《異世界スキルガチャラー》ギガンティス討伐任務 2

啓斗たちは、平原の中央に立っている。

彼ら3人が見つめる先には、見上げるほどの巨大な生が悠々と歩いていた。

「あれがギガンティス。この平原に全くもって似つかわしくないくらいデカくて、単純だけど強大な力を持った危険な魔よ」

「まあ、逆にここにいてくれてラッキーなんじゃないか? ここならあいつの全貌がよく見える」

「うーん、大丈夫かなぁ……思ったより大きい……」

その生を一言で形容するならば、ゼーテが言っていた「く山」というのが適切だろう。

腳の一本だけでも4階建てのマンションほどの高さと橫幅があり、その皮はゴツゴツしてまるでく石柱のようだ。

はくすんだ灰のようなのだが、全に苔か何かと思われる緑が生えている。顔はのっぺりとしており、だけの鼻とギョロリとした両目、そして無數の牙が生えた大きな口。

そんな奇妙かつ謎の威圧を誇る異形の怪に、啓斗とルカは得のしれない寒気を覚えた。

「じゃあさっき言った通り、ルカは弓矢と風の魔法で遠距離攻撃と後方支援。私は近接攻撃との魔法でメインの攻撃擔當。ケイトは……そうね、ギガンティスは無駄にタフだし、使ったことない攻撃スキルとか試してみたら? それじゃ、行くわよ!」

「りょーっかい!!」

「さて、どうしたものか……」

ゼーテは右腰に提げていた剣を勢い良く抜き、ギガンティスに向かって走っていった(今回「パーシヴァル」は持ってきていないようだ)。

「ルカ、あのサイズのモンスター相手に対してこっちは人間3人と剣2本、弓矢1組、最後に魔法なわけだが、どう思う?」

「え、どう思うって?」

「やられることは無いと思うが、苦戦する可能があるってことだ。だから、俺が合図したら……」

啓斗が何やらルカに耳打ちすると、彼の目のがみるみるうちに輝いていく。

「どうだ、できそうか?」

「うん、面白そう! できるかはやってみないと分からないけど、いつでも言って! ケイト君のためなら、私なんでも頑張るから!」

瞳を輝かせて全力の笑顔を見せながら、ルカは力強くそう言った。

それを聞いて啓斗は一瞬だけ表・・を・曇・ら・せ・た・後、ルカの頭をでつつ、

「じゃあ、俺も頑張らないとな。マギクニカに出発するまでに日數はまだあるし、終わったらまたカフェでのんびりお茶でもしよう」

「あ……う、うん!」

啓斗は昨日ラビアにタダで貰った剣を抜くと、解除していた【ダッシュアップ】と【トリプル・スピード】の複合移魔法を再発し、ゼーテに追いつくように走っていった。

しかしそのせいで、ルカの顔がほんのしだけ赤くなっていることには気がつかなかった。

(まずは、このモンスターの戦闘力を測るところからだ。確実なダメージを與えるためには必要な報だしな。よし、【分析アナライズ】!)

モンスターNo.213「ギガンティス」ランクA+

HP:40000

MP:500

P・ATK:B

M・ATK:E

DEF:A

DEX:D

SPD:F

LUK:G

魔法屬適正

火:G 水:G 風:G 土:G :G 闇:G 無:D

狀態:空腹

特殊スキル:無し

固有スキル:無し

このステータスを単純に考えると、やはりランクA+というだけあってかなりのものだ。

暴走地龍でも回復能力が無かった場合の最大HPは30000であるのに対し、このギガンティスは40000もある。

理攻撃力P・ATKと防力DEFもかなり高く、啓斗はこのモンスターを倒すのには々本気でかからなければならないと確信した。

しかし、今後さらに激しくなるであろう戦いのためにも々と試してみたいという探求心や好奇心のようなものも啓斗の中にけっこうな割合で存在する。

「まあ、ゼーテも々やってみろって言ってるし、さっき発見した〈スキルチェイン〉っていうのも試してみて損は無いだろう」

啓斗は剣に向けて、今の狀態で同時発が可能そうなバフスキルをありったけ発した。

純粋に剣の攻撃力を上昇させる【マジックエンチャント】と、火屬付與の【フレイムエンチャント】、さらに水屬の応用魔法である「氷」屬付與の【フリーズエンチャント】を発し、【貫通力増強】と【切斷力増強】も発させた。

すると、纏わせた火炎と氷結が剣を軸にして渦を巻き、螺旋狀に絡み合い始める。

「あの雙子が「融合」した時、2人に現れた反応と似てるな。氷の方が火炎の熱に負けて溶けてしまってもおかしくなさそうだが、そうでもなさそうだ。何か特殊な條件でもあるのか?」

疑問に思っていると、いきなり橫長のホログラムウィンドウが啓斗の目の前に出現する。

そこには、現在の狀況をしだけ理解できる容が表示されていた。

〈コンボスキル〉【フレイム&フリーズエンチャント】

2つの屬の力を同時に武に纏わせ、両方の効果を複合した能力を與える〈コンボスキル〉の1つ。

このエンチャントを施ほどこされた武で攻撃した場合、対象は火炎による炎上と氷結による局部冷凍が同時に発生する。

〈コンボスキル効果〉

火炎エンチャントによって冷凍が融解しなくなる。

「つまり、相手を燃やしながら凍らせるっていう矛盾に満ちた攻撃ができるようになったってわけか。……いや、どういうことだ?」

自分で言っていてよく分からない啓斗だったが、取り敢えず自分が使ったスキルの効果をけ止め、使ってみることにした。

そういえばゼーテはどこにいるのだろうと思って上を見上げてみると、すでに彼はギガンティスより上空で大量のの槍を発生させていた。

「おいおい、いきなり終わらせる攻撃だろアレ!」

せっかく発見したスキルの応用を使うチャンスをあっという間に消されてしまっては堪らないと、啓斗はスピードを上げてギガンティスに攻撃を開始した。

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