を響かせているラビアを見つめながら、啓斗は何となくポケットに手をれる。すると、手に冷たいが當たった。

(ん、そういえばコレは一何なんだ? ゼーテに貰った後一応持っていたが、ナビゲーターが応答しないからどういうか分からないままなんだよな)

そう思って取り出したのは、ゼーテに渡された金屬製の棒だった。

長さは12センチメートルほどで、まるで信號のように赤・青・黃のボタンが縦に並んで付いている。

ラビアの方を見てみると、まだ彼が探している剣が見つかっていないようで、未だ棚をひっかき回し続けている。

(ゼーテの言葉から考えると、このボタンを押すと形が変形して武になるらしい。そして押すボタンによって武の種類が変わる……か。いや、これを試す前にガチャでも引いておくか)

ラビアにし聲を掛けると、

「ああ、探し終わるまでその辺で適當にしてて。……あーれぇ、どこしまったっけかな?」

というような返事が返ってきたので、ラビアからし離れて反対側を向き、腕時計のメニューを呼び出した。

すると、メニュー畫面に上乗せされるように(パソコンでブラウザ検索をしているときに、最大化している畫面に被さるように小さめの畫面が表示されるのを想像してくれれば良いだろう)なにやらテキストメッセージが表示された。

『啓斗様、私はアシスタントシステム「ジュスティツィア」です。現在、本來のナビゲーターである主様あるじさまがお忙しく、私が対応しています。さらに音聲システムが故障しており、テキストのみでのご案になってしまっていることをお許し下さい』

『このような狀態ですので、本題のみを簡潔に説明致します。主様が今回もガチャのアップデートを施されました。今回のアップデートでは新しいガチャが実裝されています。名稱は「レベルアップガチャ」。容を述べますと、このガチャ「既に排出済みのスキル」のみが排出され、上昇するレベルが他のガチャの倍になります。既出のスキルを強化したい際にご活用下さい』

そこまで表示されると、テキストメッセージ畫面は自的に消えてしまった。

しかし數秒後、思い出したように一行だけメッセージが表示された。

『主様についてはご心配なく』

ただそれだけの表示が消えると、強制的にガチャ選択畫面に飛ばされてしまった。

「レベルアップガチャ」が追加されたそうだが、現在の啓斗はまだ新URスキルやまだ一度も見たことのないCTRチートレアスキルも手したいので「ノーマルスキルガチャ」を引いてみることにした。

排出されたのは、いつも通り無數の銅・銀の球と、10數個の金球、そして1つだけの虹球だ。

URスキル【剣聖の加護】

と同時に毎秒MPが20減する。

している間、使用している剣の攻撃力が3倍になり、剣を使ったスキルのMP消費量が半分になる。

(いや、扱い難いスキルだなオイ。こういう系統のスキルって消費MP無しで自するべきものだろ。毎秒20MPの消費はデカすぎるぞ……)

そんな當たりかハズレか分からないスキルについて考えながら振り向くと、啓斗は目を疑う景を見た。

なんと、ラビアが啓斗がポケットにれていた棒を持って目を輝かせているのだ。

「ちょっと、勝手にポケットから抜き出したのか!?」

「ああ、ゴメンゴメン。でもよ、コレ持ってるなんてお兄さん何者だ? ていうかこんなのあるなら武なんて買わなくて良いだろ!」

両目を異様に輝かせながら、ラビアは啓斗と棒を互に見ている。

「まさか本の可変武「ヴァリアブルリーパー」にれる機會に恵まれるなんて、すぎる! ……なあなあ、ちょっと起してみていいかな?」

もしこれが漫畫だったなら、彼の周囲にキラキラのエフェクトが出ていてもおかしくない表でこちらを見つめるラビア。

ここまで純粋無垢な表をされてしまうと啓斗は首を縦に振らざるを得なくなった。

「マジで!? よっっしゃ! じゃあまず青いボタンを……♪」

ウキウキな気分が前面に出ている彼が青いボタンを押すと、棒の先端からいきなり剣先のようなものが飛び出てきた。

「すっげぇ……流石はマギクニカの技の結晶! えーっと、黃を押すと確か「ガンモード」になるはず」

ラビアが黃のボタンを押すと、「現代」で例えるとアサルトライフルが最も形狀が似ているような形と大きさの両手銃に変化した。

「うっはー、やっぱ銃っていいなー! でも銃ってこの國の需要に合ってないから作り方學びにすら行かせて貰えないんだよな……」

言いながらラビアは赤いボタンを躊躇なく押した。

すると、今までよりも派手な変形をして、巨大な鎌になった。しかも、その刃には電流が流れているようだ。

「半端ないなー! バチバチ鳴ってるし見た目より軽いし、こんなの喰らったら焦げ斬れるだろうなー」

恍惚とした表のラビアがもう一度赤いボタンを押すと、最初の棒のような形態に戻った。

「いやー、お兄さんには良いモノ見せてもらっちゃったな! ほら、注文の品だ!」

ニコニコしながらラビアは、鞘に収まった1本の剣を差し出してくる。

「ウチで扱ってる剣の中でもかなり上だ! 斬れ味も良いし耐久力もなかなかだ!」

「分かった、これにするよ、ありがとう。それで、いくらだ?」

「お代? ああ、タダで良いよタダで! 可変武なんていう珍しい見せてもらったお禮だ!」

「本當にいいのか? かなり高そうな剣だが……」

「いいっていいって、持ってけ!」

二パっと笑って親指をグッと立てたラビアの言葉に甘え、啓斗は無料で剣を貰って店を後にした。

啓斗が帰ってから數分後。

ラビアは店の前で看板の掃除をしていた。

「いやー、でもあのお兄さんの素、気になるなー。明日にでも報収集しとこ」

「おい、ラビア。隨分と楽しそうな顔してるじゃねぇか」

振り向くと、鍛治仕事が終わったらしい彼の父親が立っている。

「そうなんだよ、親父、聞いてくれって!」

ラビアは笑顔で父親の腕を引っ張って店の中へ戻って行った。

ヴァーリュオン出発まで:あと4日

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